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【日記】出だしの一文目、どうやって決めてる?

 言われてみれば……。どうやって決めてるっけ?
「最初の一文ってどうしてます?」という質問が飛んできたとき、パッと答えが出てこなかった。いつもやっていることなのに、あらためて聞かれると、はて。勢いだけは意識しているような気もするけれど。
 昨日、『元カレごはん埋葬委員会』の編集者・池田さんとスペースをやった。

小説『元カレごはん埋葬委員会』のリアル執筆過程と、好きなところを語り尽くします【著者と編集者対談】(アーカイブもあります)

 土曜日の夜、檸檬堂をぐびっとやりながら、あんなことこんなことあったよねと、一冊の本をつくるとはいかに楽しいか的なことを語り合っていたのだが、その流れで、「文章、どう書いてる?」的な話になった。
 というのも、池田さんは先日数年ぶりにnoteを更新したらしく(こちら)、いざ書こうとしたとき、どんな言葉からはじめればいいのかわからず筆が止まってしまったらしい。
 考えてみると、難しい。私、どうやって書いてるっけ?
 その場では「結論から書きますかねえ」と無難すぎる回答をしてしまい、かーっ! せっかくのスペースなんだからもっと気の利いたこと言わんかい! と後悔した結果、今こうして弁明noteをうじうじと書いているわけだが、まあ実際、そうなんですよね。スペースでも話したけれど、私は書きたいことが最後まで固まっていないと書き出せないタイプで、このnoteの日記でもライター仕事の原稿でも、「これを書きたい」という項目をメモするようにしている。といっても、箇条書きで3ポイントくらい簡単に整理しておくだけなのだが、それがあるだけでもかなり書きやすくなる……気がする。言い換えると、ゴールが決まっていないと出だしの一文が思いつかないことがほとんどだ。
 ただ、こうしてふりかえってみると、自分でも「よっしゃー! いいのが書けた!」と思うような文章が生まれるときというのは、だいたい、あらかじめ決めていた「これ書くぞメモ」以上の言葉やアイデアが出てきたときだなあ、と思う。箇条書きの点と点をつなぐ過程で、「これってこういうことじゃない?」「このエピソードも入れたら面白いかも!」と新しいアイデアが生まれ、脱線していく。ときにはもともと予定していた結論とはまったく違う流れになることもあるし、それに合わせて出だしの一文を大幅に変えることもあるのだが、それもまたよしだ。イメージ以上のもの、予定にはなかったアイデアが出てきたときほど、「はー、書くのってたのしっ!」と、脳汁がどぼどぼ溢れる。
 もしかすると、私は書き直すことを前提に書いているから、「出だしの一文どうするか問題」に咄嗟に答えられなかったのかもしれない。うん、たぶんそうだな。まず、メモ帳に箇条書きでざっくり書きたいことを洗い出す。次に、そのメモをもとに、わっと一気に書いてみる。思っていた流れと変わったら、また頭から書き直す。細かいところを見直し、整える。また書き直す。などなど。書き直しの過程で、もともと考えていた出だしよりもいい一文を思いつくこともあるし。
 それにね、何より、あっしは書き直しの作業が好きなんですよ。ちょっとずつちょっとずつ削ったりくっつけたりして全体を整えていくみたいな、ちまちました作業が。本当さ、文章ってのは引き算も足し算も自由にできるのがいいよ。これがたとえば化粧になると、足し算しかできないもん。あーん、マスカラ塗りすぎたと思っても、マスカラだけ綺麗に落とすなんてできないもんね。一度失敗したらアイメイクも、下手したら目まわりのファンデもハイライトも全部やりなおし。文章なら、自由自在に書き直せるから最高だ。
 でもさ、出だしの一文ってほんと難しいよね。読者にあいさつする最初の場面でもあるし、なんなら名刺がわりみたいなものだからなあ。
 みんな、どうやって決めてるんだろう? 気になるな。よかったら教えてください。




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