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「座る」という選択 – データの可視化と身体のフィット感
私たちは、1日の中でどれくらいの時間を椅子に座って過ごしているでしょうか?
デスクワークをしている方なら、1日の1/3、あるいはそれ以上の時間を椅子の上で過ごしているかもしれません。
寝る時間と同じくらい長い時間を「座る」ことに費やしていると考えると、その「座り方」や「椅子の選択」が、私たちの健康やパフォーマンスに与える影響は決して小さくありません。
私は普段、 データの可視化やコンサルティングを通じて、企業や個人が新しい一歩を踏み出すお手伝い をしています。
「見えなかったものを見えるようにすること」は、意思決定において重要なポイントになりますが、これはビジネスの世界だけでなく、 私たちの身体や暮らしにも当てはまるのではないか と感じることがあります。
木工房「大噴火」での体験 – 座ることのデータを「可視化」する
先日、石川県七尾市にある 「木工房 大噴火」 を訪れました。
この工房では、「ひとりひとりの身体に合った椅子を作りたい」というお考えのもと、桐を使った美しい椅子を制作されています。
店内に並ぶ椅子は、 座面の曲線、傾き、背もたれの形がすべて異なり、実際に座って試すことができます。
すると、驚くほど違いを感じました。
• 足裏への力のかかり方
• 太ももの裏の圧迫感
• 座骨の位置
• 背筋の伸び具合
少し形状が異なるだけで、座り心地や姿勢が大きく変わるのです。
まるで、自分の身体にとって最適な「データ」がそこに現れているような感覚でした。
実際に、この椅子を3年間使ったご高齢の方が、「背筋がピンと伸びた」と話されていたというエピソードも印象的でした。
まさに 「見えなかった影響が可視化される瞬間」 だったのです。
新しい選択をするために、データを見つける
私の仕事では、クライアントの課題をデータとして整理し、そこから新しい選択肢を見出すことを大切にしています。
例えば、原材料の購買戦略やリスク評価を行う際、 見えている数値だけでなく、その裏にある本質を可視化することで、より良い決断をサポートする ことができます。
これは、 「座る」という行為にも共通する と思うのです。
私たちは無意識に「この椅子でいいや」と思い込んでいるかもしれません。
しかし、本当に身体に合った椅子を知ることで、 もっと快適に、もっと健康に、もっとパフォーマンスを発揮できる環境 を作ることができるのです。
現在、木工房 大噴火は 能登半島地震で被災 し、椅子のフィッティング体験は 2月1日にオープンした仮設店舗 で行われています。
もし「自分に合う椅子を見つけたい」「座ることを見直したい」と感じたら、ぜひ一度、足を運んでみてください。
データの可視化は、意思決定のための第一歩。
それは、私たちの身体にとっても同じことなのかもしれません。
木工房 大噴火
https://daifunka.stores.jp