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お気楽に観ていたつもりが入り込んでいる~侍タイムスリッパ―~
「カメラを止めるな」のような現象が起きていると話題になっている。
「カメラを止めるな」は、2館での上映から全国に広がり大ヒットした作品。
当時、どんなものかなと観に行ったけど、ちょっと血が多くてさ。いくら偽物だとわかっていても映像的にはつらかった。内容の面白さについては私もnoteで書いた。
noteを始めた頃で、あの頃はまだnote側から公式にタグでお題をつけて募集、ということ自体が少なかった。今じゃ当たり前に「投稿企画」のところにたくさんタグで募集しているけど、当時は0の時期もあったのよ。7つあった時に「7つもある!」とか大げさに驚いたのも覚えている。
だから「カメラを止めるな」の感想を募集していた時に、こういう企画があるんだーと、書いてみたのよね。note投稿はまだ10記事も書いていなかった頃。まだまだ映画感想文を書き慣れていなくて、どう書いて良いかわからなかった。今だって私の映画感想文は、ちゃんとしたレビューとはほど遠いけど、私は私なりの感想の書き方ができ上がってきている。
と思って確認したら、10記事も書いていないどころかほとんど初投稿に近いじゃないか。
最初に2つ、「note始めてみたよー。どうすれば良いの-」みたいな記事を書いたら、その次が「カメラを止めるな」の感想文だった。めちゃくちゃつたなくて泣き笑うしかない。
で、今回の「侍タイムスリッパ―」もやはりごくわずかの映画館の上映に始まり、全国で広がっているから、興味があった。
ただね、古い時代の人が現代に来るんだから、だいたい何となく想像ができるよねーとか思いこんでいた私に、強く言いたい。
「まあまあまあ。観に行ってみなよ!」
※ストーリーにはできるだけ触れないようにしますが、どういうシーンがあるかのネタバレが少しあります
侍がタイムスリップ。想像つくのはそりゃそうだけど、「現代のあれこれにびっくりするよ」のシーンはそんなにない。無駄なところを省いただけなのかもしれないけど、リアルな気もする。意外と人は驚いたところで受け入れるしかないのかもしれない。それにそういうシーンはこれまでの数々の映画で描かれていて少し飽きているから、あるにはあるけどそれほどしつこく描かれないのが良い。
「侍」の時代設定が江戸時代末期で、会津藩の高坂新左衛門が主人公なので、福島県に住む者として親近感だって覚えちゃう。
福島県に引っ越してきた時に、県内の天気予報で大ざっぱに、浜通り、中通り、会津と分かれていると知る。で、「会津」って聞いたことがあるけど、新選組とどう関わりがあるんだっけ。と本を読んで多少勉強した。
まだ16歳前後の子供たちでつくられた白虎隊の自刃という悲しい歴史は有名過ぎるし、少し前の大河ドラマ「八重の桜」でも会津にある鶴ヶ城での凄惨さは語られている。
こんな時代に、戦っている時の何人かがその場からタイムスリップしていなくなったところで、歴史という大きな流れは変わらないものなのかもしれないな。家族はきっと驚き悲しんだはずなのだけど。
流れる月日の中、歴史に名も残せない人物として生きる多数派の私たちは、歴史のひどい悲劇に(本来吐くほどつらい悲劇に)悲しくなりながらもただ受け入れるしかない。この時代をただ生きて歩いていくしかない。
高坂さんの思いを想像し、その歴史を面白がっているだけではいけないよなと胸が痛む瞬間はあるけれど……だけどそんな大そうなストーリーではないのよ。
ずっと気楽な気持ちで笑いながら観ていた。声出すくらい笑ったシーンもある。
なのに急にすごくなるからね!
風見さんの回想シーンでは予期せず泣いちゃうし、殺陣シーンが私の知っている殺陣のシーンじゃなかった。そんなに時代劇をたくさん見てきていないけど、多分あるあるなシーンじゃあないから。
観ながら、映画の中の人たちに「だって知らないだろうけど本当はさ、本物の侍なんだからね!」とか教えたくなっちゃう。映画の中の人たちによ。もう現実とごちゃまぜになって観てしまうのだから、すっかり作り手の思うツボなのだ。
観終わった時には、「高坂さん」のファンになっちゃっている。
すっかりあのシーンに、そしてこの映画にシビレた私がいた。気楽に観ていられるし、でもめちゃくちゃカッコ良かった。
面白かったからおススメだなー!!
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