南アフリカの教育から見る「子どもにとって良いフィードバックとは何か」
こんにちは!
最近、南アフリカの教育について現地のお父さんからお話を聞く機会がありました。
そこで思った「子どもたちにするフィードバックって難しいよね」ってことを書きたいと思います。
南アフリカの教育について
アフリカ大陸の中でも、南アフリカの教育はとても質が高いと聞きます。
今までにガーナ、コロンビア、ザンビア、ナイジェリア、ジンバブエなど様々な国の方にお話を聞きましたが、アフリカで教育に力を入れている国として必ず名前が挙がっていました。
今回話した方は、南アフリカのケープタウンにお住まいらしく
ケープタウンの学校事情について話してくれました。
学校の授業風景は私立と公立で違うようで、
私立学校ではまさにアクティブラーニングやPBLなども取り入れられているんだそうです。
しかし、多くの公立では日本と同じようにいわゆる伝統的な授業スタイルが採用されているようです。
その理由として1番大きいのは、やはりお金の問題だと言っていました。
公立校は一斉にしかも同じ水準の教育を目指さなければいけません。
そう考えると、導入しなければいけないICT施設(機器)、教材、教員研修など途方もなくお金がかかります。
これを行うだけの資金を出せるかが問題なんだそうです。
この状況は日本と似ているのではないでしょうか?
根本的な問題がお金かどうかはさておき、
多くの公立では変革が遅れ、一部の私立学校が先陣を切って変革を起こそうとする
これは日本でも現在起きていることです。
新しい教育スタイル そのフィードバックの仕方があまり好きじゃない
今回、南アフリカの方と話して印象的だったのが、
新しい教育スタイルの中でもそのフィードバックの仕方があまり好きではないと言われたことでした。
本人曰く、
息子の成績について話している時に、
「アートや人文系の成績が素晴らしいです!理数系の授業は少し苦手なようですが、得意を伸ばしていける大学はたくさんあります。そちらのどんどん伸ばしていきましょう。」
と担当の先生に言われたらしいです。
これを聞いて、自分が保護者だとしたらどう感じますか?
その方は「優しい言葉だけをかけて得意を伸ばすこと」だけが教育ではないと言っていました。
「これができてる、あの教科はすごい」とできている点ばかりに目を向けるのではなく、できていない点についてもしっかりと目を向けてほしい。改善できるように厳正な評価とフィードバックをしてほしい。というのが彼の主張でした。
フィードバックは難しいです。
子どもたちを承認する声かけをしなければモチベーションを失ってしまいます。
逆に甘い言葉ばかりかけていて本当に自ら成長するのかと聞かれれば一概には言えません。もちろん成長する方もたくさんいると思います。
しかし反骨精神が強く指摘された方が頑張れる場合や、劣等感が力になる場合、誰かへの対抗意識が成長を促す場合もあります。
能力開発という一点だけを見ればどちらが本人の能力を伸ばすかは分かりません。
日本では自己肯定感が低い子どもが多いので、まずは自己肯定感を下げないことが第一かもしれませんが、
それも統計的な話であり、個人で見た時には分かりません。
フィードバックとは子どもへの関わり方そのもの
それでもフィードバックの仕方はぞれ自体が子どもの人格形成に大きく関わると考えています。
能力開発以前に、その子の在り方や価値観に影響を及ぼします。
例えば改善点ばかりを指摘され続ければ、当然その子は自信を失っていく傾向にあるでしょう。よほど自分に自信があり反骨精神がある場合でなければですが。(ちなみにそういう子にも会った事がありますが、やはり不安定な側面もありました。)
結果、無気力になったり、反発してきたりします。日本人の中高生に多く見られる傾向だと感じています。
逆に褒められ続けるとどうなるのか、
間違われることが多いのですが
「褒める=承認する」
ではありません。
褒めることと認めることは結構違います。
褒められ続けた子どもが抱える課題として、
褒められるために頑張る
褒められないことに不安を感じる(自分の意志が薄れる)
誰かの価値観で考える(自分で考える事ができなくなる)
過剰な自信(過信)を持ち努力しない
などがあります。
褒めることも改善点を示し続けることも得策とは言えないかもしれません。
しかし、ただ子どもたちを承認する事で成長を促すことは簡単ではありません。
生徒がいつ成長に向けて行動するか分からないのが大きな理由です。
どのような子どもに育ってほしいのか、その子自身の性格はどうか、
これらを複合的に考慮し、その子に合わせたフィードバックを行う必要があるのだと感じました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?