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「何から始めればいいの?」 スタートアップが自社イベント・カンファレンス企画のために考えるべきこと

プレイドの川久保(@kawatake)です。

プレイドでは、2015年のCX(顧客体験)プラットフォーム「KARTE」のリリース以降、さまざまなイベントを開催してきました。プレイドがイベントをよく開催しているというイメージを持ってもらっているのか、最近は「イベント開催を検討しているので、過去にプレイドで開催したイベントのことをいろいろ教えてほしい」という相談が私や弊社に来ることも増えました。何件か同様の依頼が来たので、おそらく同じような悩みを持っている人は多いはずだと思い、イベント企画について以前考えたことなどを簡単にnoteにまとめてみます。

スタートアップ(じゃなくて、どのような規模の会社でもいいのですが)でイベントやカンファレンスを検討されている方の参考になると幸いです。
※この原稿はGoogleが開発した生成AI「Gemini」に構成や内容のサポートをしてもらっています。一般的な部分などは「Gemini」の回答を引用します。

今までどういうイベントを開催してきたの?というのを先に知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

また、プレイドとしてのイベント、コミュニティの考えについてMarkezineさんに取材していただいた記事も公開されましたので、こちらも合わせてご覧ください。


1.イベント開催のメリット:なぜ自社イベント・カンファレンスを開催すべきなのか?

「イベントのメリットは何ですか?」と、よく聞かれる質問ですね。Geminiによるとこのようなメリットがあるそうです。

  • ブランド認知度向上:潜在顧客へのリーチ拡大、業界での存在感向上

  • 顧客エンゲージメント強化:顧客とのつながりを深め、ロイヤルカスタマー育成

  • リードジェネレーション:新たな顧客獲得、ビジネスチャンス拡大

  • 差別化:競合との差別化を図り、自社の強みをアピール

  • コミュニティ形成:顧客やパートナーとのネットワーク構築

どれも良さそうです。さすがGemini。

このようなメリットからイベント開催を検討するのは当然ではあるのですが、これらのメリットはイベント以外の手段でも実現できることかもしれません。なぜ自社でわざわざイベントを開催したかと言うと、イベントという手段によって「顧客に必要な情報や機会を提供できそう」という仮説を持ったからです。

仮説を持つためには、企業視点で得られるメリットからではなく、「顧客に何を提供できるだろう」という視点から発想することが大事です。「自社の顧客にとってどうあってほしいか」を考え、そのために必要なものを洗い出して、それがイベントという手段で提供できそうであればイベントをやってみるという流れでイベントを企画していました。

少し抽象的で理解しづらいと思うので、具体的にどういう流れかを書いてみます。ちなみに、ここで言及している「顧客」とは、すでにサービスを利用していただいている「既存顧客」も、これからサービスを利用する可能性のある「新規顧客」も含めた広い意味での顧客です。

下記が過去のわれわれのイベント企画の流れです。

  1. 「生産者の想い」を知ってほしいから、全社で開催するイベントを実施

    • 顧客にどうあってほしいか:われわれのサービスや会社に対して親近感を持ってもらい、サービスを活用するときに前向きな気持ちになったり、サービスを応援してもらいたい。

    • 顧客にとって何が必要と考えたか:サービスを生み出している人や場所を知ってもらうこと。野菜や果物などの農産物で「生産者の想い」が紹介されることもありますが、オンラインで提供されるソフトウェアのサービスにも同じような想いがあることを知ってもらったほうがいいのではないか。

    • 何をやったか:オフィス移転パーティやサービスの周年パーティをオフィスで開催し、普段対面するメンバーだけではなく、プロダクト開発メンバー含めて社内の全ての人がイベントに参加し、顧客に向き合う場を作った。当初は既存顧客だけではなく、友人・知人などの関係者も招待しました。ちなみに、ここから派生し、近年はKARTE Friends THANKS DAYやプレイド日本酒部というイベントを開催しています。

  2. 顧客同士でつながりを持ってもらいたいからミートアップを実施

    • 顧客にどうあってほしいか:われわれの顧客はエンドユーザーのCXを良くしていくための仲間です。仲間としてつながって、気軽に情報交換できる関係となってもらいたい。

    • 顧客にとって何が必要と考えたか:既存顧客同士が顔を合わせて事例や考えを共有しあう場。

    • 何をやったか:まずは10人ほどの顧客に集まってもらい、小規模での事例共有会を開催。顧客の満足度も高く、われわれとしての学びもあり、ユーザーミートアップとして継続的に開催。現在までに累計50回以上、延べ2,235人(2024年6月時点)が参加するイベントとなりました。

