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【飲んで運動するだけ】筋トレの効率爆上げするサプリメント

ジムや自宅で筋トレをしている人も多いですね。

今回は、そんな筋トレのパフォーマンスを上げてくれるかもしれないサプリメントについて。

2019年にイタリアのローマ大学が発表した研究をもとに紹介します。

サプリを飲むだけで、いつもより多くの回数、長く筋トレができるようになります。

筋肉の損傷が減り、疲れにくくなるからです。

実は、このサプリは私たちが普段食べているモノから抽出された栄養素。


タマネギから抽出されたケルセチンを使ったサプリになります。

ちなみにケルセチンの効果を得たい場合は、サプリメントをおすすめしています。

理由は、食品に含まれるケルセチンの量が少ないからです。

例えば、今回の研究ではケルセチンを1000mg服用してもらっています。

1000mgを食品から摂取するためには、
タマネギを何球食べれば良いと思いますか?

タマネギ1球に含まれるケルセチンは、約60mgほど。1000mgとろうとすると、毎日16〜17球のタマネギを食べなければいけません。

さすがに16〜17球を食べ続けるのは、不可能です。今回紹介する効果を得たい場合は、サプリメントでの服用がおすすめになります。

しかし、高用量のケルセチンは、一部の薬と飲み合わせが悪いです。

そのため、今回は薬剤師としてケルセチンの効果と注意点を解説していきたいと思います。

ケルセチンで筋トレパフォーマンスを上げる

2019年、イタリアのローマ大学の研究です。(1)

平均26歳の男性12名を無作為にケルセチン1000mgグループとプラセボグループに振り分けます。全部で14週間、サプリを飲んでもらいました。

ケルセチンの筋肉への影響をみるため、参加者には運動をしてもらいます。

やってもらう運動は、2種類。

1つ目は、負荷をかけて肘を曲げたり伸ばしたりする運動です。アームカールに近いです。

2つ目は、等尺性運動です。等尺性運動とは、関節の動きを伴わない運動のことです。例えば、肘を90度に曲げてもらい、負荷をかけて90度を維持する、といった運動になります。

この等尺性運動を1つ目の腕を動かす運動の前、最中、後に3回行ってもらいました。疲れてない状態なら、等尺性運動も頑張れそうですよね。
しかし、腕を酷使した後ならどうでしょう。等尺性運動の能力も落ちるはずです。

前、最中、後の3回やることで、筋肉疲労を測定します。
もしケルセチンが本当に効果があるなら、1つ目の運動の後に行う等尺性運動でも高いスコアが残せるだろう、ということです。

結果は、ケルセチンは筋肉の損傷レベルを抑え、筋力を維持することがわかりました。

例えば、一つ目の運動。負荷をかけて肘を曲げたり伸ばしたりする運動です。普通は、後半になればなるほど、腕を動かすのがしんどくなります。腕がプルプルしてくるはずです。
しかし、ケルセチンを飲んでいたグループは、後半においても高いパフォーマンスを維持することができていました。

また、2つ目の等尺性運動。肘を90度に曲げてもらい、負荷をかけて90度を維持するといった運動です。通常、1つ目の運動を行ったあとでは、パフォーマンスが落ちます。
しかし、ケルセチンを飲んでいたグループでは、1つ目の運動前と後とで、パフォーマンスが維持できていたのです。


ケルセチンを飲むことで、筋肉の疲労を抑えて、より長く、より多く、高いパフォーマンスで筋トレをすることができます。

これは、ケルセチンが全身の炎症レベルを低下させるためだと考えられています。(2)筋肉が損傷することで起こる炎症を抑え、筋肉の疲労を軽減するのです。

一方で、ケルセチンを摂ってもウルトラマラソンでのパフォーマンスは変わらなかったとする研究があります。(3)
ウルトラマラソンとは、42.195kmを超えるマラソンのこと。100kmマラソン、長いものだとアメリカ大陸横断などもあります。
また、米国兵士のパフォーマンスに変化がなかったとする研究もあります。(4)

ケルセチンは重度の炎症には効果が薄いことがわかっています。(2)

