骨粗鬆症を予防する良い生活習慣、悪い生活習慣を薬剤師が解説
今回は、骨粗鬆症を予防する良い習慣、悪い習慣について。
それを左右するのは、生活習慣かもしれません。
元気な高齢者がどんな生活習慣を送っているかを知ることは、みなさんが骨粗鬆症を予防するために重要です。
それでは、さっそく2009年にシンガポール国立大学が行った研究を紹介したいと思います。
骨粗鬆症とは
2009年にシンガポール国立大学が行った研究です。(1)
45歳から74歳の中国人の男女、6万3,257名を対象に実施されました。参加者を8年から13年追跡し、股関節の骨折と彼らの生活習慣に関連があるかを調査しました。
研究の結果、股関節の骨折のリスクを下げる良い生活習慣とリスクを上げる悪い生活習慣がわかりました。
悪い生活習慣
悪い生活習慣は、喫煙になります。
タバコを吸う人は、股関節骨折のリスクが上がります。
とくに女性は、喫煙で股関節骨折のリスクが 27% 増加しています。男性はそこまでの影響は確認されていません。
ただし、男女ともに喫煙年数、喫煙本数が多くなるとリスクは上がるので注意が必要。
禁煙をすれば、将来の寝たきりになるリスクを下げることができます。
良い生活習慣
良い生活習慣は、全部で2つです。
1つ目は、大豆製品です。
大豆製品を食べる人は、股関節の骨折リスクが少ないです。
これは、女性にのみ確認されました。
豆腐を毎日 50g 以上食べている女性は、股関節骨折のリスクが約 30% 低いことがわかっています。
50g 以上食べても効果に差はありませんでした。味噌汁だと2杯分、納豆なら1パックで十分です。
イソフラボンは、女性ホルモンと同じ働きをします。
閉経とともに女性ホルモンの分泌が低下することで、女性の骨はもろくなり、骨粗鬆症のリスクが上がります。
男性の骨は、もともと別のホルモンによって骨の強さを調整しています。そのため、大豆製品からイソフラボンをとっても、股関節骨折のリスクが変わらなかったのではないでしょうか。
2つ目は、運動療法です。
大豆製品の他には、運動も股関節骨折を予防する重要な要素です。
運動療法については、以前別の記事で解説しておりますので、こちらの記事をあわせて読んでみてください。
まとめ
以上、骨粗鬆症を予防する良い習慣、悪い習慣でした。
それでは、また次回の記事もよろしくお願いします!
参考文献
(1) Koh WP, Wu AH, Wang R, Ang LW, Heng D, Yuan JM, Yu MC. Gender-specific associations between soy and risk of hip fracture in the Singapore Chinese Health Study. Am J Epidemiol. 2009 Oct 1;170(7):901-9. doi: 10.1093/aje/kwp220. Epub 2009 Aug 31. PMID: 19720865; PMCID: PMC2765361.
(2) 日本整形外科学会