村田ボーリング技研の秘密、教えてもらいました!|静岡工場博覧会2023 ファクハク訪問記
11月19日、ファクハクの最終日。村田ボーリング技研株式会社(静岡県静岡市)の見学に行ってきました。村田ボーリング技研の村田浩康さんと人を大切にする経営を提唱する坂本光司先生の人財塾でご縁ができ、はじめて会社に訪問させていただきました。
機械部品を修理する同社は、「溶射」を得意技としています。私は機械工学科出身なので「溶接」は授業や実習で勉強しましたが、「溶射」ははじめて聞きました。昔からある技術で、ニッチな分野で知らない人の方が多いとのことで、自分の勉強不足ではなくちょっと安心しました。
部品の修理はお客様の1つの注文に対し、「機械部門」、「溶射部門」、「研磨部門」3つの部門が連携して作業を進めます。それぞれが受け持つ工程を責任をもって仕上げていくことで、お客様の要求水準をみたす修理をおこなっています。
作業中の部品を工場見学で拝見したところ、大きさ、形、素材、様々でた。修理のやり方(加工法)を一品一品考えるのは、修理する部品によっては相当頭を悩ませることになるのだと思いました。また、同時にそれが同社の現場で働く社員にとって面白いことであり、やり甲斐なんだろと思いました。
同社の秘密はズバリ職人技です。部品の修理をうまく行なうために、道具にこだわり、作業手順を考え、それを頭の中でイメージし、それを実現しているそうです。これって、プロスポーツの選手が行なうイメージトレーニングの世界ですよね。
機械部門の職人さんは、修理のためにどこまで削るか、どのバイトで削るか考えてます。そして自らカスタマイズしている旋盤の刃(バイト)の中から最適なものを使い、修理品の加工を行ないます。
溶射部門の職人さんは、作業中は炎しか見えないなか職人の感と経験で作業をします。強度をつくる溶射では、斜めから炎を吹き付けて、仕上がった部分に炎が当たらない工夫をしながら作業をしてます。
研磨部門では、一人1台の研磨用機械が配備されており、小型研磨機の保有台数は日本一です。研磨を担当する職人は、気温による金属の膨張や縮小も考えながらお客様が要求する仕様どおおおりになるよう、髪の毛の太さの1/10の精度の加工をしています。
コンピューター制御のNC旋盤を使い、プログラミングで加工をすることが主流の時代、同社は職人技でお客様の機械部品を修理しています。壊れたら部品ごと取り替えるという考え方ではなく、1つ1つの部品の壊れた部分だけを直し部品を大切に使う考え方に基づいています。
モノを大切にし後世のために資源を残していくことが重要な時代にとてもマッチしているビジネスです。
【追伸】
ファクハク、楽しく見学しました。オリジナルのサコッシュには福祉事業所のクッキを入れ、おやつにと思って持ち歩きましたが、見学が面白くて食べ損ねました(笑)。新社屋も素敵でした。来年2月の講演会も面白そうです。