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山梨旅行
はじめに
今年度は社会人1年目という事で,公私ともに大きな変化があった.それらは必ずしも良いことばかりではなく,むしろ辛いことが多かったように感じる.
東京での生活は忙しなく,日常があっという間に過ぎ去ってしまう.落ち着けるのは通勤中の読書をしている時や用事のない休日程度であり,ゆっくり考え事をする時間の取れない現状に嫌気がさしていた.(筆者は昨年度まで学生であり,日常とは考え事をする時間そのものであった.)
こんな現状を打破するべく,大好きな山梨へ旅行することにした.実に4年ぶりである.
1日目
猿橋
明け方に出発し,10:00前に猿橋に到着.関東周辺に台風7号が接近する日であったからか,強烈な通り雨に襲われる.(昼頃から快晴となるのでご心配なく.)
突然だが,「桃太郎」と聞くと岡山をイメージする方が多いと思う.しかし実は,山梨県大月市にも独立した桃太郎伝説がある.「猿橋」という名前は,そんな大月の桃太郎伝説が由来となっているそうだ.
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なお,関連する地名として「犬目」「鳥沢」がある.関連性は自明である.
そんな猿橋だが,その構造は非常に珍しい.最大の特徴は,本体が橋脚ではなく両側から迫り出した構造物によって支えられている点にある.
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橋脚が用いられなかった理由は,おそらくその高さにあるのだろう.橋の上からは,見事な渓谷を眺める事ができる.
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反対側には,明治時代から使用されている水道橋が見える.
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勝沼ぶどう郷駅
一通り見学したところで,勝沼ぶどう郷駅へ移動する.
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8月中旬という事もあり,山梨の葡萄は旬を迎えている.
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ぶどうの丘
勝沼ぶどう郷駅から車で5分程度で,"ぶどうの丘"という複合施設に到着する.ここにはワインカーヴに加え,ホテルやレストランが併設されている.甲州市により運営されている.
後日知ったが,勝沼には思ったより沢山のワイナリーがあるようだ.(https://www.city.koshu.yamanashi.jp/docs/2019032000016/file_contents/2023wg02.pdf)
早速,地下にあるワインカーヴに入っていく.様々な種類のワインを,時間無制限で試飲できるのだから驚きである.
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試飲には,タートヴァンと呼ばれる利き酒用の食器(その光沢と凹凸を利用してワインの色をよく観察することが出来る)を用いる.受付で購入可能である.
1階には,より高価なワインを試飲できるコーナーもある.
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なお,屋外では魚の掴み取りもやっていた.色々な楽しみ方があるように思う.
笛吹川フルーツ公園
さらに車で移動(飲酒運転はしていない)すると,笛吹川フルーツ公園に到着する.
建物の中には,歴史をなぞりながら,葡萄の品種の枝分かれやワイン作りに使用されていた道具について学ぶことが出来るコーナーがあった.もちろんフルーツを買うことも出来る.
園内を歩いていると,リンゴの木を発見した.立派な実がなっている.
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実はこのリンゴの木は「ニュートンが万有引力の法則を発見したきっかけとなったリンゴの木」の子孫である.この木の“親の親の…親”から物理学が始まったのだと思うと,星空を眺めているような壮大な気分になる.(筆者は物理学専攻である.)
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ちなみに,足元をよく見て歩いていると,ニュートンのリンゴはその辺に転がっている.一旦見てしまうと突如としてプレミアを感じられなくなるので,真っ直ぐ前を向いて歩くことをおすすめする.
朝から活動しっぱなしだったので,一度宿泊先へ向かう.4年ぶりの(貸し)別荘である.リビングやキッチンが大幅にリフォームされており,くつろぎ具合が向上していた.
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甲府で晩餐
初日の夜は甲府で食事をする事になったので,バスに乗って韮崎駅へ移動する.
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10~20分待機してから電車に乗り,3駅で到着する.4年前に来た際は閑散とした印象だったが,(コロナの収束もあり)街は活気を取り戻していた.
4年前の印象のまま「きっと入れるから大丈夫」精神で予約せずお店に特攻したのが仇となってしまった.結局,なんとか入れた3軒を転々とする形となる.特にお店を紹介することはしないが,個人的な感想として少しずつ芋焼酎にハマりつつある事だけコメントしておく.
帰りの甲府駅ホームにて,可愛い切符売り場を発見.
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穴山
帰りは韮崎からではなく,2駅先の穴山駅から歩く事にする.その理由は,心霊スポットlikeなエリアを見つけたからである.夏といえば肝試ししかない.
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満天の星空を眺めながら15分ほど歩くと,目的地の入り口が見えてきた.徐々に外灯の数が減ってゆく.
