企画は企画力だけでは物足りない
ある企画を動かす時、そもそもの企画の強みがきちんと出ていても、それは失敗してしまうことがある。美味しいパン屋が必ず売れるわけでもないし、正確な時計がいつも求められるわけでも、人気アーティストのイベントが常に大入ということもない。
なぜなら企画の「強み」とは、その企画の一部の要素でしかないからだ。企画が本当の意味で動いていくには、企画力の他に「実行力」と「継続力」が必要である。
そして重要なことは、これら3つの力を発揮するには、それぞれ別のエネルギーが必要ということである。たとえとてつもない情熱をもった人間がその企画に関わっており、その人がどれだけ頑張っても、企画力と実行力と継続力を持つには、それだけでは足りない。
企画力は計画性。実行力は楽観性。継続力は諦念性。それぞれの性質をもつエネルギーが必要だ。情熱はこの中で、楽観性のエネルギーと言える。だから情熱のある人は確かに実行力があると言えるが、しかし企画力や継続力に長けているとは言えない。企画としてきちんとしたものを構築したり、継続のために緩急をつけたりということが難しいからである。
だから、企画というものをうまく動かしていくには情熱と冷静さ、楽観と悲観、計画と勢い、こだわりと妥協など、相反する様々なものが必要になる。それらは全て、企画と実行と継続の三要素に集約され、全体を動かしていくことになる。
つまり「企画力」は、企画というものの中でも確かに「企画」と名前がついているとはいえ、それが全てとは言えない力である。
企画力は数ある力の中の1つでしかなくて、企画に対してさえ、その作用は一部に留まるのだということを忘れないようにしたい。その上で、うまくいかない企画にはいったい何が足りないのかを、常に考えていく必要がある。
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