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忘れないために忘れるべきこと
忘れてはならないことを忘れまいと躍起になるあまり、つい大事な何かを忘れてしまうことがある。あるいは忘れてはならぬことに注目するばかりに、本来見ていなければならないものから、目を離してしまうことがある。自分がやるべきでないことはすぐに忘れてしまうのが人の常で、しかし、私達にはたとえやるべきではないことであっても、忘れてはならないことが多くある。
忘却とは生をスムーズに進めるための1つのツールだが、人はそれを簡単には制御できない。ゆえに副作用として「うっかりする」が発生し、本当は手放してはならないものをどこかへやってしまう。
どうにかして忘却を制御できないだろうか。つまり、忘れないために私達は何をすればいいのか。
それは、忘れることだ。積極的に。
忘れまいとしてそれにこだわるのではなく、忘れないためには、忘れるべきことを忘れなければ意味がない。人間の記憶容量というのはおおよそ限られていて、それをどうやりくりしたところで限界がある。そもそも忘れるというのはそうやって脳の容量を節約して、負担をかけないようにしている。
ならば、それに逆らう必要はない。
身体的当然と自然の摂理に反する行動は失敗する。だから反せずに忘れればいいのだ。必要な分。そして空いた分で、覚えればいい。あるいは忘れないように復習すればいい。
それをせず、忘れないことにばかり注目するのは上手いやり方ではない。それは人の理に反するので成し遂げるのは非常に難しいし、できるにしても労力が大きい。
だからそこではなく、忘れることに忘れないことの支えをさせるのだ。不必要なことは積極的に忘れ、忘れないための下地を作る。忘れまい忘れまいとするあまり、本来必要なものを手放しては意味がない。
だから忘却に困る時には、その忘却が憶えていることの礎となるのだとしっかり認識することが肝要である。
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