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フォルムが怖いけど、頑張って観たら、人間くさくて愛を感じた~ヴェノム~

 特に口が怖い。
 だから観れなかった。なんかべちゃべちゃしてそうだし、人を食べちゃうし、怖いじゃないか! 
 マーベル作品と言えども、MCU(マーベルシネマティックユニバース)の他の作品とのクロスオーバーもないし、ひたすらフォルムが苦手だから観ないようにしていた。
 「ヴェノム」。

 だけど、続編「2」が出る。外国ではもう公開されているところもある。
 そして外国で観た友人が「面白かった! もしかしたらスパイダーマンと関係してくるかもしれないよ」と言うではないか。しかも彼女は怖いものが苦手なはずなのに、「ヴェノム」を観ているのだ。つまり、怖いを超えて面白い要素があるはずなのだ。
 なんてことだ。
 観なくてはいけないではないか!


 以前も記事に書いた。私はゴジラが苦手だ。幼少期は平気で、ニュージャージーでも放映されていたゴジラ対モスラだのを楽しんで観ていたのに、ゴジラが夢に出てくるようになって、段々ダメになっていった。
 出てこなくて良いのに簡単に夢に出てくるようになってから、あらゆる物が怖くなった。勘弁してほしい。
 そしてそうやって「夢に出てきそう」が、その後の私の、苦手かどうかの基準になっていく。
 大好きな「ゼルダの伝説」もマモノが怖くて仕方なくて、そのドキドキ感が最初はいやだった。でも段々凝視しないで闘う方法を身につけていき、戦闘時に画面をしっかり観ないで済むようになってからは、楽しくて仕方なくなった。(大妖精もすごく怖いです。)

 「ヴェノム」もフォルムが怖くて苦手だと、ホラーや怖いのが平気な友達に言ったら、案の定、彼女はそのフォルムこそが好きだった。
 だからウチに遊びに行く時に、気を使ってポスターだったかに布をかけてくれていた。
 なんてありがたい。本気で怖いとわかってくれている。彼女のダンナさんがやはり苦手らしく、その思いに理解があるようだ。ダンナさんは、ポスター周辺をなんとなく見ないようにして暮らしていたとか。

 いかに苦手かを書いたけど、とにかくクロスオーバーあるかもしれないなら、頑張って観るぞ。

 夫も息子も「面白いし、可愛いよ」と言う。

 観終わると、確かに「面白いし、可愛い」かった。
 そして紳士だった。

※ネタバレあります

 シンビオートは宇宙人という解釈で良いのかしら。同士だと殺し合えるのかもしれないけど、とにかく人間なんか相手にならんわってくらい強い。人間に寄生して生きていくのだけど、自分の利益のためなら共生できる人間もいるようだ。いずれにしても寄生して、人間を食べちゃう。
 寄生したその人間の臓器を食べながら生きていくか、寄生して他の人間を食べちゃうかで、もう書きながら私はいったい何を書いているのだと恐ろしさにげんなりしているのだけど。当然そのシーンは見ない。目を向けていても焦点を合わせられない。映像作った方ごめんなさい。
 だけど断じて。怖いので。見られないから!

 でもエディは、シンビオート「ヴェノム」に気に入られ、エディ自身の臓器を食べないことを約束として共生する。
 ヴェノムは、おそらく食べ方以外は会話や相手に耳を傾けるところなど、たいへん紳士的。聞き分けも良いし、頭も良い。恋のアドバイスだってしてくれる。でも異常に強いから。注意していないと突然残酷なシーン出るからね。

 グッと来たシーンがある。
 ヴェノムがエディを静かに助けるシーン。そしてエディが黙って自らヴェノムと一体化してヴェノムを助けるシーン。
 どちらも「助けるぞ!」とか「お前のために!」なんて言わないで、ただ黙って覚悟を決めて一体化する。本当の悪を倒すために。この先の未来のために。
 互いの信頼関係と互いを必要だと想う気持ちを見たようで、その二つのシーンが好きだった。

 よし。これで続編も観れそうだぞ。

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