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単価の高い技術派遣に企業がお金を払えるのはなぜ?
はじめに
技術派遣で派遣先から高い単価を取っている派遣会社と言えばメイテックです。メイテックの平均単価は、5,535円(メイテック新卒採用サイトより引用 2023年12月現在)で、技術派遣の平均単価が3,800円などと言われるなかで、非常に高い単価を得ています。
メイテックの平均単価が5,535円ということであって、上は単価8,000円を超す技術者がメイテックにいるという噂を聞いたことがあります。
メイテックがなぜこのような高額単価を取れるかはいったん置いておき、企業がなぜ時間あたり5,535円もお金を出せるのかについて考察していきます。
派遣費用の出どころ
派遣先が技術派遣を受け入れるための予算にはいくつか種類があります。
開発部門、あるいはプロジェクト毎で技術派遣の枠が決まっておりその枠の中で採用しているパターンがあります。派遣数×単価×稼働時間などで年間予算が決められており、各技術派遣さんの単価はこの年間予算の帳尻が合う形で決められています。
そのためプロジェクトの予算で派遣されている場合、プロジェクトが完了したり中止となった場合は、派遣契約終了となります。
他には、技術派遣社員毎に単価×年間稼働時間で年間予算を決めているパターンがあります。これは開発のヘッドカウントが決められていて技術派遣社員を個別に予算取りしていくやり方です。
他にもいろいろあると思いますが、自分の予算がどのように決まっているかを把握できると単価アップ交渉の時期を予算編成の時期に合わせたりするなど自身の収入アップの役に立つことは間違いないです。
派遣先の企業が技術派遣の費用をどういうかたちで予算取りしているのかについては、私の経験や過去に人に聞いた話になるので全てではないことをご承知おきください。派遣先ごとに予算の枠組みは違っていて、自分がどういう枠組みの予算で派遣されているかを知っていることはとても重要です。
派遣先は単価をいくらまで払える?
製品単価には、開発費や設備償却費、管理費などが含まれています。これらの諸費用には人件費が含まれており、人件費はマンチャージ×工数(時間)を販売する製品で割って製品単価に反映させています。
マンチャージとは時間あたりの人件費で、工数は開発などに携わった人たちで費やした合計時間です。
ここで気になるのはマンチャージですが、一般的にチャージ額は各役割によって変わってきます。
大きな枠組みで見ると、チャージが高い順にプロジェクトマネージャー→開発部門→生産技術部門→製造部門と言った感じでしょうか。
企業によっては生産技術が開発部門だったり、開発側の生産技術と製造側の生産技術とに分かれていたりするかもしれません。
開発のマンチャージについては、
製品の種類や規模によっても大きく変わってきますが、私が今までいろいろな人から見聞きしたところだと、数千万する一品物の装置を扱っているようなところだと時間あたり1万〜2万、年間数十万台生産するような大量生産品だと6千円〜1万円するということです。
つまり、派遣先がプロジェクトの予算として技術派遣に8,000円払うことも可能ということになります。
また、派遣先企業は自社の社員の方たちに給料を支払っていますが、給料とは別に福利厚生費や厚生年金、教育費などの費用を負担しています。
日本の正社員平均年収が500万だとして上記に掛かる費用が社員給料の1.5倍だとすると750万を社員に払っているわけで、単価3,800円の技術派遣を年間700万ちょっとで即戦力として使えるなら損はないかもしれません。この計算については過去の私の記事を参考にしてください。
さいごに
今回の記事で単価の高い技術派遣に企業がお金を払えるイメージがついていただけたら幸いです。
工学系の就職活動や転職活動している方たちの参考になればと思い今回記事を書かせて頂きました。
技術派遣業界が気になっている方や今まさにこの業界に飛び込んで苦しんでいる方たちにも有意義な記事を発信し情報共有することで少しでも誰かの役に立てればと思っています。
知りたいことがあれば記事にしますので、コメントお待ちしております。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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