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「働かざる者 食うべからず」は本当か?
前回記事でも触れた、「勤労の義務」についてはこちら↓
日本国憲法 第27条
1項 すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。
今回は、ここから、
「働かざる者 食うべからず」
について、考えてみたいと思います。
ちなみに、新約聖書では、「働かざる者」のことを
「働こうとしない者」
つまり、
「働けるのに働こうとしない者」
としています。
なので、病気などの理由で「働きたくても働けない者」のことではないとされています。
1.生活保護についてはどうなのか?
生活保護制度は、いわゆる「最後のセーフティーネット」と呼ばれています。その根拠は、日本国憲法第25条における【生存権】ですね。
日本国憲法 第25条
1項 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
これを根拠に、以下のような趣旨で制度としています。
【生活保護制度】
資産や能力等すべてを活用してもなお生活に困窮する方に対し、
困窮の程度に応じて必要な保護を行い、
健康で文化的な最低限度の生活を保障し、その自立を助長する制度
これを見る限り、
「働きたくても働けない」人や
「働いているけど資産等活用してもなお生活に困窮している」人であれば、国家がその程度に応じて
健康で文化的な最低限度の生活を保障するということです。
例えば、今回のようなコロナ禍において、
・お店を営業したいけど営業できない
・自身の資産や能力すべてを活用したが、生活困窮状態になった
→貯金も使い果たし、お金の工面についてできることはすべてやっても困窮した
ということであれば、正当な権利として【生存権】として生活保護制度を利用できます。
ただ、個人的に問題だと思うのは
自身の資産や能力すべてを活用
ですね。これは例えば不動産を所有しているのなら、
「場合によっては」売却しないといけないかもしれません。
でも、不動産の売却は簡単ではありませんよね。
ある意味「最後の砦も崩れてしまって」初めて、生活保護を受けられるということです。
そして、生活保護制度についての最大のポイントは
【その自立を助長】
という部分です。
実はこれが真の目的といいますか、ここに国家の意志を垣間見ることができます。例えば
●就労支援
●自立支援プログラム
により、「自立を助長」するということは、
生活保護から卒業して、「働いて」
ゆくゆくは「税を納め」、
経済的にも社会的にも自立しましょう!
と、最終的には「働かざる者食うべからず」つまり
「労働者」の道へといざなうための制度だと思っています。
2.いわゆる「不労所得」はどうなのか?
もし、先祖代々受け継がれてきた莫大な不動産があり、その家賃収入等で自ら「労働」しなくても、生きていける場合はどうなのでしょうか?
いろんな意見があるかと思いますが、例えば、もしマンションやアパートを建てて、家賃収入を得ているということであれば、「住居を提供」して社会に貢献し(管理会社にしてしまえば「労働」していることにはなりますね)、家賃収入から【納税】することで、国民の義務を立派に果たしていることにはなります。
その収入で、高級外車に乗り、高級店で外食し、高級ブランドで身を固め、毎週知人を呼んでのホームパーティーを行い、季節ごとに海外旅行へ行き、思い付きで国内旅行に行くなど、日々を大満喫していたとしても、何ら問題はありません。
ですが、私が言いたいのはそういうことではなく、そもそも
「働かざる者 食うべからず」
は、国家が国民を管理するための「方便」だと思っています。
「企業に雇われ一生懸命働き、納税する労働者」
を国民の理想の姿と考えているわけですから、「不労所得」で生きていく層については、推奨はしないにしても、「高額納税」をしてくれる富裕層として管理できればいいわけです。
3.ではどの形が理想なのか?
まずは
「働かざる者 食うべからず」は廃止
「勤労の義務」は廃止(※権利は認める)
これによって、今の社会で「弱者」とされている人たちが、偏見や差別を受けることが減るはずです。
「生産性がない」
「使えない」
「我々の税金で食わしてもらっているくせに」
などといった、悲しい言葉も考え方もきっと減ることでしょう。
そして、次に必要なのは、この「働かざる者 食うべからず」に代わる国家の理念を、すべての人が安心して暮らせる社会になるようなものにすることです。
そうすると、長時間労働も、非正規雇用も解決するかもしれません。
UBI(ユニバーサルベーシックインカム)が実現すれば、こんな社会になることも可能かもしれません。
4時間週3回は「労働」するが、残りの時間は「趣味」と「社会貢献活動」にあてるとか。
そうです、今や危機的状況にある、「町内会」とか、再生するかもしれません。だって、時間と心にゆとりのある人が増えますから。
もしかしたら先ほどの「不労所得」を得て生活している方々も、自身に興味のある【ボランティア】【社会活動】【芸術活動】に力を入れてくれるかもしれません。だって、「今だけ金だけ自分だけ」の社会ではないですから。
では、どのような国家理念だと、こんな素敵な人々が増えるのか?
これについては、次回書きたいと思います。
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