【私の仕事】 忘備録(93)中国メンズエステ「S」店の売買交渉の失敗
◆この記事の内容:
いい加減な対応をしたために失敗したことを書いています。
【私の仕事】 忘備録(92)中国メンズエステ 「賃貸借契約書」の保証人 からのつづきです。
台湾人「レンさん」
整体店のママから泣いて電話がかかってきた。
僕:「どうしたの?」
ママ:「S店、売れてしまったの!」
僕:「ん?あの日本人の社長が買ったの?」
ママ:「違う!また別の人。」
僕:「いつ売れたの?」
ママ:「今日。わたしね、S店のママに、もう60万でいいから、いますぐお金持っていくって電話したの、そしたら、「もう売ったよ。」って言われたの!」
僕:「それ、いつ言われた?」
ママ:「今さっき、S店のママに電話で言われた。わたし、中国人、信じられない!」
僕:「あんたも中国人やんか。S店のママとちゃんと話しした?もう一回電話して詳しく聞いてみたら?」
ママ:「もういい。もう要らない、あの店。買わない。」
僕:「待って、俺、S店のママに今から電話して聞くよ。」
ママ:「もういいわ。いろいろありがとう。」
さすがに、いつもと違って落ち込んでいる。心配になった。
僕:「今、どこにいる? お店? 一人でいるの?」
ママ:「レンちゃん(仮称)と一緒。心配で来てくれたの。あのS店も一緒に見に行ったのよ。」
僕:「台湾人のレンさんか。ちょっと、電話代わって。」
レンさん「おひさしぶりです。元気ですか?」
僕:「俺は元気だよ。」
台湾人のレンさんは、30歳くらい。日本語は完璧。英語もかなり上手。梅田で女性専用エステを数軒、経営している社長だ。
レンさん:「あの店ね。買わないほうがいいと思うのよ。風水って知ってるでしょ? 店に行ったけど、方角が悪いのよ。それに風の流れが悪い。あの場所ではどんな店をやっても儲からないわ。」
手持ちのお金60万円
まったくその通り。整体店のママにはこんなことはいえないが、あの店があるビルは、狭い階段で窓は片側しかない。入口は1つで袋小路になっている。暴力団事務所か金融関係の会社がよく使うパターンの店。だから、今までずっと、風俗関係の店が闇でやっていたところ。
僕:「確かにね。綺麗に改装しても、あそこで女性専用エステは難しいとは思ってたけど。。。。それと、ママはね、今、60万円しか用意できないんや。改装費とかもっとお金が必要。旦那に相談したほうがいいよって言うたんよ。」
レンちゃん:「それは、もういいのよ。ママの堺市の店あるでしょ。あの店、王さんが100万円で買うから。」
僕:「えっ!ママ、もう100万円で売ったの?」
整体店のママは、僕には「あの店、100万は安すぎる、200万だったら王さんに売ってあげてもいい。」と言ってたから驚いた。S店を買うために、なんとかお金をつくりたかったんだろうな。
レンちゃん:「そうよ。売ったのよ。王さんね、明日、ママさんに100万円渡すって言ってたよ。」
僕:「でも、あのS店、他の人が買って、買えなくなってんから、100万円、もう必要ないやんか。」
レンちゃん:「そうよ。S店、買えないんだから。王さんに堺市店を売る必要ないのよ。でも、ママは、王さんと約束しちゃった。」
僕:「王さんは喜んでるやろなぁ。あの店、駅近くでいい場所やからなあ。」
レンちゃん:「王さんはママの堺市店、ずっと買いたいって言ってたから。でも、本当はママはあの店、売りたくなかったのよ。」
僕:「じゃ、ママは今、最悪の状態やね。S店は買えなくなってしまったし、堺市店は王さんに売らなければならないし。。。」
レンちゃん:「そうよ。だから、ママ、ずっと泣いてるのよ。」
僕:「うん、わかる。横にいるやろ。泣いてる声が聞こえてくるよ。。。今さら、王さんに、「やっぱり売ることでいない」って言われへんもんな。」
レンちゃん:「そうよ。そんなこと王さんに言えるはずないじゃないの。王さん、あの堺市店、買うことになってものすごく喜んでるんだから。」
「役者やの~~」
僕:「だから、ママにはS店をはやく買うように裏で動いてたんか。王さん、なかなか賢いね。ママが個人で持っているお金、知ってるんだね。さすが、経理やってるだけあるね。」
レンちゃん:「そうよ。王さんは頭、すごく賢いのよ。元々、日本の会社で経理の仕事、やってたのよ。それから、中華料理店とか整体店とかも旦那さんと経営してたのよ。その旦那さんとは離婚しちゃったけどね。」
僕:「ふ~ん。でも、王さん、日本語出来る?堺店で王さんと会ったことあるけど、日本語、ほとんど通じなかったよ。」
