シュタイナー教師の子育て〜子離れ・親離れ
みんな出かける夏
年度末には長男がクラス旅行1週間。長男はその後、ドイツの友達のところへ。10日ほどのドイツ滞在。
次男は、長男がドイツから帰ってくるのと入れ違いで、スコットランドのフィンドホーンへ10日ほど。友達の家族旅行に同行します。
その後、夫、長男、次男3人で国内ハイキング旅行へ。私ひとりお留守番。
私をおいてみんな出かけちゃう。笑
(その後、家族旅行で私もでかけます。)
シュタイナー学校のクラス旅行
息子たちはイギリスとドイツのシュタイナー学校で育ちました。学校では、小学校3年生くらいから泊りがけのクラス旅行へいくようになりました。
小学校3年生は2泊3日の農場キャンプ。3年生で農業エポックがあったのに合わせて。初めての泊りがけのクラス旅行では、子どもたちの中には、お気に入りのぬいぐるみを抱えた子もいました。
その後、毎年泊りがけのクラス旅行があり、学年が上がるにつれて日程も長くなりました。小学校高学年では1週間ほどの旅行。
中学校では2週間の森林実習で2000本の植林作業をしました。バルト海で帆船に乗って航海実習。サバイバルキャンプやサイクリング旅行。
高等部(日本の中3〜)では、バイオダイナミック農場での農場実習。職業実習、そして卒業旅行。
どれも2−3週間の泊りがけ。
その間、親と子が直接話すことはなく、親から連絡があれば先生に連絡することになります。
こうやって、少しずつ親から離れることに慣れていきます。
同時に、親も、子どもから離れることに慣れていきます。
私の子育て〜子離れの仕方
私は、幼少期は子供たちとの時間を大切に過ごしました。衣食住に気を使い、子どもたちが育つ環境を整えました。そのために在宅で仕事をすることを選びました。
子どもが大きくなるにつれて、子供から離れる時間を意図的につくるようになりました。年々、家の外で仕事をする時間を少しずつ増やしていきました。
息子たちが小学校5年生くらいから、1週間以上家を留守にしてのカンファレンス参加、3週間ー6週間ほどの日本出張。・・・と、毎年何回か、家を長期間留守にするようにしました。
母親がいない時間をあえてつくり、母子の距離をわざと離すのです。母がいないと、子どもたちは「自分たちでなんとかやらないと!」という責任感を育ちます。そして「自分でできるんだ」という自信もできます。「ママがいなくても大丈夫」って。
子どもたちだけではありません。普段、妻に頼っている夫が、「自分が子どもたちを守らないと!」ととたんにしっかりします。笑
そう。やらなきゃいけないとなったら、夫も子どもたちも自分でなんとかするのです。普段から、かなり自立している息子たちではありましたが、母親がいないと、よりしっかりします。
母にとっても、大事なことです。家族だけでない自分自身の時間を大切にして、自分の生き方に主軸をおくことができる。
離れてみると、子どもたちも夫もかなりちゃんと生活のことをできるのがわかる。「私が世話してあげなきゃ」なんていうのは自分の思い込みだと実感できる。
「私がいなくてもなんとでもなるのね。」・・・ってことを知っていることは大事です。
母親は世話してあげる人ではない。母親は子どもを育てる人です。だから、母親の世話なんか必要なくなるくらいになったほうが母親として成功だと思います。
大事なものは世話より愛情。
母が留守にすると、世話する人としての母親なんか、いなくても大丈夫だとわかる。だけれど、離れているとちょっと寂しくて、母親が帰ってくると嬉しい。
母親にとってもそうですよね。自己承認欲求を満たしてくれる存在としての子ども(と夫)だから必要なのじゃなくて、大好きだから離れていると寂しい。
だから離れた時間で、どれだけ家族が大事な存在かということを実感して、愛情を再確認することになる。家に帰って再会したときには、もう、家族でラブラブです。
そんなふうに家族の愛情を再確認しつつ、それぞれ独立した存在として、自分の人生を生きていけるようになる。
こんなふうに、着々と親離れ・子離れの道を歩んできました。
本当に独立する時期になってきた息子たちが眩しい今日この頃です。