頭寒足熱と腸の温活

幸手市にある「風ある林整骨院」です。これまで実際にあった症例と、施術/施術後の様子を書いています。

今回は、この寒い時期に特に大切な “ 頭寒足熱 ” についてです。

“ 頭寒足熱 ” という言葉をご存じの方は多いと思いますが、その意味は「足元はぽかぽかに、頭は冷たく」と理解されているかと思います。

間違ってはいないのですが、体温が低くなりがちな下半身と、体温が比較的高くなる上半身との “ 体温の差が少ないことが健康的 ” ということが真意のようです。

これまで施術をしてきて、上半身が冷たく下半身が温かいという方は、いませんでした。
自律神経が乱れている場合であれば「手足が冷え、頭や顔がのぼせてぽっぽしている」状態ですし、腰痛の方は「腰下肢の血行が悪く冷えている」といった状態。
不調のある方は身体全体の体温のバランスが取れていないと感じています。

そこで、知る人ぞ知る“頭寒足熱”の医学的な根拠とは？と疑問になり、少し調べてみることにしました。

すると、18世紀のオランダの名医：ブールハーフェが、厳重に封印していた蔵書「医学の無類にしてもっとも深い秘密」に書き記していた話に行き当たりました。

ちょっと怪しい雰囲気です。

厳重に封印されたその秘密の蔵書は、彼の死後に同僚の医師たちによって封印を解かれたそうですが、期待に胸躍らせて開いた、最初のページに書かれていたものは、

「Keep the head cool ,  the feet warm , the bowels free」

と、たった１行。
あとのページには何も書かれていなかったそうです。
これを日本語に直訳すると

「頭は冷やし、足は温かく、腸は空に」

となることから、当時の日本の蘭学者が、唯一の交易国であったオランダの医学書を素直に訳し、医学の真髄として伝えたのではないかと言うのです。

ところがこの話は一転、ブールハーフェが書き遺す以前に遡ることに。
なんとこの言葉は、イギリスの有名人：トーマス・パーが長寿の秘訣を尋ねれれた際に残した名言(英語)でした。

「Keep your head cool by temperance and your feet warm by exercise」

「腹を立てずに常に冷静で、物事には行動力をもって取り組みなさい」

このトーマスの名言を、ブールハーフェがオランダ語に訳し、さらにそれを日本人蘭学者が訳したという経緯をたどり、訳されるうちに本来の意味から表面的な直訳だけが残っていったようです。

さて、経緯はともあれ、元々は長寿の秘訣 ( 思想や行動の意味合い ) だったということです。
言葉の由来は少し分かってきました。では、医学的な根拠はどうなのでしょう？ますます気になります。

一般的に、身体が冷えることで風邪をひくとは考えられているものの、その関連性について科学的な根拠は一切証明はされていないとのこと。
科学的根拠がないとは、改めてびっくりしましたが、何でも解明されているようで意外とそんなものなのかも知れません。
とはいえ、身体全体の体温が保たれ、血液循環が末端まで行き届いてることは、健康維持のためにも、免疫の観点からも大切だと思います。

ふと、ここで気になるのが、トーマスの名言に「腹」という言葉、ブールハーフェの書き遺したものに「腸」という言葉が登場しているところです。
日本風に言い換えるなら「腹八分目」「腸を空に腹を立てず」でしょうか。

「腸」が免疫などに影響しているということは、すでにご存じかと思います。腸内で生成される”幸せホルモン＝セロトニン”は特に有名ですね。
セロトニンは、不足するとうつ病や慢性疲労症候群などを誘発すると言われているほど、大切なホルモンです。

近頃は「腸内フローラ」と腸内環境を表す言葉も有名になりました。
腸内環境が整うことで、長寿や健康はもちろん、アレルギーの抑制になるとも言われています。

おなかも大事ですね。“頭寒足熱”にプラスして“頭寒腸熱足熱”、そして身体全体を温めて健康に冬を乗り切りたいものです。

この寒い時期に、当院では、身体の部分的な冷えが気になる方の場合、施術時に当院オリジナルの「ホットパック」を乗せて冷えている部分を温めます。リラックス効果のあるラベンダーの香りがほんのり。

おなか/腰用の他に、肩や目に使用することもあります。
温めて繰り返し使えるエコロジーなホットパックなのですが…
さて、この中身は何が入っているでしょう？
３択問題です。

１．あずき　２．ジェル　３．砂

正解は、３．砂　でした！

自然の砂を衛生処理して使っています。レンジで温めれば、長い時間やさしい温度を保てるため、使い捨てないカイロとして活躍しています。

冷えやすいところは、カイロなどで温めて補い、身体全体の体温を平均的に保って寒い冬を乗り越えましょう。

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