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メタル君の「今日の精神医学豆知識!」(546)-(550)

皆様、こんにちは。鹿冶梟介(かやほうすけ)です😆

早いもので9月の真ん中!

日中はまだ暑いですが、朝晩は涼しいのでベランダでワイングラスを片手に涼を楽しむこともあります🍷

しかも今日は3連休の真ん中!

今日酒を飲んでも、明日も休みだから超うれしいです(ハッピー😆)

そしてなんと来週も三連休ですね!

超うれしぃ〜〜...と普段の小生なら狂喜乱舞なのですが、休みが多いということは休み明けの仕事の量が...😱

院長になってから休みに対する考え方が随分変わりましたね...😅(休みこわい)

メタル君の「今日の精神医学豆知識!」は、X(旧: twitter)で毎朝8時にアップしております。

X(旧: twitter)民の皆様も、X(旧: twitter)では語りきれなかった【メタルのおまけ】がございますので、ご興味があれば本記事を是非お読みください!


【今日の精神医学豆知識集!(その110)】

546.抗てんかん薬であるトピラマート(®トピナ)の副作用に体重減少があるよ。これはトピラマートが脳の満腹中枢を刺激し少量の食事でも満腹感を得るためと言われているよ。また代謝促進作用もあるから体重を減らすそうだよ。過食症に投与されることがあるけど保険適応はないよ。

2024年7月21日

【メタルのおまけ】
実はトピラマートは米国でダイエット薬として販売されているよ。以前、糖尿病薬であるGLP-1の痩せ効果と比較した研究があったんだけど、トピラマートのほうがGLP-1よりも有効だったという報告があるんだ。しかし、そうは言ってもトピラマートは傾眠、めまい、痺れ感などの副作用が出現することがあるから要注意だよ。

↓これはトピナではなく、トビラです。


547.抗てんかん薬であるゾニサミド(®エクセグラン)の副作用にも体重減少があるよ。海外の研究では1年後の体重がプラセボ群に比べてゾニサミド投与群は3.3kg減少したそうだよ。ゾニサミドは利尿作用があるから体重が減るけど、食欲も抑制するそうだよ。

2024年7月22日

【メタルのおまけ】
ちなみにゾニサミドを飲むと痩せはするけど、食欲不振や悪心・嘔吐がでやすいよ。要するに吐き気を誘発してご飯が食べられなくなるから体重がへる...という側面も否めないな。どう考えても健全な使い方じゃないから、ダイエット目的では使用するべきじゃないと思うね。

↓これは悪心(おしん)ではなく、おしんです。


548.ナルコレプシーおよびADHDの治療薬メチルフェニデート(®リタリン、コンサータ)の副作用にも食欲低下による体重減少があるよ。その薬理メカニズムは覚醒剤であるメタンフェタミン、アンフェタミンと同様と言われるよ。交感神経を刺激するから食欲が抑えられるそうだよ。

2024年7月23日

【メタルのおまけ】
メチルフェニデートはいわゆる覚せい剤と同じ作用を持つから「やせ薬」になるのは容易に想像できるね。ところで最近インターネットで海外産の「やせ薬」が手に入ることがあるけど、中には覚せい剤と同様の成分が含まれるものもあるから注意が必要だよ。薬物乱用「ダメ。ゼッタイ。」!

↓ご存知、スキャンダラス・レディース・シリーズ!薬物乱用「ダメ。ゼッタイ!」


549.ADHDの治療薬アトモキセチン(®ストラテラ)も副作用に食欲減退があるから、内服すると体重は減るよ。また交感神経を活発にするから代謝も亢進するよ。海外の研究ではストラテラの3ヶ月間の内服で平均で3.6kg痩せるという論文が出てたよ。

2024年7月24日

【メタルのおまけ】
アトモキセチンの商品名はストラテラというんだけど、40㎎のカプセルが1個343.6円もするよ!1日80-120mg内服するから、1日700-1000円もかかるお薬なんだよ。健康保険が使えても1か月の出費は結構な金額になるから、医療費が安くなる自立支援医療費制度(精神通院)を利用したいところだよね。

↓ステラおばさんのクッキーとストラテラは無関係です。


550.抗うつ剤であるフルボキサミンマレイン酸(®ルボックス、デプロメール)は肥満傾向のある患者さんの過食を抑えるから内服すると体重は減る傾向があるよ。それからクロザピンなどの抗精神病薬の副作用である体重増加もフルボキサミンが抑制するという報告もあるよ。

2024年7月25日

【メタルのおまけ】
過食傾向の強い肥満にはフルボキサミンが有効だね。過食は摂食障害ではあるけど、強迫性障害としての側面もあるから、SSRIのような抗うつ剤かつ強迫性障害の治療薬が有効なのかもしれないね。

↓SSRIのTシャツだそうです!ちょっと欲しいかも?


【メタル君の考察】

今回は「精神科におけるやせ薬」に関してツイートしたよ!

...やせ薬と言うと語弊があるけど、"副作用として体重減少が起こる薬"というのが正解かな。

最近はやせ薬としてはGLP-1薬やSGLT2阻害剤などが使われるけど(前者は条件付き保険適応あり、後者は保険適応無し)、病的な肥満でなければ薬によるダイエットはおすすめしないな。

食事、運動、睡眠という生活習慣を見直すことが一番大切だと思うよ。

これからもマニアックな精神医学ネタをどんどん提供するぞ😆

↓これでお風呂がもっと楽しくなりますね!


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精神科医・鹿冶梟介(かやほうすけ)
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