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心の片隅が居場所|散文

最近、YouTubeで洋画を観た。
タイトルは忘れてしまったけど、息子夫婦と住むおばあさんが生まれ故郷に一日だけ帰る、という内容のもの。

生まれ故郷はとうに廃れ、今は誰も住んでいない事を徐々に知るが、息子夫婦の目を盗んでバスに乗り、様々な人達の優しさが繋いだ軌跡が描かれている。

生まれ故郷に着き、生まれ育った家にやっと辿り着いたら、家はボロボロ、周りにも誰も住んでいない…最後は息子夫婦が車で迎えに来るが、意地悪だと思っていた義理の娘の小言が、実は優しさから来るものだったり、お互い妥協しながらも上手く生活をして行く約束をする。

最後に印象的なシーンがある。
息子夫婦を先に車に向かわせ、母親役の女優さんが草が生い茂った土に手を這わす。
昔は畑仕事を毎日していたからだ。

「さようなら…」とその地に別れを告げ、車の中で涙をハンカチで拭う姿に、ぐっと込み上げるものがあった。
本当は、最期の地に生まれ故郷を選びたかったから、その「さようなら」が、特別な響きを持っていつまでも私の胸の中に木霊した。

ふと…私も最期の地は、自分が生まれ育った場所が良いと思った。

昔の様に何もかもが残っている訳では無いけれど、それでも温もりと記憶は変わらないから。

私も、やっぱり最期の場所は自分の好きな場所で…そう思った素敵な作品だった。

それと…大好きな人が重なったから、より涙が込み上げたのだと分かっている。


人は常に孤独。だけど、小さな繋がりはどこかにあるんだと、そう思えた。
群れる事が苦手な私は、心の片隅が一番ほっと出来る場所。

前へ前への性格でもないし、ただ白黒ハッキリさせないと気が済まない性格故、誤解も多い。
けれどそんな事にも慣れた。
慣れなきゃ生きていけない。

私は私の信じる人を信じて行けばいい。
最近やっとそう思える。

まだまだ迷いや苦しみはあるけれど。



体調があまり優れない為、連載小説の方は順調には書けてませんが、ゆっくりマイペースに行こうと思います。
拙作に、毎回目を通して下さっている方、心よりお礼申し上げます。
ありがとうございます。



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