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vol.6_フィンランド旅行記③街歩きと犬ぞり
これまでの旅行記
旅行記②ロヴァニエミDay2 街歩きと犬ぞり←今回はこれ
旅行記③ロヴァニエミDay3 街歩きと美味しいものの日
旅行記④ロヴァニエミDay3.5 サンタクロースエクスプレス
旅行記⑤ヘルシンキ、買い物編 (iittala / marimekko / 聖堂 / ミシュラン獲得レストラン / エストニアなど)
旅行記⑥ちょっとそこまで、エストニア
旅行記⑦外せないサウナと帰国
Appendix、収支報告
まずは腹ごしらえと、無い予定を作っていく
昨晩の帰宅はAM3:00前と遅くなったものの、今回の旅の目的であるオーロラウォッチを初日に達成してすっかりほくほく顔の我々。もしオーロラハントに行く人がいらっしゃれば、夜24時を過ぎたホテルへの戻りの場合の入室方法を必須で確認しておくのをオススメします!
残った問題は、今回オーロラフルベットの旅だったため、本日以降の旅定が本当に一切決まっていないことである。ロヴァニエミではまず一旦ホテルを2日分取っていたので、まずは今日明日のロヴァニエミでの予定を立てることにした。ちなみにだが、ロヴァニエミエリアの数日間のホテルの空き状況を見ながらこの作戦を取ることに決めている。極寒の国ではホテルなしで夜を乗り切るなんてこと無理なので、ここはホテルの空き状況との塩梅。
と、その前にまずは朝の腹ごしらえから。日本では滅多なことではホテル朝食をつけないが、行ったことのない国のホテルでは朝ごはんをつけることにしている。全体的なメニューとしてはハムやサラミ、チーズが豊富な他、いわゆるポリッジってやつもあってテンションが上がる!海外児童文学ではよくポリッジって出てきますが、日本ではあまり見かけないですよね。
この段階ですっかりフィンランドコーヒーがお気に入りになっていたので、並々とカフェオレをチャージ。旅行中ついつい不足しがちな野菜もしっかり摂取できるのもホテルモーニングのいいところ。ヨーロッパへ行くたびに思うことではあるが、乳製品との距離感が日本よりも近い。スーパーに行ってもざっくり安い印象を受ける。
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朝食ミーティングの結果、明日のヘルシンキへの帰路は飛行機ではなく夜行列車、サンタクロースエクスプレスを使うことに。まさかフィンランドで人生初の夜行列車に乗れるとは!コロナ前はヨーロッパであれば、フランス - スペイン間などにも夜行列車が存在したようだが、この数年でその数も随分減ってしまっているらしい。またロヴァニエミ - ヘルシンキのフライトと比べても夜行列車の方が安価。フライトはどれだけ安くても€150程度、加えてホテルも追加でとることを考えると夜行列車もなかなか悪くなさそう。それと比べてこの日の夜行列車なら€110程度。日本円で¥20,000以上変わってくることも加味。友人が今回の旅において、自分と同様にご飯にお金をかけることをチョイスしてくれる人でよかった……。
ところが!午前中何度か夜行列車の予約にトライしたものの、オンラインでの予約では2人の手持ちのクレジットカードがことごとく弾かれてしまった。そこで本日の予定に、まず駅に直接行くことも加えることに。駅で無事にチケットの購入ができるといいのだが。
またロヴァニエミは著名建築家のアアルトが都市計画を手がけたらしく、本日はそのうち市役所と図書館を見ることをメインイベントにすることにした。その後さらに散歩を続けて著名な教会を見た後、夜は犬ぞりに乗りながらのオーロラウォッチといったスケジュールだ。お散歩dayである。
都市計画の背景としてはどうも第二次世界大戦で街の90%が破壊されてしまったことも起因しているらしい。
サウナ付きホテル
さて、行動開始だ。荷物とモバイルバッテリーを準備する。寒い地域ではスマートフォンのバッテリーも切れやすいため、モバイルバッテリーは必需品である。海外旅行の旅に持っていくのがこれ。スマホもヘッドフォンも、PCの充電もこれ一台でまかなっている。1台でチャージャーにも充電器にもなる頼もしいガジェットである。ちなみにPCの充電にはパワーが弱いので、夜充電をするのが大前提となる。それを許容できるなら圧倒的におすすめ!
