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サザンクロス ラプソディー

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1986年から1993年までの、オーストラリアのシドニーを舞台にした一人の日本人の物語
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記事一覧

『サザンクロス ラプソディー』vol.37

「あれっ? ツグミ、何やってんのこんなところで!」 ロンドンから戻ってきた俺は、シドニー…

鯱寿典
3か月前
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『サザンクロス ラプソディー』vol 1

ドリンクセットをテーブル席まで運んで並べようとした瞬間に、尻にペローンと誰かがさわってい…

鯱寿典
3年前
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『サザンクロス ラプソディー』 vol 2

ある日、俺とタカが仕事を終えて帰ろうとすると、店の入っているビルの1階の入口で、ニュージ…

鯱寿典
3年前
103

『サザンクロス ラプソディー』 vol 3

ミサが話があるというので、ふたりでボンダイビーチの砂浜を横切って、彼女の住んでいるフラッ…

鯱寿典
3年前
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『サザンクロス ラプソディー』vol 4

ある日の夜、店のなかは、ある一団の来店で異様な雰囲気に包まれていた。 地元のその筋のボス…

鯱寿典
3年前
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『サザンクロス ラプソディー』 vol 5

レイラは、イブがニュージーランドにいた頃の大親友だ。 彼女は24歳、俺と同い年。 今は、メル…

鯱寿典
3年前
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『サザンクロス ラプソディー』 vol 6

ミサに頼まれていた、外国人の友だちを紹介してくれという要望に答えて、マックスと言うオーストラリア人を紹介することにした。 今日は、12月31日。夜7時。 ミサのフラットで彼女が手料理を振る舞ってくれる。 エイイチとケンゾウはそれぞれの友だちと年越しを祝うそうで、ここにはいなかった。 俺とイブとマックスの3人でミサのフラットに押しかけていた。 「さあ、入って」 今夜のミサは、薄く化粧もして、明らかに大人の女性を意識させる雰囲気を纏っていた。 ミサのスカート姿なんて初めて

『サザンクロス ラプソディー』 vol 7

夜11時過ぎにイブはブッシュウォーキングから帰ってきた。 「あーっ、楽しかった」 悪びれる…

鯱寿典
3年前
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『サザンクロス ラプソディー』 vol 8

「ヤマ。じゃあ、わたしたち出かけるから」 「ああ、楽しんでね」 今日もイブとキャシーのふ…

鯱寿典
3年前
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『サザンクロス ラプソディー』vol 9

今日はクラブのマスターとママのお引っ越しに、俺とタカ、それからホステスのエミリーとジャネ…

鯱寿典
3年前
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『サザンクロス ラプソディー』vol 10

オーナーのユキさんが料理長をやり始めたことに伴い、それまでいたオーストラリア人の料理人た…

鯱寿典
3年前
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『サザンクロス ラプソディー』vol 11

イブと別れてから1ヶ月が過ぎていた。 俺は相変わらずユキさんの店で仕事を続けている。 い…

鯱寿典
3年前
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『サザンクロス ラプソディー 』vol 12

俺がいつもの小カジノのスロットマシンで遊んでいると、マイがやって来た。 「ヤマさん。相談…

鯱寿典
3年前
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『サザンクロス ラプソディー』vol.13

サーフィンをするサンタクロースが、例年話題になるこの時期、俺の勤めている店は12月25日からクリスマスホリデーに入った。 1月5日まで休みだ。 地元密着型のこのレストランは、ホテルなどに入っている日本食レストランとは違い、この時期は長期の休みを取る。 というか、ユキさんがクリスマスホリデーを満喫したいというのが一番の理由だ。 仕事のオンとオフの切り替えを大事にしている人だった。 厨房の連中はそれぞれのルームメイトや友だち連中と予定していた旅行に行くという。 マイとアカネ