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(まだ未解決)オーストリアの滞在許可取得 | 扶養家族編
こんにちは、Kayです。
私の転職をきっかけに夫と未就学児の子ども2人と共にオーストリアに移住したのですが、今回は意外と大変だった子どもの滞在許可取得、そして今後の課題について書きたいと思います。
実は、危うく子どもたちが不法移民になるところでした…外国に住むことのリスクの1つだとつくづく痛感しているところです。
私と夫は、オーストリア入国前にすでに滞在許可を得ていたので、問題はないのですが、子どもたちはなぜか、現地でのみ申請可能ということで、オーストリア大使館や雇用先からアドバイスされ、リスクの中で入国しました。
でも、正直、私たち親が二人ともしっかり滞在許可も安定した収入もあり、未成年の子どもたちの許可が下りない訳が無い、と高をくくっていた部分もあると思います。
結局なんとかなったものの、なんとかならない人たちも絶対いるはずで、海外移住において乗り越えなくてはいけない関門の多さを改めて認識しました。
そして、数年後に確実に降りかかる課題も見えてきました。
今回の必要書類
まず、私自身が持っている滞在許可は以下のとおりです。
子どものために申請したのはRed-White-Red Card Plusという、Red-White-Red Cardなどを持っている移住労働者の家族向け滞在許可。
これがあると、配偶者の場合、現地でも自由に就労ができます。
私は子どものために用意した書類は以下のとおりです。
パスポート(家族全員)
申請書
雇用契約書(私と夫)
給与明細(私と夫)
給与振込が確認できる銀行口座証明(私と夫)
滞在許可(私と夫)
夫からの同意書2通(滞在許可申請についての同意と、私が子どもとオーストリアに住んでいいという同意)
医療保険加入証明(家族全員)
賃貸契約書
その他月々必要経費(光熱費など)
住民登録証明(家族全員)
InfoPass(負債などがないかオーストリアのバックグラウンドチェック)
これだけ書くと、ああ、これさえ揃えればいいのね、という感じもしますが、なぜ大変だったのか。
必要書類が何なのか、だれも全貌を把握していない
とにかく、必要書類が何なのか、まとめておしえてくれ!というやりとりが続きました。
申請した日、1時間ほどかけて書類をチェックしたのち、オッケーとのことでしたが…
申請してから2週間後に追加書類の提出依頼。
さらに2ヶ月後、3ヶ月後、4ヶ月後にそれぞれ追加書類依頼…
計4回も追加書類の提出依頼連絡がきました。
一回でまとめて教えてくれ…と心から願いました。めちゃくちゃ非効率。
こちらから、どうなってるの、と連絡したから来た依頼もありました。突っつかないと進まない。
実は、私の給与だけだと扶養条件満たしてない
2024年現在、給与から家賃や光熱費などの月々の必要経費を除いた額が以下だけ残っていないと、滞在許可おりないとのことなのですが…
単身 € 1,217.46
カップル € 1,921.96
子ども一人につき€ 187,93
つまり、私が夫、子どもふたりの家族全員の扶養者になるとすると、家賃などの必要経費を引いたあと約2,300ユーロ、手元に残っている証明が必要になるのです。
それくらいなら稼げそうじゃない?と思うかもしれませんが…
あなどるなかれ、オーストリアの月々の社会保障や所得税の高さ。
逆算すると、約5,000ユーロほど額面で必要になります。
5,000EUR(税金前月収Gross)
−1,600EUR(社会保障、所得税など)
−1,100EUR(家賃など)
=約2,300EUR
です。
今のところ、夫が別枠で独立した滞在許可を持っているので、今回の申請は単身+子ども2人分だけの計算で済んだのですが、それでも私の給与だけだとギリギリだったことが分かり…
それが原因で今回も許可が随分遅れていたということだったのです。
なんとか許可が下りるも…