ところでフィンランドのホテルの多くがサウナ付きである。今回もタイミングが合えば使用したいと思い水着も持参していた。が、どうも日本とは入る時の仕様が多少違うらしい。事前に調べていた際には男女一緒に入るなどと書いてあったが、ホテルによっては男女も分けていた。観光客に特化したサウナであれば男女混合だったが、今回宿泊したホテルも男女別々でのしようとなっていた。ホテル内の張り紙に男女それぞれが使用可能な時間帯について説明の張り紙があった。
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よほど余裕を持ったタイムマネジメントをしない限り、実はホテルのサウナ利用はなかなかしづらいのかもしれない。
お散歩スタート
今回泊まったホテルは中心部からちょっと離れたエリアに位置していた。どこへ行くにもスーパーマーケットが位置するあたりを経由して動くことになる。
どこへ行くにも世界最北端のマクドナルドの前を通るため、この2日ですでに5回は見ている。早くも見慣れてきた景色を横目に歩を進める。道の端には雪かきされた雪たちが積もっているが、道は意外にも歩きやすい。ただし一部については雪が踏み固められており、ほぼ氷のようになってもいた。安全を考えるのであればスノーシューズは絶対あった方がいいと思うし、走るなんて行為はそうそうできそうにない。
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第一目的地、ロヴァニエミ駅
足元に力を入れて歩くせいで、ダウンを着ているとすっかり汗をかくほど。15分ほど歩くとロヴァニエミ駅に着いた。駅の黄緑色にどことなくJR味を感じてしまう。
駅にはカフェが併設されており、ランチタイムやモーニングであればここで済ませるのも良さそうだった。夜は早めに閉まってしまうので、夜行列車に乗る前の利用としては不十分。事前に別の場所で食べたから来たほうが良いだろう。
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駅の中には大ぶりのキャリーバッグが入れられるようなロッカーもあり、到着側で使うにもかなり使い勝手は良さそうだった。
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サンタクロースエクスプレスのチケット入手方法
さて、肝心のチケットだ。券売機が存在し、チケットの購入自体はできそうだったのだが、今回求めている寝台列車のチケットがどうしても表示されない。サンタクロースエクスプレスは夜行列車ではあるが、寝台車だけではない。コンパートメント形式の電車や通常の座席も存在しており、自分が求めるチケットをカスタマイズして購入する必要がある。今回はその寝台車席だけが出てこないのだ。
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駅の券売機になかったということは、寝台車はオンライン販売のみ、ということになる。しかしクレジットカードがとにかく弾かれる!JCBは元々使えず、VISAは我々2人の手元にある楽天、オリコを含む4枚が弾かれてしまった。結論パートナーに泣きつき、AmazonのVISAカードでなんとか予約するに至った。本当にありがとう。。。よくある話ではあるが、海外に対応していそうなクレジットカードは複数枚しっかり持っていた方がいい。
オンラインの場合はこちらから購入可能。英語には対応しているし、そんなに難しくはない。英語アレルギーがある方は日本語翻訳をかけることで購入できそうでもある。
詳しいチケットの買い方はこちらにも解説を残したのでぜひ見てほしい。今日改めてウェブをみたところ、なんだか以前よりも高いような気が。シーズンによってもチケット代金は変わっているようだ。
駅までの道のりがやや砂利道であることも今日の散歩でわかり、夜間に寒がりながらここまでキャリーバッグを引いてくる自信もなかったので、明日の移動はレセプションに依頼してタクシーを呼んでもらうことにした。
日本国内に含めて雪国に行くたびに感じることがある。本当に雪は音をよく吸うということだ。人口密度が高くない街であることも相まっていると思うのだが、歩いていても他の人たちとの距離が一定あるので、相手の声はほぼほぼ聞こえてこない。でもこれはおそらく距離だけでなく、空気や雪に本当によく音が吸われていると思う。完璧な静寂とも違うのだが、空気が非常に乾いていることと、コンクリートとじゃり道がまたその無機質さに拍車をかけているような気がする。日本国内の雪国よりもよりものがなしい気持ちになるのはとにかく曇り空だからだろうか?
