生米からつくる「うるい粥」のレシピ
アクがなく、使いやすい山菜の代表格「うるい」を使ったおかゆを作りました!
うるいの食感は長ネギのよう。生で食べるとシャッキシャキです。
お味はさっぱりした葉物という感じで、山菜特有の苦味はほんのり程度。独特のぬめりが美味です。香りや味というよりは、シャキシャキ食感とぬめりをたのしむ食材と考えて良いかもしれません。
そんなうるいの特徴を生かしたおかゆを作るポイントは、二度に分けて入れること。
半分はぬめり生かすためにおかゆに混ぜ込みます。もう半分はシャキシャキ感を楽しむために、生で上にのせます。トゥルッとシャキシャキ、豊かなうるいの表情を一皿でたのしむ欲張り仕様です。
強い生命力を持った山菜をいただくと、なんだかふつふつと元気がわいてきます。寒さに耐えて芽を出した、パワフルな春の力をありがた〜くいただきましょう。
山菜パワーをいただきます「うるい粥」
生米からつくるので、炊いたご飯のストックがなくても大丈夫。じっくり火を入れるため、ふっくらおいしいおかゆになります。完成まで50分〜1時間ほどかかりますが、多くの時間は放置ができるのでそれほど手間はかかりません。
記事の後半では写真とともに詳しい作り方をご説明いたします!
【 材料 】(2人前)
▶︎ 米 ・・・半合(90ml)
▶︎ 水 ・・・700ml
▶︎ じゃこ* ・・・ふたつまみ
▶︎ うるい ・・・2本
▶︎ 塩 ・・・小さじ1/3
お好みで
▷ 白ごま など
*じゃこはお出汁代わりに入れました。
代わりに桜えび(ふたつまみ)か、顆粒の和風だし(小さじ1)でもおいしくできます◎
【 レシピ 】
①厚手の鍋によく研いだ米、じゃこ、水700mlを入れる。
②鍋を中火にかける。このときフタはしない。
うるい1本を1〜2cm幅に切っておく。(→混ぜ込む用)
もう1本は株をばらして、白髪ねぎのように切っておく。葉を2枚、残しておく。(→トッピング用)
③お鍋が沸いたら、鍋底から米粒をはがすようにおたまでゆっくりまぜる。
鍋にお箸を渡してフタをした状態で弱火に30分かける。
④塩で味をととのえる。鍋全体をゆっくりとまぜて火を止める。
混ぜ込む用のうるいも混ぜ込み、フタをして10分蒸らす。
トッピング用のうるいとともに器にもりつけたら、完成!
【 つくりかた (写真つき)】
ここからは写真とともに詳しい作り方を解説いたします!
①準備
水がにごらなくなるまで、お米(半合)をていねいに研ぎます。
扱いやすい片手鍋を使っているので、お鍋の中で研いでしまっています。もちろん米とぎ専用のボウルやザルを使用しても◎
厚手のお鍋に、生米、じゃこ(ふたつまみ)、水700mlを入れます。
お鍋は土鍋でもOKです!大きめのお鍋の方が吹きこぼれにくいので、十分な大きさのある土鍋をご用意ください。また、雪平鍋など薄手のものは焦げ付きやすくなるので、全体的に火加減を弱めにしてください。
ちなみに……
「少々」は「親指・人さし指の2本の指でつまんだ量」。
「ひとつまみ」は「親指・人さし指・中指の3本の指でつまんだ量」を言います。
今回はじゃこを「ふたつまみ」なので、右の図のようにしてつまんだ2回分です。
(「指の太さって人それぞれじゃん!」「じゃこのしっぽが引っかかってめっちゃ取れることもありますけど〜?」等々、思うことはあるかもしれませんが、おかゆはそんなに繊細な料理ではないので、だいたいで大丈夫です◎笑)
②中火
用意ができたら、お鍋を中火にかけます。このときフタはしません。
中火は、炎の先端がちょうど鍋底につくくらいの強さです。しっかりと鍋の中心と火の中心を合わせることで、焦げ付きや加熱のムラを防ぐことができます。
