見出し画像

もしも1年後、この世にいないとしたら。


清水研 著 文響社

【目次】
序章 がんは体だけでなく心も苦しめる
第1章 苦しみを癒すのに必要なのは、悲しむこと
第2章 誰もが持っているレジリエンスの力
第3章 人は死の直前になって、心のままに生きてないことに気づく
第4章 今日を大切にするために、自分の「want」に向き合う
第5章 死を見つめることは、どう生きるかを見つめること

この本は奥さんが離れて暮らす長女へプレゼントするために買ってきた本だ。

国立がん研究センターで、がん患者さん3500人以上の方の 話を聞いてきた精神科医、清水研氏が伝えたい死ぬときに後悔しない生き方

著者について

1971年生まれ。精神科医・医学博士。金沢大学卒業後、都立荏原病院での内科研修、国立精神・神経センター武蔵病院、都立豊島病院での一般精神科研修を経て、2003年、国立がんセンター東病院精神腫瘍科レジデント。以降一貫してがん患者およびその家族の診療を担当している。2006年、国立がんセンター(現:国立がん研究センター)中央病院精神腫瘍科勤務となる。現在、同病院精神腫瘍科長。日本総合病院精神医学会専門医・指導医。日本精神神経学会専門医・指導医。

おすすめポイント3選

①人生は1回きりの旅である

自分のことを「want」の自分と「must」の自分として考える。
そして、「want」の自分こそ本当の自分であるとして大切にしたほうがよい。と書かれている。今日という1日を大切にするために、自分の「want」に向き合っていきたいものだ。

②健康はいつかは失われるものという意識を心の片隅にもっておく

人間はどんなに健康を目指しても、病気や老い、事故や天災など、健康はいつ失われるかわからないもの。ましてや死にむかって生きている以上、体の老いは避けることはできない。いつかは失われるものという現実を思い出すと、今という時間がいとおしく思えるだろう。

③様変わりした現実をどう過ごしたら、そこに意味を見いだせるのかを考える

もしも病気や怪我でこれまでの健康的な生活が失われたとする。そこから人間はどのように立ち直るのだろうか?困難やショックに見舞われたあと、「心的外傷後成長」が起こるという。それは

  1. 人生に対する感謝

  2. 新たな視点(可能性)

  3. 他者との関係の変化

  4. 人間としての強さ

  5. 精神性的変容

こうした前向きな感情と、「健康で平和な毎日が失われたという喪失」を同時進行で繰り返す。切り替えではなく、グラデーションのイメージ。

そしてあるタイミングで、将来のために「今」を犠牲にしていたことに気がつくという。

感想

この本を読んで一番心に残ったことは、将来のために「今」を犠牲にしてはいけないということだ。人生はいつなにがおきて、命が終わるかわからない。今日と同じように明日も生きられるかどうかなんて、なんの保証もないのだ。この現実から目を背けないで、どんな人生を生きたいのか明確にすることが大事だと感じた。そして、幸せに生きるためには必要なことは「生死に対する考え方と感謝する気持ちを忘れないこと」だ。自分が病気になったり、事故で突然死ぬなんて、健康な人ならそう簡単にイメージできることではない。あまり考えたくもないだろう。とはいえ、命の現実は間違いなくこうしている今も「死」に向かって生きている。目を背けずに、より良く生きるためには、しっかりと向き合うべきだ。深く考えるきっかけをくれた一冊でした。

ではまた☆




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?