れいく4

【レイワの育成④】モチベーションとリアリティーショックって?? ~社員の意欲高めて定着率をあげるには~

人事部の人材育成担当者に送る
「レイワの育成」~育成・研修担当者のイロハ~

④モチベーションとリアリティーショックって??~社員の意欲を高めて定着率をあげるには~

ホッソン(細野和彦):株式会社ログシー育成支援事業部 統括、ハブプロダクト 代表。大企業からベンチャー企業まで様々な人事に対してコンサルを行うスペシャリスト。研修講師の育成もおこなっている。

ミヤ(宮野由香里):ベンチャー企業の人事。中途採用しか担当してこなかったのに、来期の人材育成計画書の作成を任され、途方にくれている。
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ミヤ: すみません。最近仕事がバタバタしちゃって、久しぶりのお話になりますね^^

ホッソン:本当にそうですねー^^ちょっと時間が空いてしまいましたが、エンジン全開でいきますね!今回はモチベーションとリアリティーショックのお話しになります。そこで宮野さんに質問です!一番テンションがあがる時ってどんな時ですか?

ミヤ:え!?それはやっぱり美味しいものを食べたときですかね?あと好きなアーティストのチケットがとれたときとか…(≧∇≦)

ホッソン:(^-^;)…その気持ちもとてもわかりますが、仕事に限定したテンション、モチベーションが上がる時を教えていただけると・・・。

ミヤ:(* ̄∀ ̄)そっ、そうですよねー。すみません。えーっと、単純ですけど仕事で褒められた時とか「いつも助かっているよ、ありがとう」とか言われたときにはモチベーションがあがりますね。

ホッソン:なるほど、褒められたり、認められたり、声をかけられるとモチベーションが上がるってことですね。それでは逆にモチベーションが下がる時というのはどういう時ですか?

ミヤ:やはり、言葉をかけられないとか見ていてくれていないというか私の仕事に関して無関心?な感じがするときはモチベーション下がりますね。

ホッソン:つまりモチベーションが上がる時と対極にある時ですね。わかりました!それでは、ちょっと突っ込んだ質問しちゃいます!
今まで何回か転職されていると思いますが、今までの会社を辞めようと思った一番の理由ってなんですかね?

ミヤ:(゜ロ゜)一番の理由ですか?一番の理由かどうかはわからないですが、評価も変わらずお給料も変わらず、スキルアップしたくなった事とか、会社の方針についていけなくなった事とか様々です。

ホッソン:なるほど!わかりました。では、最初のモチベーションの部分に話を戻しますが、モチベーションがあがる要因(種)って、以下の5つに分けられるのです。

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宮野さんが話してくれたのはこの中で「②承認」になりますね!

だけどね、「承認」されなくて声かけしてくれる人がいない、見てくれる人がいない、それだけでは人って不思議と会社を辞めないんですよ。やろうと思ったら目の前の仕事を意外と淡々とやれるものなんです。
ところが、宮野さんの退職理由のように、評価が変わらない、お給料が変わらないというのは人が会社を辞める要因のひとつなのです。
お給料って評価じゃないですか、「評価」と「承認」って似ているけれど、違っていて「承認」がなくても人は淡々と頑張れるけれども、「評価」されないと人は「どうして?」と不満がたまるのです。

ミヤ:なるほど…。モチベーションが下がっても人は会社を辞めないんですね。確かにそうかもしれません。

ホッソン:もちろん、社員のモチベーションを下げるのは会社にとって問題なんですよ!ただそれが会社を辞めることと直結しないだけなんです。
そして、モチベーションをあげる要因(種)が5つある反面、辞める要因(種)も5つあるんです。

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モチベーションの5つの要因(種)を「動機付け要因」といい、辞める要因(種)を「衛生要因」といいます。

「動機付け要因」の方はなくても頑張れるけれど、あったらより頑張れるもの。それに対して「衛生要因」の方は1個でも欠けると会社にいたくなくなるものなのです。
満たされなくても会社にいることができるものが5つ、逆に満たされないともうそこにいられなくなるものが5つ、これが二律背反でいわゆるモチベーションとリアリティーショックと言われるものです。

会社で頑張れる理由というのは人それぞれ違っていても、辞める理由の大半がこの5つの要因(種)からきているのです!
宮野さんの退職理由もこれでいくと「①会社」と「③給与、福利」にあたりますねー。

ミヤ:本当にそのとおりです!何か心の内をわかられ過ぎていて、魔法を見させられているような…。ヽ(*゚O゚)ノ

ホッソン:いやいや、魔法じゃなくてきちんと確立された理論なんですよ^^
ところで、ここに会社をやめる理由のトップ5があるのですが、「衛生要因」とピタリと当てはまりますよ。

<会社を辞める一番の理由>
1位:会社の方針についていけなくなった
2位:社長、上司が無能
3位:人間関係が良くない
4位:給料低い、福利厚生が充実していない
5位:職場環境が劣悪

ミヤ:これもまた驚くほど一致していますね!じゃー、今までうちの会社を辞めた人もこれのどれかに当てはまっているってことですね。

ホッソン:残念ながらそういう事になります。例えば、宮野さんの会社に新しく入社した方で「思っていた会社と違う」って辞めていった人はいませんか?思っていた現実(リアル)と違う、これがリアリティーショックです。
会社を辞めるということは、つまり会社としてあって当たり前、普通にあるものがなかった時にみんなショックで現実と違うじゃないかと思って辞めていくのです。

そこでです!宮野さんが育成計画をたてる上でモチベーションあげて意欲をださせるポイントをおさえながらも、衛生要因を確認して「当たり前」の事を人事として用意する必要があるものには、どんなことがあると思いますか?

