「自分を愛する」プロセス1
「Love yourself(自分を愛しなさい)」を初めて学んだのは、ルイス・ヘイのメディテーションからだ。他人を愛することばかりを教わってきた私の世代は、彼女の言葉は革新的で、彼女のメディテーションCDを毎日聞いて、鏡の前で「I love you.」を繰り返していれば、全てが解決すると思っていた。
そこから何十年も過ぎた。ルイス・ヘイのメディテーションは私に合っていなかったようで、1週間くらいしか続かなかった。でも、その他の自己啓発は積極的に学び、経験してきた。
そしてわかったのは、「自分を愛する」のは究極的に難しいこと。あるとき愛せても、あるときまた愛せていない自分に気づく。彼女のメディテーションや自己暗示だけでできた人は幸せだけど、定着するものなのか?
自分を愛するには、プロセスがある。まずは、「自分を許す」。次は「自分を受け入れる」。そして、最後に「自分を愛する」がくる。
第一の関門、「自分を許す」のはとっても難しい。この許しには多くのことが含まれる。例えば、私の「I’m not good enough. / 私は愛されるのに十分じゃない。資格がない」といった許したい感情。これは単に、自分を受け入れる問題かとも見える。だから「ありのままの自分を受け入れなさい」といったアドバイスを受けたことが何度もある。でも、それは、「気を向けないで、忘れてしまいなさい」と言っているのと同じだ。
実は何かを許していないから、受け入れられないことに気づくのが重要だ。十分じゃない自分を許していない自分だ。自分はもっとできるはず、努力が足りない、どんなに会社員として頑張っても自営業の父親に言われた「サラリーマンでいてはダメだ」がマントラとなって、いつまでも会社員をしている自分が許せない。
「許す」のは「忘れる」のとは違う。なぜなら「忘れる」のは、単に隠すだけ。その隠したものは永代蓄積されて、家族の負の遺産となる。「許す」ことは、思いを緩和し、完全に消していくプロセス。子孫に残さないためのヒーリングなのだ。
自分を愛さなくて良いから、この作業に一生を捧げても良いくらいだ。私を含め人によっては、一生・毎日続けて行かなかればならないような作業でもある。
まず必要な作業は、無意識にある自分が受け入れていない、消化できていないことを意識化していく。強い、衝動的な感情、思い、行動が出てきたとき、そこにパターンがないかを注視する。紙・パソコンに書き出すのが一番良い。それが第一歩。
次は「自分を受け入れる」について。