【#10】時間軸を未来に向ける。
▶︎拒食症発症からの振り返り・・・
2021年8月、一人暮らし先から夏休みに帰省し、
拒食症を発症していることに気づく。
低体重だけでなく徐脈で低体温、
いつ心臓が止まってもおかしくない状況で
即入院する必要があった。
しかし新型コロナの影響で病床に空きがなく、
空きが出るまで自宅で絶対安静待機。
母子家庭のため、娘の側に居られるのは私だけであるので仕事を退職。
入院が決まり、9月〜10月頭まで入院治療。
入院することで、食事ができるようになった。
出された病院食は全て完食。
しかし、体重を増加させるため
病院食では揚げ物が毎日出されるなど、
通常の食生活に合わない部分も多く、
吐きたい衝動に駆られたり、
精神的な負担が大きかったので、退院を決意。
大学は休学し、退院後は好きなことに没頭しながら、
好きなものを好きなだけ食べる方針で、
体重やカロリーなどの数字は一切見ずに、
あらゆるこだわりから自分を解放することを
常に意識して過ごすようにする。
▶︎常に自分自身の心の声と対話(現在)
4月からの大学復学を目前にして、
食べる量は、家族と同じにも関わらず
体重の増加はほぼ無く、横ばい。
しかし1番の変化は、
好きなものを心からおいしいと感じながら
喜びで目一杯食べられるようになったこと。
また、夢を実現させるため、
好きなことに没頭できる時間を確保できたことで、
心が満たされ常に明るく前向きな状態になった。
今まで自分自身を縛ってきた
強すぎるこだわりや強迫観念と
しっかり向き合いながら、
本当は自分がどうありたいのか?と
自分自身に素直に正直になって
行動できるようになってきた様子。
自分自身に丁寧に向き合えるようになった。
そして、痩せすぎなガリガリの自分を見て
以前は違和感ないと言っていたが、
現在は、年齢よりかなり老けて見えるし
ほうれい線が目立つことに嫌悪する。
なので、自ら食事の量を増やし
前向きな自己管理をしている状態。
▶︎未来に時間軸を置いている
「もう、過去の自分には戻りたくないから」と
現状と未来の自分に重きをおいて過ごしている様子。
自分のガリガリを見ながら
早くお肉をつけたいと言いつつも
「拒食症にならなかったら
こんなガリガリは見られへんから
良い経験になったわ。笑」とまで。
そして、未来の夢を実現させるためには
絶対必要だった自分改革だと
今回の拒食症になってしまった経験を
前向きに捉えている。
「私はここまでの経験をしなければ
頑固な自分自身を変えることなんて
出来なかっただろうから」と。。。
それは、未来の夢を実現させるにふさわしい器を
手にするための経験だったということなのかもしれない。
経験すべくして経験したことなのだろう。
▶︎親としてできること。
拒食症から体重を元に戻すには
相当な食事量をこなす必要があることが理解できた。
体重だけを見れば
4月からの復学と一人暮らしは
正直まだまだ不安である。
しかし、前述のように
娘自身の心が元気で前向き
かつ、診察と血液検査の結果も
大きな問題はなかったので、
娘を信じて送り出そうと思っている。
ただ、完治したわけではないので
半年に一度の診察は続けながら、
離れていても常に気にかけつつ、
何かあればすぐに動ける体制でいようと
覚悟だけはしている。
結局、人はみんな、自分自身で体験して
そこから何かを学んで気づきを得て
成長していくものだから
娘が拒食症になったことは否定しない。
一番大切なのは、
本人がどうしたいか?
どうありたいのか?
そこに自ら気づく為の経験だったと思うから。
だから親としてできる最大限のことは、
子どもが心から望む方向を否定せず、
子どもの本心に寄り添いサポートすること。
そしてもし、行き先に危険が生じたなら、
その危険を取り除き、
安全な状態に導いてあげること。
そんなことを、今回の娘との関わりの中で
改めて実感している。