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難波猛さんのネガティブフィードバックを読みました。

人事コンサルタントの難波猛さん著『ネガティブフィードバック「言いにくいこと」を相手にきちんと伝える技術』を読みました。

ハラスメントを気にしすぎて、生暖かいフィードバックしかできていない風潮に対して、よくぞ言ってくださった、と喝采を送りたい内容です。

最近では、生ぬるい環境を「ゆるブラック」と言って、ここでは成長できないと転職する若者も多いとか。厳しく接すると「ハラスメント」といい、気を使いすぎると「緩すぎて成長できない」と言われるって大変面倒くさい世の中になったなと昭和世代の私は思ってしまいます。
でも一方で、これは正常な反応だとも思っています。

私のモットーはイキイキと前向きに行動することこそ、個人の幸せと組織のパフォーマンスも上がるというもの。
ウチの会社が理論的背景に置いている心理的資本という概念も、いかに困難をポジティブに乗り越えるかということなので、イキイキすることと厳しさは相反するものではありません。むしろ、厳しさを前向きに乗り越えるところが成長と喜びがあると考えています。

難波さんが書かれた『ネガティブフィードバック』は、ネガティブフィードバックを決して恐れることなく、いかに成長につなげるかについて、心理学の解説を加えながらわかりやすくテクニックとして書かれています。

その中で、私が特に「このとおり!」と膝を叩いたのは、「部下のWillを理解する」重要性です。
ネガティブフィードバックが生じる前提は、目指すべきものに対して足りていないことがあるから、なのですが、目指すべきものが本人のWillとの関連が見えないまま、組織や部門の利益や上司がなし得たいものだけの押し付けであれば、ネガティブフィードバックなんて受け入れられません。
本人がどうありたいと考えているのか、また上司がこうあってほしいと考えているところは本人のありたい姿(Will)とどうかかわっているのかを理解していくことで、共通のゴールが見えてくればネガティブフィードバックも前向きに捉えられますよね。

スポーツ選手の場合、「優勝するぞ」というゴールを共有化しやすいので、コーチからのネガティブフィードバックも受け止めやすいけれど、ビジネスの場では、何が正解かもわからないので、余計に個人のWillの理解が求められるのかも知れません。

めっちゃ読みやすい本なので、フィードバックに悩む人に大いにおすすめです。

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