お母さん目線で、若い人たちを応援し、危うさを心配する
1万人の中の9人が決定した。
先日書いたNizi Projectのメンバー。
最終結果は9人となった。
前回は、J.Y.Parkの言葉が表現力豊かで、審査する側として、される側の気持ちを思いやる姿勢が胸を打つと書きたかった。
今回は一部のメンバーたちから思うこと、40代後半の私の目線から書こう。
全員それぞれに個性も強くて可愛くて、格別にお気に入りの子もいるのだけど、気になる二人がいる。
「気になる」のは、文字通り「気になる」のだ。それはもう可愛いだけじゃない、親心みたいなもので。
実際、息子と同じくらいの年齢の子たちが、こんな過酷な状況で、どんどん成長を遂げていく様子は心を動かされると同時に、心配が強い。いやむしろ心配の方が大きく膨れ上がってしまう。外見は成長して大人っぽくなって可愛い頃だし、葛藤も思考力も体力もあるけれど、心の経験はまだまだ子供だ。
前回書いた、「優しいだけ」と言われた子は、メンバーとして残れたのだけど、彼女についてまず少し。
最終審査で選ばれるまで、彼女の表情を見ていて、気持ちが手に取るように分かった。私も「優しいだけ」と言われる側のタイプ。どうやって自分を表現したら良いのか不安で、とりあえず深刻に一生懸命になる。結果、真面目さが一番前に出てしまって、ちょっぴり怖い表情になってしまう。
わかるなあ。彼女の立場に身を置いたら、真面目過ぎる自分は、スタッフにあまり好かれていないのではないかと思う。そこが私の思考の良くないパターン。
でも彼女は違った。自信をつけていった結果、合格。しかもスタッフ、トレーナー間の評価が最高得点だったそうだ。
真面目だからかもしれない。でも、真面目で一生懸命な彼女をそんな風に周りが評価されていたのなら、私もとても嬉しい!!
そしてもう一人気になるのは、「ごはんたくさん食べてね。やせているから」と言われた子。
彼女は、最終審査の時以上に、デビューしたと決まってからの生放送でもっとやせていたように感じた。化粧越しにでも顔色が良くないのがわかり、栄養がいきわたっていないからか、精神面が辛いのか、返答がおぼつかない。
摂食障害についての心理を、まだ勉強していなくてわからない。だけど、たくさん食べてと言っても、多分彼女には響かないだろう、くらいはわかる。もちろん、精神的に少し距離のある方たちがそうやって声をかけるのは「気が付いているよ」という意味で大切だろう。
でもごく親しい人、とても近くにいる人、たちが声をかけるとしたら、そういうことじゃないんだよなきっと。たくさん食べたとしても摂食障害の子は故意に吐いてもどすだろうから。
私も大学卒業前後、軽い摂食障害に陥ったことがある。太る方だけど。書くと食べ物を粗末にしていると思われるくらいの量を食べた。食べても食べても寂しくて、悲しくて、苦しかった。嘔吐しようと頑張ってみるけど、少ししか出ない。涙とよだれまみれで便器に向かっていたことがある。
何故、あそこから立ち直れたんだっけ。
親しい友達に、その話をして受け入れてもらい、落ち着いた気がする。その後、夫と出会ってからその症状が出そうになると、話して全部受け入れてもらった。過去の話も含めて。
私の場合は「受け入れてもらえた」が大きかった。
寂しくて食べてしまう。泣きながら吐く私は。
人生に不安いっぱいだった。ありのままの自分を人に受け入れてもらえないんじゃないかと思っていた。
多分私は、自分が受け入れられていないんじゃないかと不安が強いタイプなのだろう。今もその類の不安とは隣り合わせだけど、自分を傷つけようとは思わない。その気持ちを伝えられるようになったからだ。自分を無意識に傷つけてしまう行為は、5年ほど前まで時にはあったけど、あそこまでの危うい不安定さは、私にとって20代前半の1~2年間くらいですっかり終わった。
変わらないでいてくれた、友人と夫の存在は私にとって、とても大きい。
デビューした彼女に話を戻そう。
彼女は最初の頃の面接で、ぷっくりほっぺがすごくキュートだった。ぷっくりと言っても、ほっぺたが前に出るのって、若々しくて可愛い象徴だし、それに当時から彼女は全然太っていなかった。顔も小さく、すらりとスタイルも良かった。でもその後、褒められる度に不安感が増していったよう。褒められて自分を追い詰め、ダメにしていく子もいるんだなあ。胸が締め付けられる。
どうか彼女が、はつらつとした自分を取り戻せるよう祈っている。それがどんな形であっても良い。自分の人生だ。後退と思っても成長につながることもあるのだから。
とても心配してしまう。
***
最後に、J.Y.Parkとメンバーとで「縄跳びダンス」を教えてくれた。
床をミシミシきしませながら、テレビの前でめっちゃ楽しんだ。
楽し過ぎて、「これで合ってるのかな?」と鏡の前まで行き、だいぶ引いた。おばさんが体を重そうにドスドス激しく動いている。
かっ……。かわいくない……!!
それまでのテレビの画面とのギャップが衝撃的だったので、静かにテレビの前に戻った。こんなところでも40代後半の自分を意識させられるなんて。
みんな。おめでとう。厳しい世界だろうけど、どうか自分を追い込まずに、元々あるものを磨くに徹し、自信を持って楽しんでほしいな。
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