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大切にしたい思い、過去のこと、最近のこと

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親子関係や友達とのことじゃなくても、自分の中で大切にして残しておきたい思いがあります
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2019年11月の記事一覧

温かい食事のありがたさを思い出して、動いている

 24歳になる年の頃。宝塚で仕事をしていた私は、阪神淡路大震災に遭った。  生まれて初めて、電気、ガス、水などライフラインのない状態を経験する。  電気は3時間位で戻ったけど、ガスは1週間ほど使えなかったし、水は1か月近く使えなかった。  お風呂は、電車で幾つか駅を越えて、大阪方面の親せきの家まで入りに行った。でも週に1回だけ。顔を洗えないと、ブツブツと発疹ができる。トイレで流す時はバケツに汲んできた水を、ちょっとだけ勢い付けて流す。  水が出ないのは、食べる物にも影響し

後ろ姿を見ていたい

 見て「いたい」だと、希望だけど、本当はもっと強い気持ち。  見ていないと「気が済まない」。  子供の頃、「行ってきま~す」とセットで「角曲がるまで見ててね!」。マンションに住んでいた頃だと、「窓から見ててね!」。毎日飽きもせず母に伝えて、見えなくなりそうなギリギリになると、振り返って母を確認。手を振る。振り返す母を見て安心する。  あの心理は何なのだろう。  今も、夫や息子が「行ってきます」となると、「行ってらっしゃい」で良いのに、玄関で見送りたい。  「良い奥さん」

心が苦しい人に対して、待つしかできない無力感

 息子の友達の中で、ある一面でとても気の合う子がいる。その彼が今年度の早い段階から学校に来れなくなった。  中高一貫校だから、同じメンバーで中学一年生から楽しく学校生活を送ってきた。はず。  息子も中学一年生の時「不登校になるのかな」と思った時期があったけど、今は「めんどくせ~」とか言いつつ学校に行っている。  学校に行かなくなる理由が様々だとは認識している。そして学校に行かなくなること自体に関して、それほど「絶対反対」とは思わない。苦しい人たちの話を聞けば聞くほど、「無

クリスマスカードを書く楽しみ

 クリスマスが大好きで、昨年クリスマスツリーについて書いた。  全然クリスチャンでもないのだけど、あの赤と緑を中心とした色合いに気持ちが温かくなってホッとする。ブルーとか白も空気の澄んだ感じが出ていて良い。金とか銀もキラキラして良い。たくさん良い!  サンタさんの思い出に関しても書いた。自分が子供の頃。息子が幼少期。周りで聞いたり読んだりした苦労話。  息子が大きくなったのと、忙しくなったために、クリスマスのイベントを楽しむ雰囲気は我が家にはほとんどなくなった。  それ

話しかけたい200メートル

 「てっちゃんと結婚するんダ~」って。私は決めていた。5~6歳の頃。  向かいの家に住んでいる日本人の男の子。おっとりしていて、マイペース。決して人を傷つけるようなことを言わないし、自分の思うように人を動かそうとか、強がるとかそういうところがなかった。  穏やかだけど、好奇心が旺盛で、同じ年齢にしては色々な物事を知っていた。少なくとも私より。だから憧れて「てっちゃんと結婚する」と決めていた。  でもてっちゃんは、全然私の方なんか向いていなかった。私の兄を慕って、兄にまとわり

自分が年上の立場で、年下の方たちに気を遣うこと

 10年くらい、同じ美容師さんに髪の毛を切ってもらっている。  美容室で話すのが苦手な人は少なくないようだ。私もそうだった。自分のことを聞かれるから表面的に返事するだけでも、相手の「ほほう!」の反応が面倒くさい。いかにも「このように反応しておけば当たり障りない」といった風だからだ。ペラッペラのやり取りをしなきゃならない美容室は、とってもストレス。  今、担当の美容師さんは、話を聴いている実感がある。その場限りでも、自分で考えた言葉で返事をする。人との会話を軽いノリで続けよう