日頃の運動レベルなら抑えることができるが、ウルトラマラソンや兵士の訓練など、より激しい運動による炎症は抑えられない可能性もあります。

ほとんどの方がケルセチンの効果範囲での運動だと思います。日頃、運動をされる方は試してみてはいかがでしょうか。


薬との飲み合わせ

注意点としては、ケルセチンは一部の薬と飲み合わせが悪い可能性があります。

薬は血液中から肝臓に取り込まれて、無毒化されるものが多いです。

血液から肝臓へ取り込まれる時のゲートは、薬によって異なります。

ケルセチンは、数あるゲートの中でOATP1B1というゲートを通せんぼしてしまう可能性があるのです。

こうなると、OATP1B1を通り道にしていた薬は、肝臓に入ることができず、無毒化されにくくなってしまいます。

このゲートを通る薬は、中性脂肪やコレステロールを改善する薬として使われるプラバスタチンなどのスタチン系。

それ以外にも血圧を下げるバルサルタンなどのARB系、一部の糖尿病薬、アレグラで有名なフェキソフェナジンがあります。

ケルセチンがどれくらいゲートを通せんぼして、他の薬の副作用がどれくらい出やすくなるのか。

まだ研究中のため、明らかではありません。

しかし、高用量のケルセチンを飲む際には、薬の飲み合わせに注意が必要であることは間違いありません。

ケルセチンを飲みたいけど、薬を飲んでいて心配という方。

そんな方は、私や主治医、薬剤師までご相談ください。


まとめ

以上、筋トレのパフォーマンスを上げるサプリメントについてでした。

いかがだったでしょう。

最後におすすめのケルセチンサプリを紹介しておきます。

基本的には、1錠 500mg のケルセチンが入っていれば、何でも良いかと思います。

このあたりで良いのではないでしょうか?

それでは、また次回の記事もよろしくお願いします。


参考文献

(1)Bazzucchi I, Patrizio F, Ceci R, Duranti G, Sgrò P, Sabatini S, Di Luigi L, Sacchetti M, Felici F. The Effects of Quercetin Supplementation on Eccentric Exercise-Induced Muscle Damage. Nutrients. 2019 Jan 21;11(1):205. doi: 10.3390/nu11010205. PMID: 30669587; PMCID: PMC6356612.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6356612/

(2)Mohammadi-Sartang M, Mazloom Z, Sherafatmanesh S, Ghorbani M, Firoozi D. Effects of supplementation with quercetin on plasma C-reactive protein concentrations: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials. Eur J Clin Nutr. 2017 Sep;71(9):1033-1039. doi: 10.1038/ejcn.2017.55. Epub 2017 May 24. PMID: 28537580.

https://www.nature.com/articles/ejcn201755

(3)Quindry JC, McAnulty SR, Hudson MB, Hosick P, Dumke C, McAnulty LS, Henson D, Morrow JD, Nieman D. Oral quercetin supplementation and blood oxidative capacity in response to ultramarathon competition. Int J Sport Nutr Exerc Metab. 2008 Dec;18(6):601-16. doi: 10.1123/ijsnem.18.6.601. PMID: 19164830.

https://journals.humankinetics.com/view/journals/ijsnem/18/6/article-p601.xml

(4)Sharp MA, Hendrickson NR, Staab JS, McClung HL, Nindl BC, Michniak-Kohn BB. Effects of short-term quercetin supplementation on soldier performance. J Strength Cond Res. 2012 Jul;26 Suppl 2:S53-60. doi: 10.1519/JSC.0b013e31825cf22d. PMID: 22614228.

https://journals.lww.com/nsca-jscr/Abstract/2012/07002/Effects_of_Short_Term_Quercetin_Supplementation_on.8.aspx

(5) Wu LX, Guo CX, Chen WQ, Yu J, Qu Q, Chen Y, Tan ZR, Wang G, Fan L, Li Q, Zhang W, Zhou HH. Inhibition of the organic anion-transporting polypeptide 1B1 by quercetin: an in vitro and in vivo assessment. Br J Clin Pharmacol. 2012 May;73(5):750-7. doi: 10.1111/j.1365-2125.2011.04150.x. PMID: 22114872; PMCID: PMC3403202.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3403202/

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