ロヴァニエミ市立図書館
次の目的地がこちら。すぐ隣に市役所があったのだが、週末は閉まっているようで結局中には入れず。図書館の様子だけ少しお届けできればと思う。
入り口にはスパイク付きの靴が元気である等アナウンスが書いてある。なるほどこれだけ雪が多かったり、路面が固まるのを考えると、スパイク付きの靴は珍しくないようだ。
以下の写真だとちょっと見えづらいかもしれないのだが、図書館に入る際のドアノブにアアルトらしさを感じる。と、いってもイッタラの著名な器たちくらいしか知らないのだが。雪国ならではだと思うのだが、建物の入り口が2段階になっていて、ドアノブの形が少しずつ違うのもかわいいポイントだった。
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外は真っ白で、無機質な印象を受けたのだが、ドアノブのような細部に加え、一方で室内へ入ると木材の色がよく目立つ。本棚は背が高いものは壁面に、空間側には背の低いものが設置してあってメリハリが付いている。加えてスペースの作りがオープンであるが、写真用に段を作ってその真ん中にスタディスペースがあるのも非常に良かった。学校の課題をする若い子たちの姿が印象的だ。
日本の漫画も英語版がいくつかあり、エンタメってすごいな〜と改めて思わされた。
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ロヴァニエミ教会
街の中心部からはちょっと距離があるが、住む人たちの日常が垣間見える良い場所だった。市役所と図書館から雪道をずっと歩いていくと、墓地エリアが見えてきた。ロヴァニエミ協会に併設されたお墓のようだ。
ちょっとした林の中にちらほらとお墓が見える。木々の奥から鳥の声が聞こえてくる。静かな中で響く音が非常に綺麗で良い時間だった。ここをゆっくり散歩することほど贅沢な時間はなかなかないかもしれない。沖縄と同様に北欧の地でも時間の流れが緩やかな贅沢さに出会えた。何か共通点があるんだろうか。
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中に入るのも無料のようで、オルガンとフレスコ画があるらしい。週末はお祈りと重なっていたので、確か入場できなかったはず。改めて調べると冬の間は入場できないかも、という情報もあったので行かれる際には見ておいてもいいかも。少なくとも周辺の散歩だけでも息抜きとしてはちょうど良いと思う。
アングリーバードの公園
たまたまお散歩ルートのなかにアングリーバードの公園を見つけた。制作会社が元々ロヴァニエミ拠点の会社、というところにまつわるらしい。キャラクターとスリングショット?を用いたゲーム、という粒度の知識しか無かったのだが、キャラクターや設定が生かされた公園の設計になっており、ところどころのギミックが非常に可愛らしかった。
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終日のお散歩帰りに遅めのランチを食べたらホテルで一休みし、犬ぞりに備えることに。
犬ぞり
今回申し込んだプランは、犬ぞりに乗りながらオーロラハントをするというプランで、薪を囲んでのちょっとした軽食付き。ホテルの場所を登録することでホテル送迎も付いている。とにかく夜は一層寒いのでありがたいプランだ。
予定時間を過ぎてソワソワしながら待っていると、小さめのバンがホテル前に到着した。名前を確認されて、バンに乗り込む。自分たち以外に確か2組いたはず。
途中、前日に行ったサンタクロースビレッジの鮮やかな光を横目に30分程度車を走らせる。車内は参加者同士でも会話をしつつ、和やかなムード。途中大きな道路から突然横道に外れて、森の中を進んでいく。街灯も一切ない暗闇を進んでいくので、途中どこかに攫われてしまうんじゃないかと不安を感じ始めた時に、開けた場所にでた。すぐそばにテントが二棟。先にもう一つバンが到着しており、それぞれからランダムにテントへ案内される。
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犬ぞりについての説明を受けながら、みんなで炉を囲む。マフィンとソーセージ、マシュマロを順番に焼いていく。飲み物としてラズベリージュースがまた出てきたあたり、よほどローカルで愛されている飲み物だと思う。
マフィンとソーセージは割と簡単に焼けるのだが、案外マシュマロが難しい!外に良い具合に焦げをつけようとすると、中身が溶けてしまうのだ……理想のスモアには訓練が必要な模様。