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一歩足を踏み入れると街灯が一つもなく,月明かりさえ木々に完璧に遮られている.「一寸先は闇」を地でいっており,誇張抜きに何も見えない.iPhoneのライトに助けられ,一歩一歩進んでいく.時刻は24:00を回っている.
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終盤に突如トンネルが現れ,我々のボルテージは最高潮を迎える.
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次はもっと本格的な心霊スポットへチャレンジしたいと思う.オススメの場所があれば,是非ご教示願いたい.
2日目
川遊び
天気が良すぎるので,近所の川で遊ぶ.
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膝下くらいまで川に浸かってみると,かなり涼しくて気持ち良い.
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川の水は透き通っていて,小魚の群れを観察できた.
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サントリー登美の丘ワイナリー
山梨が葡萄の名産地となったのは,その気候条件が葡萄づくりに適しているからである.サントリー登美の丘ワイナリーは,1909年に開園され1936年に寿屋(現・サントリー)に経営が継承されたワイナリーであり,その敷地面積は東京ドーム32個分に匹敵する.
https://www.suntory.co.jp/factory/tominooka/
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ここでは,ワイナリーの見学ツアーに参加する.熟成庫への移動には,シャトルバスを利用する.(バスに乗ったのと同時に甲斐市全域にて停電が発生したが,5~10分後に無事復旧し,なんとかツアー参加できた.)
シャトルバスで山を越えていく.道中,かなり珍しいスイッチバック式の車道があった.この仕組みは,馬力の弱い昔の車が長い登り坂を登れるよう工夫された結果だそうだ.スイッチバック式の車道の存在は,少なくとも筆者は知らなかったし,教習所でも習わなかった.初見殺しである.
5分ほどで熟成庫へ到着.
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扉を開けて中へ入ると,正面に樽熟成させる部屋がある.たくさん並んだ樽の中には,様々な種類のワインが入っているそうだ.
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ワインが他のお酒と異なる点として,ボトルに詰めた後も熟成が進むことが挙げられる.奥の部屋には,瓶熟成のためにボトルが寝かされているエリアがあった.
中でも最高級に高価とされるのが,真ん中の棚最上段にある貴腐ワインである.貴腐ワインとは,貴腐葡萄という特殊な見た目をした葡萄から作られるワインのことである.
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さらに奥では,筆者と同い年のワインを発見.
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ツアーの最後に,"日本ワイン"を試飲させて頂ける.今回頂いたのは,【甲斐(白)】と【登美の丘(赤) 時のかさね】である.国産ワインの中でも,サントリー登美の丘ワイナリーのように日本産の葡萄を100%使用して作られたワインを"日本ワイン"と呼ぶ.
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ツアーが終わりシャトルバスを降りると,絶景が待っていた.
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昇仙峡(周辺)
お昼に流しそうめんが食べられるお店があるとの事で,昇仙峡の辺りへ向かう.しかしかなりの人気だったようで,残念ながら到着時には既に受付終了であった.次回はリベンジしたい.
お昼時なので,その他の飲食店も軒並み長蛇の列である.さすがにお腹が空いたので,目に止まった蜂蜜ソフトクリームを食べる.当たり前だが牛乳が含まれるので,お腹を壊さないかドキドキである.
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花火 & BBQ
夜は「にらさき花火大会2024」があり,それに合わせてBBQをする事になった.宿泊先から打ち上げ花火を観れるのは素直に嬉しい.少し距離があるので可愛いサイズ感だが,目視でもクッキリと見える.
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かなりの頻度でBBQをやっているので,(炭への)着火技術がかなり高まってる.中でもこの日の炭は上出来だった.仕込んだ食材を次々と焼いていく.
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花火大会に合わせて,こちらでも手持ち花火を楽しむ.
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3日目
いやしの里養蜂場
養蜂場が見学できるとの事でやってきた.
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ここでは,アカシア・ハゼ・サクラの3種類の蜂蜜を収穫しているそうだ.
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長浜ラーメン
最終日のお昼ご飯は,4年前に食べて忘れられなかった博多豚骨ラーメン店「長浜ラーメン」へ行く.
ラーメンと焼き餃子をいただいた.記憶より美味しく改めて衝撃を受ける.
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この後は宿泊先に戻り,ゆっくり休んだ後撤収した.
あっという間の2泊3日であった.
おわりに
この夏真っ盛りの3日間を,自然に囲まれた環境で過ごせたのは凄く良かったと思う.また,充実と多忙は似て非なるものだと実感できたという意味でも,良い旅行だった.来年の夏にもまた訪れて,山梨の魅力を発掘していきたい.
【ひとりごと】
noteの目次機能を初めて使ってみた.多少読みやすさが改善されたように思うが,文体が相変わらずなので気のせいかもしれない.この前「日本語の作文技術」という本を購入したので,近々読んで文章力を底上げしたい.