
しあわせ
しあわせは掴んだりするから
あとはすり抜けるだけのもの
私たちそう割り切ることすら
出来ないまま生きている
もっと涙の出処も忘れてしまうような
密度の高い人生を歩めたら
期待はずれな誰かのことも
それはそれで可愛くなるんだろう
黄昏の時代に鳥のような季節が
夕凪を掠め飛ぶ
どこまでいってもそのイヤホンに
流れている曲はわからない
きっとゴミ掃除屋さんにも
異性が煌めく展開があって
突然美しくなるように
映画ってものはできている
虚しさの懐に
メモを溜め込んで
夜な夜などこかに吐き出す
不思議とそれは
穏やかなしあわせだったりする