ポメラ日記99日目 2024年もの書きけいかくの振り返り
今年も暮れに近づいてきた。ポメラ日記も99日目という区切りが近づいてきたので、ちょっと2024年のもの書き活動を振り返ってみよう。
年初の目標を思い出してみると、僕は三つの目標を掲げていた。「ポメラ日記61日目、2024年度のもの書きけいかく」をもう一度読み直してみる。
この三つが目標だった。
①ポメラ日記ともの書き暮らしの記事を100記事
ポメラ日記に関しては、予定通り目標の100記事まで達成できそうだ。70日目あたりまでは、ポメラ日記もなるべく「役に立つもの」を、という意識で書いていた。
そのやり方だと、自分の身の回りのトピックが取り上げにくいので、80日目辺りから「雑記」中心のスタイルに切り替えた。これが功を奏した。
ポメラ日記の最初期(1日目~30日目)は、「書いて出し」が自然とできていたので、箇条書きスタイルを取り入れてからは、ほんとうに「日記」感覚に近いところで書けるようになってきたと思う。
これだけnoteでの投稿を続けられたのは、紛れもなく「ポメラ」のおかげ。自宅のアパートだけでなく、喫茶店、ハンバーガーショップ、パン屋やスーパー、コンビニのイートイン、図書館など、とにかく街中で書けそうな場所があったら、どこでも書いた。
「ポメラ」でなかったら、100日は続かなかったので、これからもこの機種を使い続けていこうと思う。
このあいだ、ポメラの限定カラーについてのアンケートがあり、開発は今後も続いていくようなので、いまのDM250を使い倒しながら、新型ポメラが出るのをぼちぼちと気長に待っている。
一方の文学ブログ「もの書き暮らし」は、いまのところ数えると71記事で、あと29記事足りなかったのが、力及ばずだった。
今年は二回の引っ越し期間があって三ヶ月ほど潰れており(グループホーム→実家→賃貸アパート)、その消耗が大きかった。
6月~9月までは、物件巡り・内見・契約・荷造りなどに追われていて、ほんの1~2ヶ月前にようやく片付いて、落ち着いて(?)きたところ。
もともと文学ブログ「もの書き暮らし」で用意する記事は、なるべく「役に立つもの」や「深掘りした文学トピック」など、「ポメラ日記」よりも実用的で、濃い内容をお届けしている。
普段のライターのライティングと並行しながら作業を行っているから、更新にはどうしても時間が掛かってしまう。
来年は1~2週間に1回は更新できるような仕組みづくりを考えてみたい。
今年はポメラ日記の100記事を目指した。来年は「もの書き暮らし」にもう少し比重を置いて更新したい。
なので「もの書き暮らし」100記事は来年の目標に持ち越し。
②ライターの収入でひとり暮らしをはじめる
ワンルームの安アパートでよいから、小さな執筆のための部屋を借りること。僕にとってはそれが長年の目標だった。
結果的に今年の9月にようやく叶うことになり、いまはワンルームの部屋でものを書いたり、本を読んだりして暮らしている。
不動産に行ったとき、自分のライターの収入では明らかに厳しく、内見した物件はもう6、7件を越えていた。大家につっぱねられるのが9割だったと思う。(僕の身元が訳ありなのも関係しているが……)。
地元の不動産の営業の人が敏腕な方だったので、最後に僕でも借りることができる物件で、かつ納得できる条件を持ってきてくれたのが幸いだった。
もし通らなかったら、会社でお世話になっている人のグループホームに入るつもりだった。もちろん今後の状況次第では、いまのアパートさえ借りていられなくなるときが来るかもしれない。
ひとりで納得のゆくまで文章を書いたり、本を読んだりしていられるのも、人生のなかのいっときの僥倖なのだと思って、噛みしめている。
難航したアパート契約で、唯一、嬉しかったことは、職業の欄に「執筆業」と書いてアパートを契約できたことだった。
もちろん半人前の在宅ライターなので、「執筆業」なんて書いたら大見栄を切っていると思われるかもしれない(作家だったらたぶん自由業と書くのだろう)。
僕はもう単純に何でもよかったのだけど、不動産の人に「ここはこう書いたらいいよ」と教えて貰って、「ライターってなんて書いたらいいですかね?」と聞いたら、「執筆業みたいですね」と言われたので、そのまま素直に書き込んだ。
サリンジャーの「大工よ、屋根の梁を高く上げよ ──シーモア序章──」の本に、バディ・グラスが自分の職業欄に「著述業」と書いたことを、シーモア・グラスが喜ぶ場面がある。
不動産屋を出たあと、そのエピソードをときどき思い出していた。僕の人生で達成できたことなど片手で数えるほどもない。それでも、執筆業と書いて部屋を借りられたことは、僕の中の小さな小さなプライドになっている。
商業作家になれなくても、書き残すことで誰かの役に立ちたいという思いはずっとある。それ以外に僕が生きている意味なんて見つかりそうにないし、他にしたいこともなかった。
③創作をつづける
今年はライターとしての活動がメインだったので、創作に関しての目標はとにかく続けることだけを考えていた。
去年は、十月くらいに公募に出して中編と短編を二つくらい書けたと思う。今年は公募には出せなかったのだけれど、ライターの仕事が終わってからの時間で、ひとりでちまちま進めていて、まだ発表していない原稿が一本ある。
ちょうど昨日あたりに初稿ができそうなところまでは来たので、久しぶりに新人賞のサイトを覗いたりしてみた。
選考には落ちても、何らかの形で私家版の本を来年は作ってみたいと考えているので、今回の原稿を収録しようかなと思う。
いくつか応募できる賞を調べていたなかで、「ことばと新人賞」というものがあり、来年の5月頃にそこに出してみようかと思っている。
要項を見ると、下読みを通さずに現役の作家やプロの書評家が応募作品にコメントを付けると書いてあって、これは新人賞では破格の条件だと思う。
というのも、選考落ちする作品には基本的には何のコメントもフィードバックも得られないものがほとんどなので、かなり新しい試みをやっていると感じた。
プロの方に原稿を見て貰ってそれではっきり駄目だと言って貰ったら、それで諦めも付くかなと思った。
応募には選考料として2500円が掛かるそうだけれど、そもそもプロの方に読んで貰える機会なんて皆無なので、お金を払ってでも応募する価値はある。
他の新人賞も選考料を支払う代わりに下読みや選考委員からコメントが付くスタイルが普及するといいのにと思う。
・2024年のもの書き活動を振り返ってみて
今年はnoteのポメラ日記が充実した年だった。個人の創作の方で発表できる作品がなかったことが、残念だけれど、来年は皆さんに読んで貰える作品を公開できればと思っています。
いま書いている作品が完成したら、私家版の本を作ってネット上で販売できたらいいかもと思ったり。
今後も作品を書き続けることに変わりはないので、来年も応援してくだされば幸いです。
2024/12/26
kazuma
「もの書き暮らし」の今年最後の記事ではカズオ・イシグロの『特急二十世紀の夜と、いくつかの小さなブレークスルー』を取り上げました。2017年のノーベル文学賞記念講演です。創作に行き詰まったら、読みにきてね。