自己中心的は悪い病なのか
自分がまるで世界の中心にいて、周囲のなにもかもが自分のために動き、形作られ、配慮してくれること。
これは誰もがいちどは夢に見て、しかし世の中はそう甘くないと現実を知る。
自分勝手にふるまって、他人と衝突し大人に怒られ世の中はそう簡単ではないのだと痛感する。
自己中心的は悪い病なのか?
他者を優先しなければ常識のない人間なのか?
それは今までは当たり前だった。社会に生きる以上、個人が全体のことを考えねばならないのは疑う余地はなかった。
しかし、もはやそうも言っていられない世の中である。私たちはひとりで生きているのではないし、ひとりで生きることは許されにくい。それはわかった。
けれど私たちは、誰も、もう自分のことを考えるので手一杯なのだ。
他者のことまで背負い込むのは、特別な人間のやることである。そう、私たちは少しずつ思い始めている。
だからぜひ、自己中心的ということを即座に悪いと決めつけないことだ。
それは人間の進化の結果であり、全体が進んできた結果であり、今更「昔と違う」からといって拒否するべきものではない。
自己中心的なことを受け入れる段階に私たちは来ている。そしてそれは、自分の生に自分で責任を持つということでもある。
私たちは新たな自己中心主義を持たねばならない。
他人によりかかることが前提の自己中心ではなく、自分がまずしっかりと立ってこその自己中心性である。
その覚悟ができたとき、人間は本当の意味で自己中心的になれる。
それこそが、今、求められている自己中心的である。
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