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Could I get a French Fries Please?

 2024年3月上旬、オーストラリアから旅行に来ていた家族とゆっくりと話す機会があった。母親と10歳ちょっとの子供2人、そして母親の友人の合計4人による日本旅行で、10年振りの来日との事。春真っ只中で観光業も活気を取り戻している東京、彼らは「とても充実した時間だった」と帰路についた。

 「Could I get a French Fries please?」
バーで働く自分に、10歳の少年が笑顔でオーダーをする。毎日のようにバーでポテトを食べていた少年と姉とはかなり打ち解けた関係性だった。

そしてカウンター越しで接していると、この兄弟がかなりしっかりとした教育を受けている印象を受けた...おそらく母から。

列に並び、目を見て丁寧な言葉でオーダーをする。バーテンダーやサービススタッフの状況を見て、必ず...本当に必ずベストなタイミングでオーダーをしてくれる。「注文する」というたったそれだけの行為の中に、自分達へのリスペクトを強く感じた瞬間だった。

 そんな事もあり、彼らのママとゆっくり話をしてみた。

今回の日本旅行はどう?みたいな話から始まり、「子供たち2人もとても丁寧で、元気もあって、超イケてるファミリーだね!オーダーをするタイミング、使う言葉、自分達へのリスペクトを確かに感じられて嬉しい、ありがとう。」という話題を振った。

ママは「Thank you!」と言ったあと、今回の旅について色々と話をしてくれたのだけど、ゆっくり話をする中で素晴らしい事だな、と記憶に残っている事がいくつかある。

「子供達には様々な大人と接する事で得る学びがあり、それらは彼らにとって大きな財産になる。自分達とは年齢も国籍も違う人たちと会話をする事で、その国の特性や良しとしている文化を肌で感じる事ができる。普段過ごしている環境を離れた場所でのRespect OthersやCommon Senseを学ぶ事で、視野が広がる。自然に学ぶとよく言うけれど、多くの人が集う場所で話をしたり、肌から吸収する事にも同じように多くの価値がある。全てをやってくれるような場所に泊まる事も選べたけれど、よりその国の日常に近い場所の方が彼らにとって良いと思ったから、ここに泊まる事にした。」

...だーっと書き綴ったが、こんな内容の話をした。少なくとも自分は学校では習ってこなかった「社会における大切な事」を、旅や日常を通して彼らは肌で吸収していた。そして、それはこの先の人生において間違いなく大きな財産になる。

 弱冠10歳の彼らが母の言葉から学び、実践している事に感銘を受けた、まだ肌寒い春の出来事。

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