【読書感想】『言葉のいらないラブソング』/河邉徹
QuizKnockの山森さんがTwitterで紹介していた本書。普段はミステリー小説ばかり読んでいる自分ですが、「言葉のいらない」というキーワードがかなり気になって(笑)、読んでみることにしました。ネタバレパートの方にも少し書きましたが、老若男女問わず楽しめるストーリーでした。
以下、ネタバレを含みます。ご注意ください。
プロローグとエピローグ、それぞれで語られることとなる二人の人物。
物語の中心人物であるアキと莉子、それぞれが人生の岐路に立った場面で登場するのですが、この二人の存在が強く印象に残りました。
「自由ってなんだと思いますか?」「普通ってなんだと思いますか?」
自分のもつ「自由」という価値観でアキと向き合っていいのか悩む莉子に、「自由」と「人に流される」ことの違いをそっと諭す真紀子。
どうしようもない状況に陥り、「私、頭悪いんですかね」と問いかける莉子に、「うん、悪い」と断じた後、大切なことは何かを話す真紀子。
今後のアーティストとしての「方向性」について悩むアキに「くだらねぇな」と一蹴。何が正解か誰もわからない音楽の世界で、アキがするべきことは何かを話す祐介。
どちらかといえばアキや莉子よりも祐介や真紀子の方が年齢が近い自分にとっては、とても印象に残る、激励でも忠告でもない「ディレクション」。くしくも、二人共同じ事を言ってるんですよね。こんなかっこいい大人になりたいな、いやならなきゃね。
もちろん恋愛ストーリーのほうも楽しめました。
「言葉のいらないラブソングをもし歌える日が来るのなら」・・・
自分も同じ気持ちです。
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