【うつ・愛着障害】はじめて自分の気持ちを言う
自分の気持ちを言える人は、言えない人のフラストレーションは分からないんでしょうね。
言えない悩みと、言えないことによる人間関係のもやもやを、もういいかげんに手放してしまいたいです。
気持ちを言えない人は、言わないことのメリットと、言えないことのデメリットの間で苦しんでいるのです。
かつては言わない事によって安全圏に居られたけど、今ではその場所は、自分を閉じ込めて不自由にしている檻になっているんだなあ。
言いたい事を言えない人は、まず嫌われることを過剰に恐れているんでしょうね。
もう一つは、私の話はどうせ聞いてもらえないと思っている。
嫌われたらお終いだと思うのも、話を聞いてもらえないと思うのも、相手に力を与えて自分を無価値に感じているからです。
その態度は、相手よりも自分を下に置いている、とも言えます。
自分をそんなに低く見積もっていたなんて、悲しくなります。
私自身も自己表現に困難を感じていて、何か言おうとしても、身体は固まるし、頭は混乱して何も考えられなくなってストップがかかるのでした。
しかし、最近はストッパーが緩んできました。
ほんとうの自分の気持ちを言わなければ、自分と世界との繋がりを自ら遮断してしまうことになるけど、このままでいいのかと。
私が自分の言葉を外に出して表現しなければ、私が生きている、と言えないのではないか、と。
私は親や兄弟にも自分の気持ちを話したことがありませんでした。
機能不全の家族の中で自分の気持ちを言える機会はありませんでした。
が、ついに、自分のほんとうの気持ちを言うんだ、と意を決して姉にメールを書きました。
姉は原家族の中で唯一、話が通じそうな人でした。病的な家族の中で、健康さのある姉の存在は救いでした。
しかし、私たち姉妹は一緒にいる時からお互いに話すことがない家族だったために、お互いの情報を共有していないから、家族でありながらお互いのことは殆ど何も知りません。
姉は私のことは殆ど何も知らないのです。
その姉に「まだ話したことは無かったけど、私は二十年前から精神疾患の治療をしていて、この十月で回復のゴールに到達しました。今まっさらな気持ちで新しい人生を歩き出そうとしています」と書き始めた長文のメールを送りました。
そのなかで原家族のことを、私は初めて語りました。
機能不全家庭のなかでの私の苦しみや悲しみ、父と母への無念の思い、家族へのほんとうの願いと未来への提言をながながと。
姉から返事が来ました。
「メール、読みました。元気だったのね。良かった」
十二年ぶりに繋がりました。
三行の返事を見て、ちゃんと届いたことを確信しました。
これまで人と上手く繋がれた気がしなかったのは、気持ちに蓋をしていたから、コミュニケーションに齟齬が生じてしっくり噛み合わないのが原因だったのかも知れません。
ほんとうの自分の気持ちを言うと、相手の胸に真っ直ぐに届くことを知りました。
なんだ、こんな簡単なことで悩んでいたんだと、拍子抜けした気分です。
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