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出てくるみんなの気持ちを知っている気がする〜リトル・エッラ〜

 人より匂いに敏感で、同じ服しか着たくなくて、友達は要らない。
 そんな女の子エッラの話。
 原作があるそうだ。

※詳しい筋は書いていませんが、大雑把な内容がわかるネタバレあります


 友達は要らないと言っても、大好きな親戚のおじさんがいる。
 大人になった立場なら、どこかでだれもが経験したことあるだろう。子供の機嫌に合わせる瞬間。そう思っていなくても、そう思っているフリをする瞬間。
 トミーの、幼いエッラを可愛く思う気持ちがとてもよくわかる。エッラに対して完全に対等ではないとわかっている気持ちも。

 エッラはトミーが好き過ぎて、トミーとトミーの恋人スティーブの関係に嫉妬する。それはもうひどいいたずらを重ねる。子供のすることだからと、おおめに見られないくらいのいたずらばかり。
 他人の子供のすることだし、真意はきっと憶測通りなのだろう。わかっているから、かばいすらするのに、うまく笑えなくなってきたり、そのいたずらにすごく惨めな思いをしちゃったりなんだよな。泣きたくなってくる。きっと原作があるから映像にすると強烈なのだろうけど、子供ってエスカレートするからね。心がむき出しになってしまう瞬間があるよね。

 そして恋人の心が離れてほしくないトミーの気持ちもわかる。

 さらにオットーの、友達がほしいけど相手の様子をうかがう気持ちや、言い合いで言い過ぎた時の気持ち。

 そして何より、自分のせいで友達に否定されたり、家族に怒られたりして、誰にもどこにも逃げ場がないように感じる時の気持ち。
 自分のせいだってわかっているからこそ「私の本当の気持ちなんて、誰にもわからないんだ!」と、静かに爆発する瞬間。

 40年ほど前に、ほんのちょっぴり家出をして、父が探しにきてくれたことを思い出す。
 エッラの気持ちが伝わってきて苦しくなる。

 うまく表現できない自分の中の本当の気持ち。
 大好きな人に素直に甘えられない気持ち。

 そこからみんなは、どんな風に気持ちを立て直すんだろう。
 どうにか立て直すのはきっと、自分の中で折り合いをつけるようにするから。そんな度、私は成長しているのかな。

 エッラの心の成長ぶりが、サッカーからも服装からもわかりやすく描かれていてすがすがしい気持ちになる。

 度が過ぎると思う時はあるけれど、自分の心の中をセーブせずに表現したらああなるのかもしれない。むしろ伸び伸びしているエッラを羨ましく思う気持ちの方が強かった。

 きっと子供時代を経験した人なら、気持ちはわかるよ。

 大好きな映画「マイガール」をちょっと思い出す。私にとってはおススメの映画となった。


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