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ただゴキゲンになれる映画も必要よね~ザ・ロストシティ~

 僕、あれ観たい~! 夫が前から言っていたのでわざわざ山越えしないとたどり着かない映画館に「ザ・ロストシティ」を観に行った。

 映画館にたどり着くのに東西南北どこに向かっても車で山越え最低で一時間。私たちがお気に入りの映画館はだいたい一時間半。道中こんでいたらイライラしちゃうし、コンビニだって寄っちゃうし、駐車場にとめてから映画館までの距離もあるし、二時間は余裕を持たせて家を出発する。

 だからこの映画、そんなに労力かけてまで観に行きたいかどうか……は、夫と私の熱量をはかるのになかなか良い目安なのだ。

 そんなわけで、「ジュマンジ」のノリで、夫と観に行った。
 そして「ジュマンジ」のノリで間違いなかった。

*多少ネタバレあります

 サンドラブロックは、母と兄と観に行ったワシントンDCの映画館で「スピード」の中に出てきた。ハラハラのアクションで、スクリーン前の観客も大盛り上がりでめっちゃ楽しかった。

 その後こんなに長く活躍するなんて。

 内容はほぼずーっと楽しかったけど、夫を亡くした奥さんの想いがこまめに表れているのはちょっとリアルかな。どっぷり浸かっているわけじゃなくて、気持ちが離れられないわけじゃないのに離れたくない感じとか、何やってても頭のすみにある感じとか。

 それにしてもブラッドピットの無駄づかいが笑えた。
 色気むんむんに長い髪をふり乱して、彼こそがサンドラふんするロレッタの「ダッシュ」なんじゃないだろうかと思ったらえっ撃たれた!

 彼のもっとも印象的な言葉は、「なんでそんなにイケメンなの」と問われての「遺伝子だよ」。カッコつけて言う。

 あ。ははは。そうですよね。それはなんでそんなに美人じゃないの。に対する答えといっしょじゃないか。誰だって顔のつくりなんて表情以外はどうにも仕方ないじゃないか(表情が顔の中でもっとも重要と私は思う!)。外見なんて人類みな遺伝子だ。

 さて。この中でチャニング・テイタムがめっちゃかわいい。ちょっとアホっぽいけど、かわいい。ムキムキだけどかわいい。色気は、私はあまり感じない。でも色気なんか私は感じない方が好きだ。とにかくかわいい。
 かわいいかわいいと思っていたら彼は42歳だった。膝から崩れ落ちそう~。

 出版ツアーのマネージャー、ベス役と、SNS担当のアリソン役が若くて30代。でも若者の映画ではないのかなあ。
 あっ。俳優ならほかにダニエルラドクリフも出ているわよ! まあ30代だけど。伸び伸び演じてて楽しそうなのが良かった。

 パンフレットを見ながら夫に言った。
 「私たちはおじさんとおばさんの冒険モノと恋愛コメディを観に行ったの?」

 そうだねえ。

 だってサンドラブロックが57歳だよ。

 わあびっくりしたよー。57歳かあ。腰が抜けそう~。

 「ご~まり~さん」って言ってたブラッドピット(EdwinのCM 25年くらい前ですって!)も58歳だってー。背骨が曲がりそう~。もう立てないよ。降参だよコーサン。両手もあげとく~。車の中で良かったー。

 二人ともアラ還じゃないのよ。

 世界はもうアラ還だって冒険モノだって恋愛モノだって主役なのさ。
 日本人は年齢気にしすぎか。
 でも世代による意識ってちがったりして面白いもんね。
 それでも活躍できるよ。
 元気だね、アラ還。
 ほど良い色気と豊富な経験。
 まあでも努力してるんだろうね。
 良いね。元気出るね。

 二人で口々に喋りながら、なんだかゴキゲンで帰ってきた。



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