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「ありのまま」は存在するのか?

人間は何かが起こったとき、色々と考えるのが好きだ。例えば、家の呼び鈴が鳴ったので、出たら誰も応答しない。まず、いたずらだったのか?と思う。でも、子供が歩いていない時間にどんな人が?一体何の理由で?ストーカー?空き巣強盗の下見?

「ベルが鳴らされた」という事実をそのまま受け入れ、対応するだけじゃ物足りない。なぜ?どういう風に?いつ?誰が?を追求し続ける。そして、何も起こっていなくても不安になり、ひどい場合は、夜もゆっくり寝てられなくなるかもしれない。「ベルが鳴らされた」という事実に対して様々な意味付けをしたためだ。

ちょっと、一歩下がってみて。思考を巡らして、準備するのはいい。鍵が閉まっているかチェックしたり、家の周りを巡回しても良いだろう。でも、ここで気が付いて欲しいのが、この目の前の事実「ベルが鳴らされた」は思考の発展とは具体的には関係がないことを。夜もゆっくり眠れなくしてしまったのは、事実に起こったこと以上の意味を与えすぎたからだ。

これと同じようなことを、日々の生活でしていないだろうか?自分なりに何らかの意味を与えてしまっていないか?また、その意味は、無意識にネガティブで、力を削ぐような意味づけになってない?

もしそんな意味付けに気が付けたら、気付く限り、一つ一つ向き合う。もし事実がストレス、恐怖、悲しみ、怒りといったネガティブな意味付けを与えるなら、まずは事実を「ありのまま」で見つめてほしい。書き出す。そして、この事実は本当にストレスなのか?この事実の何がストレスなのか?書き出す。事実と意味付けが離れたら、もしポジティブな意味づけを与えるなら、どんな意味を付けるのか? 徐々に、すり替えていく。

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