お鍋の様子を見守りながら、うるいの下ごしらえをしておきます。
今回は1パックに4本入っていましたが、半分の2本を使います。
1本を1〜2cm幅に切っておきます。(→混ぜ込む用)
こちらはおかゆに混ぜ込む用です。ぬめりがよく出るように小さめにカットします。
もう1本は株をばらして、白髪ねぎのように切っておきます。(→トッピング用)
こちらは仕上げにおかゆの上に乗せる用。シャキシャキ食感を楽しむために繊維に沿ってカットします。
飾りとして、葉を2枚残しておくと良いです。
うるいは意外にも、葉っぱの部分よりも白っぽい部分の方が無味に近くなり、食べやすいです。葉の部分は若干のえぐみがあり、苦手に感じる方もいらっしゃるかもしれません。
端っこをちょこっと味見して「あ、葉っぱ苦手だわ」と思われたら、全部混ぜ込む用にしてしまうのも一案です。生でも食べられる食材なので、ぜひ一度味見を。
③弱火
表面の白い泡がポコポコとし始めたら、おたまで混ぜます。
鍋底に米粒が張りついているので、おたまではがすようにそ〜っとていねいに混ぜます。
吹きこぼれを防止するためにフタに菜箸をはさんだ状態で、30分間弱火にかけます。
写真のようにお箸をはさんでおけば吹きこぼれることはないので、目を離して大丈夫です。忘れないようにタイマーをセットしておきましょう。
④仕上
30分弱火にかけたら、お塩(小さじ1/3程度)を入れて全体を混ぜて、火を止めます。
全体の水分が均一になるようにゆっくり混ぜます。
混ぜ込む用のうるいをおかゆに混ぜ込み、10分間フタをして蒸らします。
すでに食べられる状態ではありますが、しっかり蒸らし時間を確保することで、よりふっくらとしたおかゆに仕上がります。
蒸らしが完了したら、トッピング用のうるいとともに器に盛りつけて完成です!
でで〜ん!鮮やかグリーン!
生のうるいはシャッキシャキで、混ぜ込んだうるいは程よい歯ごたえ。
とっても素直なお味で、じゃこの旨味ともよく合います。
おかゆのもったり感とうるいからぬめりが絡んで、とぅるっとした食感がたまらないです〜。おいし〜い…。
盛りつけは「葉っぱ → 白髪ねぎカットのうるい → 白ごま」の順で行いました。
このおかゆをみた夫が「おっ…おお〜……」と、若干、引いていて。
おかゆ慣れした夫も、奇抜な見た目に警戒をしたようです。笑
どうやら関西(奈良)出身の夫は、うるいを食べるのが初めてだったようです。私は関東(茨城)出身で、よく売っているおなじみの山菜という感覚です。「山かんぴょう」「ギンボ」「コレイ」と呼ぶ地域もあるそうです。
生のうるいに味噌をつけてシャキシャキ食べるの大好きです。酢味噌あえも最高です。
うるいは、擬宝珠(ギボウシ)というユリ科の植物の芽。
お店で手に入るうるいの多くは畑で栽培されたものですが、本来は川や沢沿いの落ち葉が積もっているようなところにで育つそうです。
成長すると、こんな花が咲くそうですよ!
花びらの線にも、葉っぱの面影がありますね〜!きれい!
こんなきれいな花を咲かせるために、寒さに耐えて耐えて耐えて、ぐにゅん!と出した芽を「うるいだ〜!いただきま〜す!」ですものね、人間って鬼ですよねえ……でもおいしいんですよねえ…
山菜系を食べるときは特に、いただきますに心をこめて。笑
春を感じるおかゆはこちらもおすすめです!
旬物をいただく贅沢は、一日をパッと彩ってくれます。
機会があればぜひ、おためしください!
今日も長〜いレシピを読んでくださってありがとうございました。
明日もおいしいおかゆを作ります。ごちそうさまでした!
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