見出し画像

運動はうつ病の私に何をもたらすのか

 どうも、この背中にうつ病と糖尿病を背負っているゴリラ先生です。

 うつ病になるとありとあらゆることに対する気力が消失します。外になんて出たくないし、人になんて会いたくない。朝ベッドから起き上がるのも、顔を洗うのも、お風呂に入るのも、トイレに行くのも、ご飯を食べることだってできない。したくないとかいうレベルでなく、それをしようという気持ち自体が消え失せるのです。私の場合はストレスがかかるとまず食欲がお亡くなりになります。お腹は減るのに食べ物を前にすると体が拒否する感じです。こうなると高確率でやばいので休むしかありません。

 そういう人間から気力を奪う病気を患っていながら、どうしてわざわざエネルギーの必要な筋トレという行為をするのか。誤解のないように言っておくと、私もうつ状態がひどい時にはさすがに筋トレできません。その状態から抜け出すには、休むしかないのです。しかし、休んである程度回復したらジムに出かけます。いったい筋トレは私に何をもたらしてくれているのか。3つ挙げてみます。

①自分を肯定しやすくなる

 うつ病をはじめとした精神疾患で苦しむのが、自尊感情の低下です。「今日も何もできなかった」「一日中寝てばかりいる自分はなんてダメなんだ」こんな感情がぐるぐると渦巻いて、自分のことを大切にできなくなっていきます。この感情は病気の症状の1つなので、薬に上手に頼ったりして軽減していくことができます。ただし、その薬に頼る中で副作用として体重が増えたり、療養生活による活動量の低下が原因で体型が崩れたりしがちにもなります。ただでさえ気分が塞いで憂鬱なのに、鏡に映る自分が日に日に太っていったりしたらどうでしょうか。とっても余計な追い打ちですよね。

 人間だれしもある程度は見た目を気にして生きていると思いますので、体型は自尊感情にダイレクトに響いてきます。よりよい体型とまではいかなくても、せめて現状を維持できれば自尊感情の低下を抑えることができると思います。おすすめは筋トレですが、ウォーキングや水泳など自分が取り組みやすいと感じる運動で体型を管理するというのは病気療養においてもっと注目されて良い点ではないかなぁと思っています。

②各種脳内ホルモンにより気分が楽になる

 筋トレをすることによって、脳内では様々なホルモンが分泌されます。成長ホルモン、テストステロン、セロトニン、ドーパミン、エンドルフィンといったもので、気分を高揚させてくれたり、幸福感を感じさせてくれたりします。憂鬱な気分を身体の中から緩和してくれるのです。

 僕の場合も、朝起きて気分が優れないなぁと思っていても、ジムで身体を動かしているうちに段々と楽になってきて、帰るころには気分爽快でスッキリしていることがよくあります。脳内麻薬と言われるだけあって、これらのホルモンのもたらす安定感は絶大です。もはやこの効果を得るためだけにジムに向かうこともあるくらいです。頭痛を消すために痛み止めを飲んだりしますが、例えばエンドルフィンにはモルヒネの数倍の鎮痛効果があるとされているなど、薬にも引けを取らない効果があります。心の痛みを消すために筋トレをするのもいいかもしれません。

③マインドフルネスの状態を得られる

 マインドフルネスという言葉はご存じでしょうか。自分の意識が今この瞬間に集中している状態のことを指す言葉です。毎日の生活の中で「あのときこうすればよかったなぁ」とか「この先自分はどうなるんだろう」とか、過去や未来のことに心を奪われているときってありませんか?こういうときに心は不安定になります。過ぎてしまったこともまだ起こってないことも、考えたって仕方ないのに、思考がぐるぐる回ってしまうのは苦しいです。

 しかし、筋トレなどの運動をしているときは基本的に今のことだけに集中していられます。このダンベルをあと一回持ち上げてやろう!とじっと一点を見つめている瞬間、余計な雑念は消え、頭の中が空白になります。舞い上がっていた埃が静まっていくように、すーっと心が穏やかになっていくのを鮮やかに感じられるのです。この空白の中にいるときがマインドフルネスの状態であり、心がもっとも安らぐ瞬間です。作家の村上春樹さんも一日一時間ほどのランニングを日課にしているそうですが、世界的なビジネスエリートたちにもこの瞬間を求めて運動習慣を持っている人たちがたくさんいます。

まとめ

 筋トレと聞くと、キツいとかツラいとかいったイメージが先行しがちだと思いますが、結局のところ私は心の平穏を手に入れるために筋トレをしているということになるのだと思います。筋トレをして身体的には疲れを感じる部分もありますが、心は癒やされています。例えうつ病などの精神疾患に苦しんでいても、もし病状が許すのならば、自分の好みの運動で心の平穏を手に入れてみられてはいかがでしょうか。そこまで行かなくても、日々のストレスで心を消耗している方、明日の元気のためにあえて運動をして心にエネルギーを溜めてみるのも良いかもしれません。

 最後まで読んでくださったあなた、ありがとう。またお会いしましょう。


いいなと思ったら応援しよう!