2024年現在、日本人は、就労などが目的でなければ、オーストリアに無査証で180日間滞在が許されています。
前述の理由から、子どもたちは無査証で入国。
そして、子どもたちの許可が下りたのは、なんと入国から178日目。
当たり前ですが、1日でも不法滞在の記録は残せないので、本気でシェンゲン域外に一時的に出ることを検討しました。行き先は近場でシェンゲン外、さらに現地の物価低めのモンテネグロを勧められました…
最後の1週間は毎日のように同僚が移民局に電話をし、なんとかなったのですが、ストレスひどかったです。
国外にでるとなると、仕事にも確実に影響がでるので、同僚にも現状報告、情報共有しましたが、シェアしながら不安すぎて泣きました。
同僚たちは「仕事なんか、今は優先順位最下位だから!」と勇気づけてくれました。
上司に報告したら、人事のトップまで報告がいったくらいです。
そして…これは未解決部分
これから先行き不透明の理由の1つになるのですが、今後、夫が現在のオーストリアでの仕事の契約が終わってから(3年程度の有期雇用なので)、私の扶養家族として滞在許可を取ろうとすると、私の給与だけだと、基準に満たない可能性が大なのです。
つまり、このままだと夫だけがオーストリアにとどまれなくなる可能性が高い。
ちょっとここで愚痴らせてもらうと、オファーをだしたときの雇用主の人事担当者は、この給与だと家族の滞在許可取得の際に問題になる可能性が高いことに気づいていたらしいのです。
なのに、なんにもそのことは私に伝えてくれなかった。
もちろん、調べきれてなかった私にも非があります。とはいえ、オファーを受けたとき、最初に私が人事と上司に聞いたのが、家族の滞在許可はおりるのか、という質問でした。
口頭でしたが、扶養家族として家族の滞在許可がおりるとしっかり言われていて、それがオファーを受ける1つの大きな理由でした。
何かしら、他の理由で許可がおりなかったら、それは、雇用主側の責任ではありません。しかしながら、今回の最大の理由は給与不足。完全に雇用主側のコントロール下にある部分。しかもそのことに気付いていた。
さすがにちょっと、このことは雇用主に対する信頼を失う一件だったので、どう問題解決していくか、真剣に、真摯に作戦を練らなくてはいけないな、と思っているところです。
夫が、オーストリアに留まる何かしらのバックアップがない限り、夫は約3年後、オーストリアから出国せざるを得ません。
私と子どもたちは引き続きオーストリアに留まれますが、個人的に家族が別居するというオプションはありえないので、様々な手を打って無理なのであれば、一家で帰国するというオプション(もしくは別の国に全員で移動)のみだと思っています。
やっと滞在許可がおりたとは言え、次の課題が見つかり、モヤモヤ、フワフワ、イライラの日々。
もちろん、可能であればここに留まりたい。
ただし、どこかで、いざとなれば帰国すればいいと覚悟している自分もいる。
ここ数年が勝負です。
まずは、選択肢と優先順位を明白にすること。
課題山積みですが、進むしかない。
そんなときに応援してくれる先人たち
まずは、久々に読み返したマルクス・アウレリウス・アントニヌスの「自省録」
未来のことで心を悩ますな。必要ならば君は今現在のことに用いているのと同じ理性をたずさえて未来のことに立ち向かうであろう。
そして、もう1人励ましてくれるのが、皮肉にもオーストリア出身の心理学者のアルフレッド・アドラー。
カウンセリングで使用する、三角柱です。(中略)
一面には「悪いあの人。」もう一面には「かわいそうなわたし」と。そう。カウンセリングにやってくる方々は、ほとんどがこのいずれかの話に終始します。
自身に降りかかった不幸を涙ながらに訴える。あるいは、自分を責める他者、また自分をとりまく社会への憎悪を語る。(中略)
でも、われわれが語り合うべきことは、ここにはないのです。(中略)それを聞いてくれる人がいようと、一時のなぐさめにはなりえても、本質の解決にはつながらない。
三角柱の、いま隠れているもう一面。(中略)
「これからどうするか」