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アプローチの中で大切にしていること〜第2書章:病院から現場へ出てからの変化〜

こんにちは!
前回の投稿から少し間が空いてしまいました。
前回は私のアプローチの考え方の変化というテーマで、大学時代から病院勤務時代での記事を書きました。
今回は、病院から現在のチームに入って以降のリハビリに対する考え方の変化について書いていこうと思います。
2019年に入団し今年で6年目を迎え(2024年現在)、思い返すと常に課題がある中で色々と模索しながら自分のアプローチの考え方も変わってきているなと感じます。
まだまだ課題はつきませんが、現時点までの振り返りとして記録に残しながら、これからスポーツ現場に出ようと考えている方や、現在すでに活動されていて私と同じような課題を感じている方がいれば、そのような方々の何かのヒントになれば幸いです。


①入団後に感じた病院とのギャップ

2019年に入団し、私はリハビリ部門とストレングス部門の兼任という配置となりました。
当時、私はチームのトレーナーグループ内でも年齢が若かったこともあり、雑用も含めていろんな部門の仕事を任せていただきました。
2つの部門の仕事を兼任していたので業務量がかなり多く、今思い出してもかなり苦労したことを覚えています。。。
#キャンプ中は椅子に座ってパソコン作業しながら寝落ちしていました

このストレングス部門での大変だったことも沢山ありますが、今回は長くなりそうなので置いておきます。笑

さて、リハビリ部門での仕事ですが、
入団してすぐリハビリ選手を見ることとなるのですが、まず初めに直面した課題は「トレーニング強度」の面です。🏋️‍♀️
病院時代にもアマチュアではありますが選手のリハビリをしていたり、業務外でトレーナー活動をしている中でアスリハの部分に関わることはありましたが、やはりアマチュアとプロでは圧倒的にトレーニングの強度が違いました。
#たいていのトレーニングは楽々にできてしまう
#さすがプロです

とはいえ、リハビリの初期は病院と行うことは大きく変わらないので、初期の頃は比較的スムーズに進めることができました。
課題が見え始めたのは、ある程度動けるようになってきてスキル系の練習が入ってくる頃でした。
例えば、野手のハムストリングスの肉離れの選手で言えば、スパイクを履いてスプリントを行う時期であったり、ノックに入ったりする時期、投手の肩肘のケガの選手であればブルペンに入っていく時期で、患部の張りが出たり、パフォーマンスがなかなか上がらない、、、という課題が出てきました。

今、思い返してみると患部の治療に時間を多めに割いていて、張りが出ないようにと負荷を上げすぎずに進めていたため、初期の頃はスムーズに進んでいたのですが、運動の強度が上がったタイミングでエラーが出ていたのだと反省しています。

当時の上司にも、一緒に選手のリハビリを見ている中で、
「全然、本来の出力が出てないね」
「リハビリの中での強度が足りなすぎるよ」
と厳しいアドバイスをいただき、反省と同時に自分自身の力のなさに悔しい想いが募ったのを鮮明に覚えています。
その経験から学んだことは、「スキル練習よりもトレーニング強度を先行させる」という教訓です。

この点は、自分自身が病院から現場に出て苦労した部分でもあり、これまで自分と同じように病院から現場に出てきた他のトレーナーの方々を見ていても、共通して初めに苦労しているポイントだと感じています。
この教訓は現在、リハビリ選手を見ている中でも意識しているポイントです。

②うまくいったと思ったらすぐ次の課題が、、、

先ほど書いたような教訓から、リハビリの中でトレーニング強度を確保しながら進めていくことで、以前ほどスキル練習に移行した時のエラーは起きづらくなりました。

しかし、ほっとしたのは束の間。
次に出てきた課題は、チームに合流しゲーム復帰した後、連戦を続けていき疲労が溜まってきた頃に、やはり同じように張りが出やすくなったり、翌年にまた同じケガを繰り返してしまうケースが出てきました。
#一つ解決すると次の課題が出てくる

このようなケースは、アスリートのリハビリを経験したことがある方なら、何度も経験したことがあると思いますし、その原因にはいろんな要因があり、ある特定の要因だけでは語れないことがあることは重々承知の上です。
#筋力要素、体力要素、スキル要素、リカバリー不足etc…

しかし、そんな中で私がそのような傾向にならないためのポイントとして考えているのが”リハビリの段階で動きの改善がされているかどうか”ということです。

これはどういうことかというと、
初めの課題としてあった”患部の強化”という部分がクリアされたとしても、”原因となった動きは改善されていないケースがある”ということです。