  3. 最新の動向や今後進む方向を知ってもらいたいから、自社サービスのカンファレンスを実施

    • 顧客にどうあってほしいか:CX向上のためのデジタル技術の進化は早いが、最新事例や今後できることの情報を容易に手に入れることができる環境にいてほしい。

    • 顧客にとって何が必要と考えたか:最新の事例や技術を知ることができるカンファレンス。参加することで「何を知ればいいか」ということから「こういうソリューションもある」という部分まで知ることができる場。

    • 何をやったか:2019年に「KARTE CX Conference」という自社カンファレンスを開催。KARTE利用企業による活用事例のセッションに加えて、パートナーによる連携ソリューションや自社サービスの紹介も実施。会場ではブース展示も行い、KARTEの開発者やパートナーに直接質問できる機会も用意しました。その後、「KARTE CX Conference」はオンライン開催にもチャレンジしながら、年次カンファレンスとして今まで6回開催しています。

  4. CXに取り組むことの重要性を理解してもらいたいので、CX特化のカンファレンスを実施

    • 顧客にどうあってほしいか:2018年当時は、今ほどCXという言葉は流通しておらず、CXに取り込むことの重要性や、CXの考えが広まっていませんでした。ただ、弊社としては、多くの企業がCXに取り組むことが社会をより良くすると考えていたので、前向きにCXに取り組みむ人を増やしたかった。

    • 顧客にとって何が必要と考えたか:実際にCXに取り組んでいる人たちの想いに触れ、CXについて考える機会。

    • 何をやったか:「CX DIVE」というCXに特化したビジネスカンファレンスを開催。「CXを学び、考え、発信する。CXに飛び込む一日」をコンセプトに実施。KARTEとは切り離し、KARTEの宣伝も一切しませんでした。

少し長くなりましたが、このような流れで各種イベントを企画、実施してきました。このような「顧客に必要な情報や機会を提供できそう」という仮説を持つことができたなら、イベント開催に向けて動き出すのが良いのではないでしょうか。

また、イベントと自社メディアを連動させたり、同じテーマで運営することでまた違った情報を届けることにもつながります。そのあたりに興味がある方は少し古いですが、こちらの記事をご覧ください。

イベントの雰囲気を知ってもらうために、各イベントのダイジェストムービーを貼っておきます。

以降は、イベント開催が決まったあとにやるべきことを記載していきます。


2.企画の第一歩:イベントの目的を明確にする

Geminiによると、このようなことを考えると良さそうです。

  • 何を実現したいのか?:ブランド認知度向上、リード獲得、顧客エンゲージメント強化など、具体的な目的を設定

  • ターゲットは誰?:イベント参加を期待する顧客層を特定し、ペルソナを設定

  • イベントテーマ:ターゲットと目的を達成するための具体的なテーマを設定

ここは、「イベントに参加してもらうことで『誰に』、『何を』持って帰ってもらいたいのか」ということを明確にできていればよいと思います。

陥りがちなこととして、「弊社にとってはxxという意味を持ち、xxリードを獲得するためのイベントなんです」というような主催者側の視点だけでイベント企画を進めてしまうことがあります。企業にとっての意義や意味を並べるものの、「参加者はなぜ参加するのか、参加することで得られるメリットは何なのか」を考えずに進んでいるイベントの話もたまに聞きます。

イベントの企画とは「イベントに参加する人が『行く理由と満足する理由』を考えて、それと自社の目的達成をつなげる」と捉えると考えやすいかもしれません。

CX DIVEのセッションの様子
CX DIVEのブースの様子
CX DIVEで用意したオリジナルのコメントシステム。Twitter(当時)と連携すると、自動でハッシュタグが入った投稿が可能になる仕組みでした


