サッカークラブのつくりかた #9 「Football for good サッカーで渋谷から世界を変える 」編
「将来、ForbesでCITYのことをインタビューしてもらえるんだよ」
なんて、クラブを立ち上げた当時の6年前の自分や仲間に言ったらどんな反応をしたかな?
色々なご縁が重なってForbes JAPAN2020年10月号にてインタビュー記事を掲載してもらいました。
今号の特集は『新風を巻き起こす「スポーツビジネス」』
記事は本誌もしくは下記リンクから是非とも多くの方に読んで欲しいのですが、インタビュー記事を機にTOKYO CITY F.C.というクラブ・PLAYNEWという会社に興味を持ってくれた方々へ向けて「ソーシャルグッドなサッカークラブ」が目指す世界を書いてみました。
ちがいを ちからに 変えるために
我々、CITY(自分たちはこう呼んでいます)は、渋谷で生まれ渋谷区をホームに運営しているサッカークラブです。
皆さんは渋谷という街に対してどのようなイメージを抱いているでしょうか?
おそらく千差万別、様々な答えが返ってくると思うのですが、渋谷区は2016年に策定した渋谷区基本構想の中で、その未来像を「ちがいを ちからに 変える街。渋谷区」と定めました。
ちがい=多様性を、ちから=街の活力へ、と変えていく。
人種、性別、年齢、障害を超えて、渋谷区に集まるすべての人々の力を、まちづくりの原動力にする。
ロンドン、パリ、ニューヨークなどと「渋谷」が並び称されるような『成熟した国際都市』へ向かうことを宣言しました。
渋谷にはスクランブル交差点の景色に象徴されるよう本当に多様な人々が集まっています。
「渋谷に行けば誰かと会える。」中学校から渋谷に通っていた僕にとって、渋谷は人との出会いの街であり、同時に多様な文化・トレンド・お店などと出会うことの出来る唯一無二の街でした。
そんな渋谷を端的に表す「ちがいを ちからに 変える街」という言葉。
僕はこの言葉が大好きであり、同時にその一役を担いたいと歳を重ねるごとに思うようになりました。
分断を超えた先にある景色
「ちがいを ちからに 」
そんな未来に希望を抱きながらも、世を見渡すと「大分断時代」ともいうような悲しき現実世界の真っ只中にいます。
他者との違いを理解し合えない、認め合えないことから起こる排除と分断の連鎖。世界をフラットに変えるはずだったSNSも、見方によっては分断を加速させてしまった、と感じる場面もしばしばあります。
「みんなちがって、みんないい」と頭では分かっていても…人と人とが分かり合えるようになるまでには一定の時間や出来事が必要だということも、また真理なのかとも感じます。
人種、性別、年齢、障害を超えて、「ちがう」人々・価値観が集う渋谷は、まさに未来の世界の縮図といえます。
「ちがう」人々を結びつけるために必要な物とはなんでしょうか?
幾通りもの答えが出てくるかと思いますが、僕の場合、それがサッカーでありスポーツでありました。
はじめて会った人たちとボールを蹴った時。
スタジアムやパブで見ず知らずの人と、興奮のあまり思わずハイタッチをした時。
SNS上でチームの応援に意気投合し、語り合った時。
そこには互いの「ちがい」など意に介さず、喜怒哀楽相まった様々な感情をともに共有する、「ちがう」人々との共通体験がありました。
「ちがう」人々を結びつけるために必要な物、それは共通体験であり、世界の共通言語とも言えるサッカーが持つ可能性には無限の世界が広がっていると確信しています。
我々CITYは「ちがいを、ちからに、変える街」である渋谷を象徴するサッカークラブになるべく、『サッカーを中心としたコンテンツによる共通体験の提供』を通じて、ちがいをちからに変えるキッカケを作っていきます。
「ちがいを ちからに 変える街。渋谷」を実現するために、世界を少しでも明るく照らすために、サッカーを通じた新たな体験で、新たな力を手にするキッカケ作りに挑みます。
そして…未来の世界の縮図である渋谷でそれが実現した暁には…
きっと、「サッカーで渋谷から世界を変える」そんな未来を実現できると信じています。
とまぁ、無駄に小難しくたらたら書きましたが、要は「サッカー(スポーツ)で遊んで、みんな仲良くなろうよ!」と小学生くらいの時から同じようなことを20年以上言い続けているだけです。笑
ソーシャルグッドへ向かう理由
CITYは「Football for good」というビジョンを掲げています。
平たくいうと、「サッカーを通じて社会を良くするための活動を何でもやっていく」クラブであり会社です。
**Football for good **には続きがあり、まず“ワクワクし続ける渋谷をフットボールで”つくっていくということを目標として掲げています。
渋谷に関わる人々(住む人、働く人、学ぶ人、訪れる人)の人生をもっとワクワクさせられるよう、渋谷をフットボールから派生したコンテンツで溢れさせることを目指しています。
ワクワクし続けるために必要な要素は無数にあります。絶賛ロジックモデルを策定しながらクラブ内外で議論をしているのですが、今のところこんな施策をしてきた、或いはしていくつもりです。
ワクワクし続けるためには「心身の健康」が大切!