食べながら同じテントのメンバーと話していると、みんな前日からロヴァニエミにいたものの、やはり前日は我々以外オーロラは見えなかったらしい。曇りの範囲も広かったので、なかなか難しかったとみた。そのほかにも誕生日に合わせてフィンランドに来ているカップルなどみんなの人生が垣間見えて良い時間を過ごせた。
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空きっ腹を満たしていると、遠くから謎の遠吠えが聞こえるようになってきた。徐々にその遠吠えはこちらに近づいてくる。どうも我々が犬ぞりに乗る前に別のグループが犬ぞりに乗っているらしい。聞くに、犬たち、基本的には走りたいぜ!おれはやるぜ!!なモードで、早く出発させてくれぃ!とかなり血気盛んになっている結果、ワンワンという鳴き声と遠吠えが止まらないらしい。どおりで随分と人里離れたエリアに来たわけだ。
そうこうしている間に暖かな室内を出て、ついに犬ぞりタイム。3分ほど歩くと、犬そりがセットしてあるエリアに到着した。1台に対して8匹の犬たちがスタンバイしてくれている。犬ぞりそれぞれにガイドさんが1人と客である我々が2人、計3人を写真の犬たちが引っ張っていってくれる。過去見ている写真の印象からてっきりハスキーのような大ぶりな犬たちを想像していたが、ハスキーっぽい子、ハスキーみを感じるが垂れ耳のキュートな雰囲気の子、はたまた茶色で雑種の子など、犬種は様々だった。うーん、みんなすでにひとっ走りして汗をかいているので、犬の匂いがすごい!働き者たちの匂いである。
キュートで凛々しい犬たちをもふりたい気持ちを横に置き、最初に簡単に、犬ぞりの座り方のレクチャーを受ける。後ろに座っている人に体重をかけて、身体がそりから浮かないように、物を落とさないように等が主なポイントだ。さぁいよいよ出発だ!スタッフさんが、ポールからリードを外すと犬たちがスタートした。
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慣れるまでは、犬ぞり、やや不安定なのでちょっとドギマギ。特にカーブは体が振られるので、後ろの人に身体を預けないと飛んでしまいそうだ。そりは思った以上のスピード感で進んでいく。人間の短距離走のトップスピードくらいだろうか?コース上にはおそらく犬たちが走るルートがすでに存在しており、そのルートを犬たちは覚えているのだと思う。全面雪に覆われており、犬たちが走るルートがほぼ氷のように固まっているようだった。それもあってか、摩擦なんてないかのようによく走る!
面白かったのは、犬たちが1つの群れとしてチームプレーをしていること。先頭にいる犬のたちがそりをしっかりと引っ張ってくれているらしく、疲れてくると隊列を変えて後ろにやってきては休むのだ。わん!というわけでもなく、上手くチームワークをとっている姿は犬の野生的な一面を垣間見ているようで非常に興味深いものだった。
犬たちが走るルートは一定決まっているので、一部路面が出てしまっている部分があったのだが、この段差では多少そりが浮くので、なかなかスリリングだった。猛スピードでそりは走り、15分ほどだろうか?おそらくそのくらいでコースを終えた。ここではアクションカムが大活躍。手を出していることになる人は必ず手袋を持っていく地良いと思う。
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さて、肝心のオーロラはというと、おそらく……見えなかったと思う。コースにも一切の街灯がなく、ガイドさんが進行方向に向かってライトをつけたり消したりして進んでいく。遠くにうっすら赤い光が見えたのだが、これはおそらく人工的な光だったのではないかと思う。今思えばあれは何の光だったのかときちんとガイドさんに確認しておくべきだった。逆にいうと何も言われていないので、おそらくあれはオーロラではないのだろう。
オーロラツアーを探していると犬ぞりしながらオーロラ、トナカイそりでオーロラ、雪歩きとオーロラ、など様々あるのだが、よほどコンディションが良くないとこれらは難しい。オーロラハント単体が圧倒的におすすめである。
帰りもホテルまで送ってもらい、2日目を終えることとなった。連日の遊び疲れで2人ともぐったり。ベッドに寝るや否やすんっと寝落ちてしまった。
フィンランド編、動画をかなり撮り溜めているので、動画が完成次第、こちらの記事も動画を掲載する。
今回も長文ではあるが、ほぼ1年前の事柄を思い出してもやはり非常に楽しい旅行だった。これから行く方がいれば是非とも楽しんでほしい。