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ミヤ:うーん、人事として一番用意できそうなものは「⑤環境」ですかね。机、ノートパソコンはもちろんのこと…

ホッソン:あとは靴下とかですか?(笑) まぁーそれは冗談ですけど、それにもヒントがあって、今の新入社員はあって当たり前のハードルが僕らよりも高いんですよ。
例えば、ウォーターサーバーとかコーヒーなどの飲み物とか休憩室とか、このようなものがあって当たり前なのです。

ミヤ:えっ!?そ、それは、結構ハードル高いですね。うちは一応、お湯を用意していてそれを飲み物用に勝手使えるのですが、ウォーターサーバーはなく、休憩室もないです…。用意した方がいいでしょうか?

ホッソン:会社の予算もあるし、すべてをそろえなきゃいけない訳ではないですが使える予算があるのであれば人事として提言してくことで定着率はあがっていくと思います!
でも、そのことをPRしてはダメですよ!うちはウォーターサーバーや休憩室や飲み物もあります、って揃えたら言いたくなる気持ちもわかりますが、新入社員にとっては当たり前なことなので、「ここの会社は当たり前の事を何言っているんだ」ってことになりかねませんのでね。

環境をどこまでそろえるかは難しいですが、ひとつの基準としては今の大学がやっていることは最低限やってあげないと新入社員がビックリしちゃうかもしれませんね。

朝ごはん

↑今や学校の朝食は100円なんてのは当たり前
※会社が用意しましょうって意味ではありませんので(^^;

ミヤ:わかりました。ちょっと大学を調査してみます!

ホッソン:ぜひ、そうしてください!「⑤環境」の他に何かありますか?

ミヤ:あとは、「③福利」ですかねー。福利厚生に関しては、他社とくらべても割と手厚いので問題ないかと思っています。
その他になると「①会社」で会社の方針とかになってしまうと人事として何を用意すればいいのか、ちょっと、思いつきません…(*´Д`)

ホッソン:でも、会社を辞める理由の1位が「会社の方針」ですよ。何かしなくちゃいけないですよね。

ミヤ:そうですよね。何かしなきゃ社員が辞めちゃいますね。
でも、でも、わかりません( ;∀;)
教えてください!

細野山本④

ホッソン:わかりました。(笑) 前回、宮野さんの会社の目標を聞きましたが覚えていますか?

ミヤ:はい!社の目標は「№1よりも多くの人に愛され喜ばれる商品を作りだす企業になる」です。

ホッソン:宮野さんは育成計画を立てるために社の目標を上司と確認したので、きちんと理解して知っていますが、他の社員の人たちはどうですか?

ミヤ:知っているかもしれないですが、あまりきちんと理解できていない社員の方が多いかもしれません。

ホッソン:そうなんですよね。会社にいながら会社の方針をわかっていない社員がどの会社でも圧倒的に多いのです。だから人事として最初に行う育成計画というのは、社長の社の方針説明会なんです。
そうやって、事あるごとに社長から「社の方針」を示すことを“くせづけ“する必要があるのです。
これがあると、社員は方針があるのでそこに向かって進めるし、頑張れる。それがないと、社員が”うちの会社どこに目指しているのか”かわからないという不安から、社長や上司に不信感を抱き、辞めてしまう。
だから、人事は新入社員研修や社員のフォローアップ研修などで、その機会を作っていかなくてはいけない、これはすごく重要な事なのです。
研修で話してもらうのでもいいし、社長に時間をつくってもらい全社員と面談して話してもらう方法でもいいです。
僕がコンサルティングを行っている会社でも、うまくいっている会社は必ずどちらかの方法で「社の方針」を社員に示していますね。

ミヤ:「社の方針」を社員のみんなで共有することが、退職者を未然にふせぎ定着率をあげることになるのですね!さっそく、上司に相談して社長に「社の方針」をことあるごとに話してもらうように提言してみます。

ホッソン:ぜひ^^社長から育成計画をたてろというミッションを宮野さんがもらっているのであれば、そのためには社長もしゃべってください!会社のビジョン、ミッション、バリューをしっかり話してください!とお願いしてみてください。
そして、ついでに今の新入社員はそんなに簡単には育たないし、定着しないですよ、だから「当たり前」のことをしっかりやらないとダメですよと伝えておくといいですね。

ミヤ:わかりました!その他、人事として用意しなければいけない「当たり前」の事はありますか?

ホッソン:育成計画を作る上ではそれぐらいですね。とにかく、会社の方針を語ってもらうことを育成計画にいれこむ、それがすごく重要でそれが新入社員や社員をひっぱっていく力になるのです!必ず覚えておいてくださいね。

ミヤ:はい!肝に銘じておきますー。 ( ・∀・ )ゞ

山本④

◆シリーズ一覧◆
【レイワの育成①】い、育成計画作れって言われました( ;∀;)
【レイワの育成②】OJTとOFFJTって、何の略??いきなりわからん( 一一)
【レイワの育成③#1】社内で行う研修と、社外に依頼する研修の違いって?? ~社内で実施した方がいい研修編~
【レイワの育成③#2】社内で行う研修と、社外に依頼する研修の違いって?? ~社外講師に依頼した方がいい研修編~
【レイワの育成④】モチベーションとリアリティーショック←いまここ
【レイワの育成⑤】定着と育成
【レイワの育成⑥】面談とコーチングの重要性
【レイワの育成⑦】指示の受け方と報連相の仕方
【レイワの育成⑧】ビジョンとルール

◆レイワの育成・特別講座◆
特別講座①1年間の新入社員育成計画を作成せよ!
特別講座②他階層の育成計画を考え、全体の人材育成計画を完成せよ!



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