心身の健康に繋げるため、定期的に多様なスポーツアクティビティ(運動機会)を提供し、人々が交流する機会を増やす。
ワクワクし続けるためには「生き甲斐」が大切!
知の追求で、自分なりの生き甲斐を見付けられるような教育的アクティビティを実施する。
ワクワクし続けるためには「エンターテイメント」が大切!
多様な文化・価値観と交じり合いながら、PLAYNEWな、遊び心のある新たなエンターテイメントを生み出す。体験する日が待ち遠しくなる、未来への希望に満ちた状態にする。
ワクワクし続けるためには「持続可能な地域環境」が大切!
持続可能な街の発展で、誰もが自分らしく過ごせる状態にする。
と、ここに書いたことはFootball for goodの一例ですが、
「サッカーを通じて社会を良くするための活動を何でもやっていく」つもりでクラブ経営をしています。
だからこそ、Forbesの記事で見出しとなっていた「異分子結合」を大切にしているのです。
目指すべくは、新時代の強いクラブ。強さの定義を変えていきます。
僕らが考える新時代の強いクラブとは…競技力・収益力に秀でて、かつそれらをテコに「Social Impact(社会的価値)」を最大化出来るクラブです。
クラブについて
ここまで書いて気付いたのですが、そもそもインタビュー記事をキッカケにCITYへ興味を持ってくださった方に対して、どういう選手がいてどういうプレースタイルで、どうやって収益をあげているのか伝えていない!
ということで最後にクラブの簡単なプロフィールを1人Q&A形式で紹介して締めます!
Q:どんな選手がいるの?
現在23選手がトップチームに所属しています!学生からプロ選手まで多様な選手が在籍しています。
Q:プロ選手はだれ?
2020シーズンは名古屋グランパスでJ1優勝経験を持つ阿部翔平と、UEFAヨーロッパリーグ出場経験もある柴村直弥の2名がプロ選手として契約しています。
Q:渋谷に関係する選手はいるの?
渋谷の強豪トリプレッタで育った玉川 由や、渋谷生まれ渋谷育ち渋谷勤務の小松 桂太といった選手がいます。
Q:Jリーグのチームなの?
いえ、今は東京都社会人サッカーリーグ2部というリーグで戦っています。J1から数えると8部相当のリーグに参加していますが、毎年優勝・昇格をして5年後のJ3リーグ参入を目指しています。
Q:どんなサッカーをするの?
「渋谷スタイル」を追求しています。スピーディーでエネルギッシュな、初めてサッカーを見る人をも魅了する攻撃的サッカーを掲げています。
Q:どうやってプロ選手に給料を払っているの?そもそもサッカークラブで稼げるの?
2019シーズンはおよそ1,800万円の売上、2020シーズンはおよそ5,000万円の売上を目指しています。昨年の売上内訳はおよそ40%がパートナー売上(いわゆるスポンサー売上というやつです)、56%と収益の大半を締めているのがコンテンツ売上(渋谷での多様なコンテンツ実施に際しての参加費・共催費など)です。
なお、データは全て「Annual Report」に公開しているので詳細はこちらをご覧ください。
Q:どういう人がクラブに関わってるの?
クラブ創設から7年が経ちましたが、本当に多様な人たちがクラブ運営に関わっています。1人1人紹介すると一問百答くらいになってしまうので、Twitterのアカウントでクラブをタグ付けしている人のリストと、何名かのnoteを置いておきます。
https://twitter.com/search?q=tokyocityfc&src=typed_query&f=user
Q:社員はどんな人?
現在5名の社員がいて、GMの深澤、コンテンツ担当の畑間、事業開発担当の小泉、パートナーやブランド担当の末っ子酒井がいます。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
形態に問わずクラブを共創していくメンバーも常に歓迎しています。
SNSなどからお気軽にご連絡ください!
なお、今回の記事に関するアフタートークを、
Forbes JAPAN 編集部の石原さん、ONE TOKYO の奥山さんと共に行ったのでお時間のある時こちらもぜひご覧ください!
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