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あの頃ペニー・レインと (2000)



Point : 9.6

ロックが最も勢いのあった時代の、無限の夢と可能性と、刹那。
ブレイク寸前(Almost Famous)バンド・スティルウォーター、ペニー・レイン、そして15歳のジャーナリスト・ウィリアムによる、
今この時が一番輝いている…そんなかけがえのない瞬間を鮮明に切り取り、先の見えない未来と向き合うまでの過程を描いた青春/音楽映画です。

ウィリアムのピュアな音楽愛、ペニー・レインのミステリアスな魅力と早熟故の危うさ、
スターダムへと駆け上がろうとするバンドのカオスティックながむしゃらさ、
そしてウィリアムとラッセル、本来は敵対関係に近い立場ながらも、お互いの純然たる音楽への思いを理解しあっているからこそ築かれる友情、健全なジャーナリズム。

人間性も環境も思惑も何もかもが不安定でバラバラなのに、音楽の力がそれらを一つの大きな夢へと変える、その瞬間の圧倒的な美しさ。
(「タイニー・ダンサー」合唱シーンを、美しいという言葉以外の何で表現できましょうか)

そこには私たちが想像し求めるエンタメの世界の全てが詰め込まれています。
自分にとって一番大切なことは何かということを思い出させてくれるという意味で、個人的にもとても大事な作品です。

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