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読書記録『錦繍』宮本輝

どーも、かざまさです。


読書記録は手帳につけているのですが、こっちにも残そうかと思います。
良作は共有したいので。


宮本輝の『錦繍』です。


あらすじ

とある事件によって、愛し合いながらも別れた夫婦が、偶然にも蔵王で再会する。
それをきっかけに文通でのやり取りが始まる。
二人の過去と現在が、文通の中で紡がれていく。


手に取ったきっかけ

人に宮本輝をおすすめされて。
この作品にしたのは、ビビッときたので。


心に残った言葉

命を奪うことが、最も悪いことだ。
人の命だけでなく、自分で自分の命を絶つことも同じなのだ。

引用:『錦繍』 164ページより

この言葉は、作中に出てくるとあるお婆ちゃんの言葉です。
お婆ちゃんは、戦争で亡くなった子どもたちにまた会えると思っています。
きっと生まれ変わって、人間として、目の前に現れるだろうと。
しかし、自ら命を絶っていた場合、もう二度と人間に生まれ変わることができないと信じています。

自ら命を絶つ行為の重さ、もう二度と会えない切なさを感じました。
もしも大切な人が命を絶とうとしていたら、力づくでも止めようと思いました。
もう二度と会えなくなってしまうから。

人間は変わって行く。
時々刻々と変わって行く不思議な生き物やなァ

引用:『錦繍』 105ページより

この言葉は、作中の父の言葉です。
人間は、いつまでも同じではない。
良くも悪くも変化していく。

ずっと変わらない人もいるが、きっと見えない部分が変わっているのだと思います。
昔苦手だった人に再開してみたら、意外と平気だったとか、あるよね。



感想

とても美しい物語でした。
手紙のやり取りとは思えないほど、読みながら情景が想像出来ました。
今は手紙を使わずにやり取りするようになりましたが、手紙ゆえの丁寧な表現や優しさを感じられました。
内容は、読み始めた時からは考えられないほど、人の「生」と「死」の話でした。
それでも凄く重い話という訳でもなく、優しい気持ちになりながら読みました。
なぜだか、この物語が、私の心に深く刻まれています。
この作品を手に取って、本当に良かった。

久々に友達か親にでも、手紙を書こうかと思いました。
愛する人を大切にしようと、改めて思いました。
でも、男の浮気を許すのは、自分には出来ないなぁ……。


読書記録をこういう所に付けたのは初めてなので、こうした方がいいとかあればコメント頂けますと幸いです。



おわり

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