レンちゃん:「そんなことないよ。わたしと同じくらい上手よ。芝居したのよ。日本語できないふりをしたのよ。」
僕:「俺をヤバイやつと思って、警戒したのか。そう考えると、王さんは人を見る目、もってるね。」
レンちゃん:「その通りよ。」
僕:「そこは、「そうじゃないけど。」って言ってくれよ。」
よく考えたら、日本人相手に日本語がまったくできなかったら、お客さんの多い堺市の店で一人でやれるはずがない。お芝居が上手じゃないか。
「役者やの~~」
(⇗実際、マンガ「花の応援団」のこと、知らない。使ってみたかっただけです。)
レンちゃん:「あなた、S店のママに電話しなくてもいいよ。もう買わないんだから。そんなことより、王さんに堺店売る件、どうするかの方が大事だから。」
僕:「わかった。ママのこと頼むわ。」
と言って電話を終えた。もう夜中になっていたが、すぐ、S店のママにWechatで電話した。
口約束の又貸し
僕:「もしもし。店、もう売ったの?本当に?」
S店ママ:「売ったよ。もうお金もらったよ。明日、店の鍵をその人に渡すの。」
S店ママについては、何か動きがあったら、すぐ僕に知らせるように、S店従業員の「ゆきさん」に頼んでいたのに。。。
S店のママの動きが早過ぎで、「ゆきさん」も知らないだろう。
僕:「ゆきさんに、店売れたこと、言ったの?」
S店ママ:「さっき、電話で言ったよ。店売れたから明日から来なくていいよって。」
僕:「買ったのは日本人?」
S店ママ:「違う。中国の女の人。エステ店を1つやっていて、ここを2号店にしたいんだって。」
僕:「店、改装するん?」
S店ママ:「しない。このまま使うって。ベッドもタオルも冷蔵庫も、みんなこのまま使う。」
僕:「契約はどうなってんの?ママがその人に店を貸す形になるの?ようするに又貸し?」
S店ママ:「そうよ。月々の家賃を私がもらって、そのお金で今まで通り、大家に払うの。」
僕:「???その中国の女の人、それ、OKしたの?」
S店ママ「したよ。」
まあ、中国人同士で話をしたんだから、間違いないだろう。(実際、S店のママは韓国籍だと思うが、マインドやものの考え方は中国人。)
要するに「又貸し」だ。口約束で書いたもの、書面も何もないはずだ。だから買った方も次の日から店をできる。何事もお互いで取決めしたことについては「書いたもの」「書面」は絶対必要です。それをしないと、いずれもめることになるだろう。
このあたりは、自分の失敗から【私の仕事】 忘備録(51)決めたことを書面で残す大切さ に書きました。
「S」店ママの言い分
僕:「あのさ。俺には関係ないけど、お店、いくらで売った?」
S店ママ:「60万円。」
僕:「60万?80万円とかじゃいないの? 60万だったら、整体店のママに売ってくれたらよかったのに。」
S店ママ:「だって、あの人、「この店、買うよ、買うよ」っていうけど、全然、お金持ってこないもん。工事の人とか、友達とかと一緒に来てたけど。。。」
僕:「工事の人?店を改装する業者の人のこと?そんな人まで連れて来てたの?よっぽど、買う気だったんだね。」
S店ママ:「そうよ。ベットの処分費用とかトイレの改装する費用とか工事の人と打ち合わせしてたみたいよ。」
僕:「え!あの整体店のママ、まだ店のお金、払ってないのに?」
S店ママ:「そうよ。」
交渉の手順
S店のママからみれば、店をこのままで使ってくれて、お金をすぐ払ってくれる人のほうがいいに決まってる。
まだお金も払ってないのに、勝手に業者を連れてきて、店の中でバタバタやられたら、そりゃ気分悪いわな。
整体店のママ、交渉の手順を間違えたな。何事にも言えることだけど、相手の気持ちを考えながら動かないと失敗するよ。
これは僕にも責任がある。。。
僕:「その中国人の女の人、明日、何時に店にくる?」
S店ママ:「昼2時。」
僕:「じゃ。俺も店に行くわ。」
ちょっと、「S」店のなりゆきを見ておこうと考えた。そして、現在も、このS店のママとは関わりをもっている。
さて、その中国人の女社長とは、どんな人物だろう?
【私の仕事】 忘備録(94)飛田新地付近の不動産調査依頼 へ
つづく。。。
*このnoteで書いてある記事はすべて実話です。「忘備録」として自分のために書いています。
◆ご注意:一部の記事はnoteのシステムによって18歳以上向けに分類されていますが、すべて18歳以上向けです。
よい子の皆さまは読まないでくださいね。