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haruka460
キャッチボール
連休中にキャッチボールをされたご家庭もおありかと思います。
私がまず始めに息子に与えたのは、プラスチックのボールにビニール製のグローブでした。
二人の距離は手が届くほどです。少し距離が伸びた頃、革のグローブに変わりました。週に1回ほどですが、休日の日課になりました。いや、楽しみになりました。
私はキャッチャー役になりました。打者がいると見立てカウントをとります。三振が続く日もあれば、コントロールが乱れる日もあります。そして、球は速くなっていきました。正直言って手のひらはジンジンしています。
そんな手を眺め、子どもの成長を感じていました。キャッチボールをしながら会話をする日もあれば、黙って球の重みを感じる日もあります。
キャッチボール。投力や体力の向上に果たした役割は大きいでしょう。今は、テニスをしているようですが、中高はサッカーに夢中でした。
さて、私にとってのキャッチボール。
息子とのコミュニケーションだったかなと感じています。何だか落ち込んでいる日、かける言葉を探しあぐねている時、「キャッチボールをしよう!」と声を掛けました。ただそれだけでした。
黙ってついてくる子どもと始めたキャッチボール。どんな会話を交わしたのか、その日はどんな球だったのかは正直覚えていません。ただ、ボールを受け止めること、子どもを「受け止める」ことに必死だったかもしれません。
使い込んだグローブは、子どもが下宿へ持って行きました。
新緑の中、野球をしている光景を見ると、時折思い出す今日この頃です。
【2022年5月8日 初出】