ルーシーリューはルーシーリューだから魅力的なんである
今となっては、どこの国に暮らそうがそう変わらんですよ、と思うのですが、
そんなわたしにも「日本ではない、わたしに適した国がどこかにあるはず!」と鼻息荒い時期がありました。
小さな頃から今に至るまで、とにかく引っ越しと恥の多い人生で、
いわゆる地元がないのと、「変わった子ども」と言われ続けたゆえの「その内辿り着く桃源郷」探しだったのかもしれません。
中学生で初めて読んで衝撃を受けて以来、今もずっと敬愛している山田詠美氏の影響を強めに受け、大学入学と同時に米軍基地でアルバイトを始めたりもしました。
てっとり早く近所で異文化を求めたわけです。
基地のアメリカ具合にも興奮しましたが、何より軍人をボーイフレンドに持つ女の子たち(日本人)の独特な色気や自由の薫りにくらくらあてられ、
よし、
おら、アメリカさ行ぐだ。
アメリカでべこかうだ。べこはCowだ。
(吉幾三先生参照)
「Friends 」しにNY 行ぐ!
レイチェル(ジェニファーアニストン)に、
おらは、なる!
そしてアメリカへと発ったのでした。
(たぶん、他にも理由あったはず)
そこからまた怒涛のジプシー生活、
それまでは日本国内だったのが、
ここから外国での流浪の民が始まるんですけどね。それは置いといて。
そう、はじまりはアメリカでした。
どうやらアジア系はレイチェルになれないらしいことに気付き、したらば、とドラマ「Ally Mcbeal」のリン(ルーシーリュー)に路線変更することにしたのでした。
この、ルーシーリューさん。映画「Kill Bill」の、ヤッチマイナの姐さんで有名ですね。
日本人からは「えーどこが綺麗なの」と酷評されがちなのですが、わたしの知る限り、いわゆる欧米圏では最高にホットといわれる女性なのであります。
とても魅力的だと思うのですが、確かに「わたしルーシーリューに似てるって言われるのお」って得意気な方々は、どちらかというとユニークな顔面であることが多いため、ルーシーリューは纏う雰囲気に魅力あり、絶妙なバランスを発揮している可能性は高いのかもしれません。
(みんなちがってみんなええねんで、と強調)
そうそう、日本でまことしやかに伝承されているあるあるなんですけど、
「外国人男性といる日本人女性は、日本人男性から相手にされない不細工」っていうのがありまして、
日本人男性から見初められるのは美女のみで、余りもんの不細工がしかたなく外国人男性に流れる、とか、
んなわけあるかいな。
目を引く美人もいれば、
そうでなくてもみな美しい女性たちです。
見た目が外国風になるのも自然でしょう。
人間、近しい人の影響は強く受けますから。
接する文化に近づくのは当然のこと。
周りを見渡してみても、
カップルというのは、洋の東西問わず、
似た空気感の、同じような雰囲気の元に成り立つように思います。お金とかステータスというトリックが発生しても、まあ本質は同じようなものかと。
長きにわたる鎖国の影響、島国根性を強く護る方々は、外国人と連れ添う日本人女性への違和感を「ああ、日本人に相手にされないから外国人にゆくのか」と納得し消化するのかもしれません。
ちなみにわたしも今までの人生、
「ポカホンタスみたい」って100万回くらい言われたし、「外国人に(しか)モテ(なさ)そう」「外専(外国人としか付き合わない人)でしょ」ってニヤニヤ言われたりもしてきましたが、
安心してください、
なんでも好きです。
あなたのことも好きです。
来るもの拒まず、去るもの追わず。
一期一会。
争いは同じレベルでしか発生しないし、
カップルはいつだって割れ鍋に綴じ蓋だったり、
そんなところがまた愛おしいじゃないですか。
で、ルッキズムから一歩抜けまして、
結局、中身だし、相性だし、
好きになったら、あばたもえくぼ。
嫌いになったら、えくぼもアバター。
そこに国籍うんぬんなどないのです。
とまあ、長くなりましたが、
アメリカからはじまり、転々としながら、
今じゃがいもの国ドイツでぼんやりと思うのは、
どこに暮らすかより、誰と暮らすか。
同じ言語を有してもわかりあえない人もいれば、
違う文化でも繋がりあえる人もいて、
どこもいいところ、悪いところあって、
どこにでも素敵な人はいて、
関わりたくない、気が合わない人もいる、
ということ。
最近思うのは、
「もう今更日本に住むのは無理~」などと仰る外国暮らしの日本人は地雷が多いかな、と。
日本だってあんたらなんかいらんですよ、ってレベルで日本(そして日本男性)を批判したりする人たち。自分が日本人だってことを忘れてるみたい。
居住国の標準に合わせ、馴染もうと努力しているゆえの、居住国上げ、日本下げなのでしょうが、どちらかを下げて今いる場所を肯定するのは、個人的に好みじゃないんですよね。
そういう人ほど、現地で限定的な日本ムラを作り、まともに関わる現地人は外国人パートナーといわゆるハーフである自身の子ども+その親戚、という限定的なサークルのみ、というのもまた珍妙。現地人の同姓の友人とかいないの。
で、声高に、「(居住国)では~」
「(居住国)人は~、日本人は~」とやかましい。
そんな狭いサークルにいて何が見えるんだろう。あんたんとこの家族の話だけやないか。
(あれ、個人的な愚痴みたいだぞ)
素敵な日本人にも、もちろん出会います。
「(日本人の少ない)外国にいるから仲良くなる人」
「どこで出会っていたとしても仲良くなる人」
このあたりにヒントがありそうです。
桃源郷を求め、鼻息荒めに海を越えたわたしも、ゆらゆらうろうろしてる内に、
「どこもそれぞれええやないか」となりました。
住んで都にするしかないですからね。
文句いう人は、どこにいても文句をいうし。
どこもちがってどこもいい。
その時、その時を味わうのみですね。
ドイツはビールが水より安いはガチです。
ドイツの水が合ってるかはわからないけど、
ビールは間違いなく合ってるから、これでよし。
とりあえず、ビールで心の安寧。
で、久しぶりに「Ally Mcbeal(邦題はアリーマイラブ)」見返してみたら、ルーシーリューすんごい魅力的!小悪魔!スキ!
顔立ちが、バランスが、とかはわからないけれど、ルーシーリューはルーシーリューだから魅力的なのであり、真似したところで魅力的なわけでもなく、わたしはわたしの道を粛々と歩みながら、それなりの魅力を振りまいてゆこうと思うのでした。