3. イベント形式:自社の目的に最適な形式を選ぶ

Geminiによるイベント形式の候補です。

  •  カンファレンス:専門性の高い内容を深く掘り下げ、業界の最新動向や知見を共有

  •  ワークショップ:参加者全員が主体的に学び、実践できる機会を提供

  •  セミナー:特定のテーマについて、専門家による解説や講演

  •  展示会:自社の製品・サービスを展示し、顧客との接点を増やす

  •  交流会:参加者同士のネットワーク形成を促進

また、近年ではオンラインでのイベント開催もできるので、オンラインとオフラインのどちらがいいのかという質問もあると思いますので、Geminiに教えてもらいました。

オンラインカンファレンス

メリット

  • 地理的な制限がない:世界中から参加者が集まりやすい。

  • 費用が安い:会場費、交通費、宿泊費などが削減できる。

  • 柔軟性が高い:参加者は自分の都合に合わせて参加できる。

  • 環境負荷が低い:会場設営や移動に伴う環境負荷が低い。

  • オンデマンド視聴が可能:録画されたセッションを後から視聴できる。

デメリット

  • 参加者の集中力が低い:オンラインでの参加は、対面よりも集中力が低くなる可能性がある。

  • インタラクティブな交流が少ない:オンラインでの交流は、対面よりも限られる。

  • 技術的な問題が発生する可能性がある:インターネット回線やデバイスのトラブルなど、技術的な問題が発生する可能性がある。

  • セキュリティリスク:オンライン開催では、情報漏洩などのセキュリティリスクがある。

  • オンライン特有の疲労:画面を見続けることによる目の疲れや、オンライン会議疲れなど、オンライン特有の疲労がある。

オフラインカンファレンス

メリット

  • 参加者の集中力が高い:会場に集まることで、参加者はより集中してセッションに臨める。

  • インタラクティブな交流が活発:対面での交流は、オンラインよりも活発で、新しいつながりを作りやすい。

  • リアルタイムでのフィードバックが得られる:参加者からのリアルタイムでの質問や意見交換が可能。

  • 特別な体験を提供できる:会場装飾、ケータリング、懇親会など、オンラインでは難しい特別な体験を提供できる。

  • ブランドイメージ向上:会場でのイベント開催は、ブランドイメージの向上につながる。

デメリット

  • 地理的な制限がある:参加者は会場まで移動する必要があるため、地理的な制限がある。

  • 費用が高い:会場費、交通費、宿泊費など、オンラインよりも費用がかかる。

  • 準備に時間がかかる:会場設営、機材準備、運営など、準備に時間と労力が必要。

  • 参加者の都合に合わせにくい:イベント開催日時が固定されるため、参加者の都合に合わせにくい場合がある。

  • 環境負荷が高い:会場設営や移動に伴う環境負荷が高い。

セッションは会場で行うものの、その様子をオンライン配信するというハイブリッド方式の選択肢もあります。こちらは遠隔地など遠くの人でも参加できるメリットがあるものの、本来は会場に来てほしかった方が来てくれずに、交流や特別な体験を提供できなくなるというデメリットもあります。そのため、オンライン配信はKeynote Sessionなどの一部のセッションに限定したり、オンライン配信をしないイベントも増えている体感があります。

形式に関して正解はなく、参加者にどういう体験をしてもらいたいかという目的によっていろいろな形式を選択できます。私は断然オフラインイベント派です。偶発的な出会いや参加者の集中力を高く保つ点において、オフラインのほうが良いと思っていますが、使い分けができる現代はとても便利だと思います。

KARTE CX Conferenceの様子


4. イベント会場:成功を左右する重要な要素

Geminiによると、考慮すべきことはこのあたりです。 

アクセスの良さ:ターゲット層にとってアクセスしやすい立地を選ぶ
会場規模:参加人数やイベント内容に適した規模の会場を選ぶ
設備:必要な機材や設備が揃っているか確認
予算:予算に合った会場を選ぶ

訪問したことがあるイベント会場を選ぶのもいいと思いますし、「東京 xxx人 イベント会場」のような検索ワードで検索することもできます。また、同じような業種や規模の会社が過去に開催していたイベントを調べて、どのような会場を使っているかを調べるのも良いかもしれません。頻繁にイベントが開催される会場というのは参加者がアクセスに慣れている場合もあり、参加のハードルが下がります。

あるいは、近年は毎年イベント会場が新たにオープンしているので、あえて新しい会場で開催を検討するというのも良いと思います。行ったことがない新しい会場というだけでワクワクする方もいます(すべての人とは言いませんが)。

実施するイベントの規模によりますが、会場探しの部分からパートナー(協力会社)にお手伝いいただくというやり方もあります。イベントのプロとして会場選びからコンセプト立案、会場装飾や運営など、いろいろとお手伝いしていただけます。

