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新様式バイキング
毎年夏になると別府市内にある有名ホテルのバイキングを食べる機会がある。ここのバイキングを体験すると、他では物足りなくなってしまう。仲間たちとそれはそれは楽しみにしている夏のとっておきのイベントのひとつなのだが、このコロナ禍ではそんな機会はおそらくないだろうと諦めていた。
ところが!今年も美味しく食べることができた。
そこには、たくさんの工夫!
バイキングの新様式を体験してきた。
入口では、密にならないように各グループ毎に離れて並び、スタッフの皆さんは、フェイスガードとマスク。
フェイスガードとマスクの下では、いつもどおりにこやかな笑顔で丁寧に迎えてくれる。
他のお客さんとは離れた席に案内され、着席。
注意事項の説明を受けた。
席を立つてお料理を取りに行く時は、必ずマスクを着用するのがルール。
席を立ち、早速いちもくさんにいつものお肉コーナーへ向かう。
いつも1人で食べるくせに、「2人前ください。」
と一度に倍量をもらい、岩塩やソース、他のコーナーのわさびをもらってきて食べていた。
おや?なんだか様子が違う。ソースは2種類から選び、選んだ方のソースを手袋をしたスタッフの方がかけてから渡してくれる。
自分が触れるのは自分のお皿だけだ。
得意の「2人前ください。」は封印し、まずは、1種類目のおろしポン酢をかけてもらう。
手慣れた手つきでかけてくれるソースの量を見て知る。この量が美味しい量なんだ!!
お肉とともに、必ず立ち寄るピザコーナーでは、お決まりのクワトロフォルマッジを選択。こちらも触るのは自分のお皿だけでいつも蜂の巣と一緒に置かれている蜂蜜をさらさらさらーとスタッフの方がかけてくれる。
蜂蜜もこの量なのかぁあー!!
いつも自分で注ぎ分けていた冷製スープは、事前に注ぎ分けられてラップをして置かれていた。
グラタン、生ハムも同様。
サラダバイキングは、手袋をしたスタッフの方がトングとお皿を渡してくれて、自分でとれる。
とった後のトングは、使用済みトングボックスに入れるため、私が触ったトングを使用する人はいない。
考えられた新様式バイキングのおかげでいつもと変わらない楽しいディナータイムは進んでいく。
対策を取られていることが良くわかるため、私たちも安心して食べれる。ホテル内もいたるところで、窓が開けられていて、換気への気遣い。消毒液もたくさん見た。
ソースの適量もわかったし、ホテルの方の丁寧な気遣いを見たように思ってなんだか心も温かくなった。
頑張ってほしいな。
そんな中、最後の至福のデザートタイムで事件は起きる。一緒にテーブルを囲む先輩達が口を揃えて言った。
今回は、たくさん食べれない。
ハーゲンダッツも個包装ではないか!いつもはすくうのに!なのにたくさん食べれない!?なぜ?!
急いでデザートコーナーへ向かう。
毎年楽しみにしている大きなスイカが私を見つめる。
近寄る。
そこには、イケメンのスタッフが。
「こちらでお取りします。どれにしますか?」
「すっスイカとショートケーキ1つ。」
「1つで良いですか?」
イケメンに言えない。端から端まで全種類くださいなんて!いつもは全部食べるのにっ!
席に戻って、今日はだめだと笑いながら話す。
ホテルのスタッフの皆さんの思いやりと努力の新様式のおかげで、私達はいつもと変わらない楽しい時間を過ごせた。
当たり前にあったいつもと変わらない時間が過ごせる。
こんな幸せなことはない。たくさんの感謝が知れる。
今はそんな時期だな。と改めて思った。