【マンチェスターダービーを振り返る】 グアルディオラ監督の驚きのサイドバック戦術
先日1月6日に行われたイングランドのカップ戦、EFLカップでのマンチェスターダービー(マンチェスターC対マンチェスターU)は両チーム好調ということもあり、世界中が注目していた試合でした。
【マンチェスターダービーとは】
イングランド・マンチェスターに本拠地を置くふたつのビッククラブ、マンチェスター・ユナイテッドとマンチェスター・シティの試合のことです。
今回はそんな世界中が注目していたマンチェスターダービーの内容を振り返りながら、実際に見ていて驚いたグアルディオラ監督のサイドバック戦術について解説します。
【試合結果】 内容を振り返る
試合結果は、グアルディオラ監督要するマンチェスターCが0-2で勝利を収めました。
前半、マンチェスターUは果敢なプレッシングからショートカウンターを繰り返し、バイタルエリアにうまく侵入したり、ミドルシュートを放ったりと決定機を作り出すものの、なかなか決め切ることができませんでした。
一方マンチェスターCは、前半12分にデ・ブライネ選手が強烈なミドルシュートを放つものの、惜しくもポスト直撃でゴールにはなりませんでした。
その後もボールを保持するマンチェスターCに対し、マンチェスターUは硬い守備(特にゴール前の一対一の強さ)とアグレッシブなプレッシングを見せ、マンチェスターCは思うような攻撃ができず、途中グアルディオラ監督が下を向いて首を傾げたりとプラン通りに試合運びができない苛立ちを見せていました。
結果、後半セットプレーからストーンズ選手が先制ゴールを奪い、終了間際の80分にフェルナンジーニョ選手がコーナーキックのこぼれ球を正確に決め、マンチェスターCが0−2で勝利しました。
全体的に両チームとも譲らない硬い試合内容だったイメージでした。
✔︎先制点:マンチェスターC|ストーンズ選手 50分
✔︎2点目:マンチェスターC|フェルナンジーニョ選手 80分
マンチェスターUはプレミアリーグ首位
マンチェスターUはプレミアリーグで首位です。(※1月15日現在)
カウンター時にトップスピードに近い状態で攻め込んでくるマンチェスターUの選手たちの迫力が凄かったです。
リーグ戦でも毎試合のようにトップレベルのカウンターから決定期を生み出しているマンチェスターUですが、現在(※1月15日)プレミアリーグで首位を走っている要員のひとつでもあります。
(※12位以下省略)
グアルディオラ監督の驚きのサイドバック戦術
今回はグアルディオラ監督が右サイドバックで起用したカンセロ選手(ポルトガル代表)の起用法が面白く、驚きのサイドバック戦術があったので、深掘りしたいと思います。
まず初めに、実際に起用したフォーメーションを見ていきましょう。
このように一見一般的に知られる4−3−3ですが、試合を見ていると決まり事がたくさん見受けられました。
スターリング選手の守備を軽減するカンセロ選手の動き
ボール保持時、相手陣地に侵入するとポジショニングの変化があったので解説します。
①フェルナンジーニョ選手がセンターバックの間に入り3バック化する
②カンセロ選手が中盤に入りフリーマン化する
③スターリング選手が保持時のみ超攻撃的右ウイングバック化する
ゾーンをある程度決められている中で、実際にこの3つの流れがありました。
この戦術の目的は、カンセロ選手が中に入ることで中盤に厚みが生まれ、真ん中でつなぎ目になり、デ・ブライネ選手やギュンドアン選手がより自由になるのと、カンセロ選手が真ん中にいることでボールを失ったときに瞬時にその場からプレッシングをかけられる点だと思います。
そして、スターリング選手が保持時のみ超攻撃的右ウイングバック化することで攻撃チャンスを右サイドから作ることが目的でしょう。
具体的に見ていきましょう。
フェルナンジーニョ選手がセンターバックの間に入り3バック化する
ある程度高い位置までは4バックを保ちます。
フェルナンジーニョ選手が早い段階で降りてきて、カンセロ選手が中に入ってしまうと右センターバックからスターリング選手までの距離があり、パスコースにならないからです。
そのため、ある程度高い位置までボールを運んだ際に、ストーンズ選手とスターリング選手の距離がパスコースになった際にカンセロ選手が中へ入って行っていました。
グアルディオラ監督はパスコースの距離とボールを失った場合を考えていたのだと考えられます。
カンセロ選手が中盤に入りフリーマン化する
カンセロ選手が中に入っていくとフリーマンのように見えました。
中盤にパスコースを作ることで、相手は中に追いやられ、よりサイドにいるスターリング選手にボールが集まりやすくしたかったのだと考えられます。
【プレミアリーグ第18節 Brighton&Hove Albion戦 カンセロ選手のポジショニングデータ】
(引用:Manchester City公式ツイッターより)
翌週に行われたプレミアリーグ第18節 Brighton&Hove Albion戦に出場したカンセロ選手のポジショニングデータですが、右サイドバックであるのに関わらず、中盤付近に一番多くいたことがわかります。
守備時は4バックに戻る
ボールを失い、守備するときは瞬時にカンセロ選手とフェルナンジーニョ選手の位置が戻り、4バックに戻ります。スターリング選手ももちろん前へ戻ります。
このように、高い位置でのボール保持時のみスターリング選手が超攻撃的右ウイングバックになっていました。
カンセロ選手が中へ入っていくタイミング
右センターバックのストーンズ選手とスターリング選手が遠い状態では、中に選手が密集してしまい、効果を生み出さないのでサイドに止まっていました。
✔︎遠い場合
遠い場合は、カンセロ選手がサイドに残りストーンズ選手のパスコースになっていました。同時にsボールを失った際のリスクも減らせます。
✔︎近くなった場合
ストーンズ選手とスターリンング選手の距離が近くなり、1つのパスコースとして成立する場合は、カンセロ選手が中へ入り、中での役目を果たしていました。
まとめ
今回は先日行われたマンチェスターダービーの振り返りとグアルディオラ監督の驚きのサイドバック戦術でした。
今度マンチェスターCの試合を見ることがあったら、ぜひ意識して観戦してみてください。
新しい発見があると思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。