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小説#10 さすらい猫の旅-キミの足跡-


いつものお散歩を少し後ろに下がってついていく。

私とは全然違う足跡。
大きくて、歩幅も全然違う。

たどってみたら、近づけるかしら?

いち、に、いち、に

なんだか楽しくなってきたわ。

いち、に、いち、に


「ひよ、なにしてるの?」

あら、ばれちゃったみたい。
楽しいから、たどっているだけよ!

あなたといるのはとても楽しくて、私はもっと一緒にいたくて
近づきたくて。
猫になれないかしらなんて思ったこともあったけれど、小さいからこうして気にして振り返って確認しているのね。

いえ、あなたならきっと誰でもそうするわね。

私は、今あるこの生活を。いつか終わるあなたとのこの生活を、一歩一歩大切に生きていく。

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