スポーツ障害の多くは、単なる「筋力不足」が原因で生じるものだけでなく、「オーバーユース」や「ミスユース」といったものが原因で起こるものが多いと考えています。
特に投球障害に関しては「ミスユース」の要因もかなり影響を受ける障害であると思います。
また、肉離れに関しては一般的な分類で言えば、一度の大きな力によって生じる「外傷」の部類に含まれることも多いですが、私個人的な考えでは、ある特定の部位に負担がかかるような動作的な問題があり、それが繰り返されることで筋疲労や筋力低下が発生し、その結果としてあるタイミングで大きな外力が加わった際に受傷する、、、というバックグラウンドがあると考えています。
つまり、肉離れも「スポーツ障害」に似てる部分があり、「ミスユース」つまり、動作エラーを改善しなければ、いくら筋力が改善されたとしてもまた繰り返してしまう可能性が高い疾患であると感じています。

このように感じ始めたのは、偶然にも私が受け持つ選手が「肉離れ」の選手が多く、同じような重症度でもリハビリがスムーズにいくケースと難渋するケースがあり、やっていることはおおよそ同じ流れなのにナゼだろうと感じていたからです。
そして、リハビリがスムーズにいく選手に共通していたことは、「動きのコントロールがうまいこと」や「動きの再現性が高いこと」「出力のコントロールがうまいこと」といった傾向があるように感じていました。(私の主観的な感覚も入っています)

これらの選手では、あるトレーニングを指導した際のエラーへの修正能力が高く、自らエラーに気づき、わずかな指示、もしくはこちらが何も言わずともエラーの修正ができることが多いです。

(あるトレーニングをやって)
「ここの動きができないんですよね」・・・自らエラーに気づく
「あ!こうすればできますね!」・・・自らエラーを修正できる

特に1軍からケガで降りてきた選手や”一流”と言われるような選手たちは、この感覚がずば抜けて高いと感じます。
逆にリハビリに難渋するケースの選手では、動作コントロールに対する感覚が鈍く、そもそもエラーが起きていることに気づかない、動作に対するフィードバックをかなり与えないと動きの修正がなされない、というケースも多いと感じます。

そのような現場での経験もあり、現在の私のアプローチの中で意識しているのは、”強化”はもちろん、その中でも”動きの質を改善をする=動きのクオリティを高める”ということは、ここ数年特に意識しているポイントになります。


③動きのクオリティをどのように向上させていくか

最後に、ではどのように先ほど挙げた、”動きの質を改善”、”動きのクオリティを高める”ということをしていくのか。

いくつかポイントはありますが、一つは患部だけではなく患部外、とくに体幹部へのアプローチは重要だと考えています。

それは、先ほど述べたようにスポーツ障害の多くは、患部の問題だけで起きていることは少なく、どこかしらのエラーが起きた結果、障害が起きている部位にストレスが蓄積して結果として生じているケースが多いと考えているからです。(もちろん体幹だけではありませんが)
例えば、ハムストリングス肉離れなどのケースでは、最終的にはランニング動作の改善も含めたアプローチが大切になってくるわけですが、その時にハムストリングスの強化のみでは、動作の改善に至るケースは少ないです。
そのため患部の強化は当然行いながら、同時に並行して”ランニング動作改善のためのアプローチ”も行っていく必要があります。
その中で、いわゆるウォールドリルやランニングドリルのようなフィールドレベルで行うようなメニューの中で動作が改善されていくこともあれば、そもそも体幹を固定させた状態で股関節を分離して動かすことができないような機能レベルであれば、そちらにフォーカスしたトレーニングを行っていく必要があります。
#股関節を屈曲させる時に腰椎の屈曲が過剰に出たり
#股関節の伸展に伴って腰椎の伸展の代償が出たり

フィールドレベルでのドリルやスキルトレーニングというのは、複合的な動きで構成されることが多いです。最終的にはそのような動作の中で動きのトレーニングを行っていかなければなりませんが、そもそもの機能レベルが低い選手にとっては代償運動による動作エラーが生じやすいというデメリットもあります。

なので、その選手のレベルに応じてフィールドレベルでのトレーニングで動作を改善させていくのか、それとも少し段階を落としたレベルのトレーニングから動作を改善していく方がいいのかは判断する必要があると考えています。

その中で体幹部を含めた動作改善のためのアプローチは、どのような疾患に対しても共通して必要となる部分だと考えているため、現在の私のアプローチのポイントとなっています。



あまりまとまりのない文章になってしまいましたが。
私が2019年に現在のチームに入り、リハビリ選手を見る中で、病院時代には経験することがなかった課題に直面し、日々、それらをどうしたら解決できるのかと考えながら今に至ります。
こうして文章を書いている今もなお、課題は無くなることはありません。
日々、現場の中で学ぶことばかりです。

そしてここ最近は、動きの改善を目指すのに当たり、「運動学習」の考え方や、「感覚入力」の大切さ、「アフォーダンス」といった私たちの周りの”環境”がどのように動作へ影響を及ぼすか、といった考え方などもトレーニングのアプローチ中に含めながら指導をしています。
このあたりについての内容も今後、どこかのタイミングで書いていければと思います。

長くなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました!
同じような悩みを持つ方の参考になれば幸いです。

コンテンツご覧いただきありがとうございます。頂いたサポートを励みに今後さらなる有益なコンテンツの作成に役立たせていただきます。今後ともよろしくお願いいたします!