イベントの企画と目的は自社で考えるべきですが、その先のイベントプロデュース、運営はプロに協力してもらうと、よりスムーズにイベントが開催できるでしょう。プレイドでは、イベントの種類によって自分たちだけで完結する場合と、パートナーに依頼する場合を使い分けています。弊社のパートナーであるテー・オー・ダブリューさんは歴史があり、信頼できるイベント企画運営会社さんです。新たにパートナーを探している方はぜひテー・オー・ダブリューさんもご検討ください。また、オンラインや映像を絡める場合には、弊社の映像パートナーでもあるTHINGMEDIAさんのSNATCHのチームがオススメです。プランナーから放送作家、番組ディレクター、制作進行まで、案件に応じた最適な布陣を構築してくれます。どちらも担当の方を直接ご紹介もできるので、必要あれば私までご連絡ください。

KARTE CX Conferenceのエントランス
KARTE Friends THANKS DAYの装飾
KARTE Friends THANKS DAY 2024のお土産


5.その他に考えるべきこと

この内容は実際に進めていく中で詳細を詰めればいいと思いますが、やるべきことの項目として記載しておきます。

イベントスケジュール:スムーズな運営のために

  •  イベント期間:1日、2日、複数日など、イベント内容に合わせた期間を設定

  •  スケジュール:各セッションやイベント内容のタイムスケジュールを作成

  •  運営体制:スタッフの役割分担を明確にし、責任者を任命

予算計画:現実的な予算を設定し、効率的な運営を

  • 会場費:会場の規模、設備、期間によって費用が異なる

  • イベント運営費:スタッフ人件費、備品費、飲食費、印刷費など

  • 広報費:媒体費、広告費、PR活動費など

  • その他費用:参加者への特典費用、イベント保険など

集客戦略:イベント告知&参加者を増やす

  • ソーシャルメディアマーケティング:拡散力を最大限に活かす

  • メールマーケティング:ターゲット層にピンポイントでアプローチ

  • 共同マーケティング:パートナー企業、ブース出展企業などの他の企業と連携して集客を拡大

  • インフルエンサーマーケティング:テーマに即した影響力を持つ人に依頼する

  • PR活動:メディア露出でイベントを盛り上げる

イベント当日:最高の体験を提供する

  • 参加者受付:スムーズな案内で好印象を与える

  • イベント運営:トラブル発生時の対応を事前に準備する

  • プレゼンテーション:分かりやすく、印象的な内容にする

  • エンターテイメント:参加者を飽きさせない工夫を取り入れる

  • 写真・動画撮影:イベントの記録を残す

  • 参加者アンケート:イベント後の改善点を知る

イベント後:効果測定&今後の展開

  • データ分析:イベントの成果を数値で確認する

  • 顧客エンゲージメント:参加者とのつながりを維持する

  • フィードバック:改善点を見つけ、次回に活かす

  • イベントレポート:実績を共有し、社内理解を深める

イベント開催に向けてやるべきことは多いですが、イベントが終わったあとの社内外からのフィードバックはとても重要です。参加者アンケートだけではなく、参加した社内メンバーからのフィードバックをしっかりと集めることも忘れずにやるべきことですね。

一般的なフレームワークのKPT(Keep、Problem、Try)で振り返るので良いと思いますが、項目は聞きたいことを聞いてもらって大丈夫です。われわれは「良かったところ、改善点、感想・思いつき、その他雑談」という形式で、notionのような共同編集できるドキュメントに記名付きで書いてもらっています。社内のフィードバックで厳しいダメ出しや意見をもらえるのはありがたいことです。同じイベントを再び開催するときには、まずは前回のフィードバックを振り返ってイベントの内容を思い出すところから始めますし、その改善点を良くするために何ができるだろうという部分から発想をはじめます。

また、社内にもフィードバックを求めることで、一部の人たちがマーケティング目的のためにやっているイベントではなく、会社全体で開催するイベントという視点で捉えてくれる人が増えます。仲間を増やす、社内の人にイベントへの関心を高めてもらうために、とにかく意見をもらうことを推奨します。

プレイド社内の芝生スペースを活用してのミートアップ後の懇親会の様子


6.良く聞かれる質問

冒頭にイベントの相談が増えているということを書きましたが、実際に相談された際に受けた質問と回答を一部掲載します。

質問:
オフラインイベントの体験設計をする際に大切にしていることは何ですか?

回答:
1つ目は、オフラインイベントに限ったことではないですが「自分が参加者側だとして良いと思える体験にする」ことです。イベント参加の障壁をなるべく取り除いてあげるという意識ですね。主催者としての利便性、面倒の少なさよりも、参加者の利便性で判断します。例えば、このようなことです。

  • オフラインイベントでよくある「参加証を事前にプリントアウトしてください」というシステム。

    • 自宅にプリンターがない、オフィスで印刷を忘れることもあるので、そういうシステムにしない。スマホでQRをかざすだけにする。

  • イベントのたびに会社情報などを入力するのは面倒。

    • 共通のイベントページを作り、ログインすれば参加ボタンを押すだけで参加可能にする。

  • 会場の周りのコンビニが混んでいて、うまく休憩できない。

    • 昼食や飲み物、休憩のお菓子などをあらかじめ用意する。

  • イベント参加の最中にオンラインmtgをしたい。

    • コロナ前より作業スペースや机、電源などを多く用意する。

CX DIVEのときに活用したKAOPASS。事前に写真を登録しておけば、顔認証で参加可能。
「PLAID Event Members」というイベント参加システムを自社で構築。当日の配信とアーカイブ配信を実施
「PLAID Event Members」ではKARTEを利用し、ユーザーの視聴行動、視聴時間などを計測。突発的なお知らせなどもKARTEで対応。
「PLAID Event Members」ではオンライン視聴だけではなく、オフライン参加のQRコードの発行も可能。KARTEの仕組みを活用したチェックイン機能

2つ目は、オフラインならではの体験とはなにか?と考えることです。オンラインでウェビナーなど手軽に参加できるようになったので、一方的に聞くだけのセッションならオンラインで開催したほうが費用面で優れています。オフラインの良さは空間設計における没入感と人やコンテンツとの偶然の出会いがあると思っています。そのあたりをどう設計して演出するかという視点を大切にしています。

質問:
自社のイベント開催の思惑と顧客体験の向上のバランスの取り方はどうされていますか?

回答:
自社の思惑がどうであれ顧客体験を向上させることは背反する内容ではないと思うので、両者が成立するようにイベントを企画します。イベントの企画の項目に記載しましたが、改めてこの部分を意識すれば、自然と両立できる内容になるのではないでしょうか。

イベントの企画とは「イベントに参加する人が『行く理由と満足する理由』を考えて、それと自社の目的達成をつなげる」と捉えると考えやすいかもしれません。

質問:
自社らしさや自社からのメッセージなど、施策や各イベントを横断して統一感を出すために気をつけていることは何ですか?

回答:
いわゆる「ブランディング」の領域になるかと思いますが、よくある「ブランディング」の誤解として、デザインを統一するとか、見た目を変えることみたいに狭く捉えてしまうことあります。そうではなく「ブランドの中身の価値を規定し、それに合わせた発信すること」だと思っています。なので、「自社らしさ」とは何なのか、自分たちが社会に提供したい価値、社会をどう変えていきたいのかというコアの部分をしっかりと規定し、それを根底にして各タッチポイントでそれがにじみ出るデザイン、言葉、コミュニケーションを設定していくことを気をつけています。


最後に

長々とイベントについて書いてきましたが、結論としては、自社が得られるものばかりを考えずに、「参加する人がなぜ参加したくなるのか、参加することで何を得られるのか」をとにかく考え抜くことが大事だと思います。これはイベントだけではなく、全てのコミュニケーションにおいて基本となる部分ですが、イベントにおいても改めて意識したいことです。

数年前の内容になりますが、翔泳社さんに声をかけていただき、そんなことをイベントで話してきた内容をまとめているので、具体的な話に興味がありましたらご覧ください。


(宣伝パート1)
私は、Web/アプリサービス、SaaSプロダクト説明に特化した映像クリエイティブチーム「CX BOOST」もやっています。このチームでは映像クリエイティブのみならず、他のクリエイティブ領域を手掛けることも増えていますので、イベント企画やクリエイティブ領域で相談がある場合は、ぜひお声がけください。


(宣伝パート2)
プレイド顧客体験研究所では毎週ピックアップニュースを配信しています。こちらのアカウントのフォローをお願いします。

https://twitter.com/cxken_plaid


最後に、プレイドのマーケティングチームは多くのポジションで仲間を募集しています。マーケティングチームやプレイドで働くことに少しでも興味を持っていただけたら、ぜひご連絡ください!


それでは、良いイベントを。


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