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『20歳の自分に受けさせたい文章講義』 古賀史健 @fumiken ×柿内芳文 @kakkyoshifumi トークイベント@紀伊国屋新宿本店(2019年7月31日)星海社新書ロングセラーフェア記念 #20歳の自分に受けさせたい文章講義
文章本のベストセラー『20歳の自分に受けさせたい文章講義』の執筆者・古賀史健さんと編集者・柿内芳文さんのトークイベントに行ってきました。
トークのポイント
・ライターと編集者は、かけた労力ではなく、ただ成果物が問われる
・伝えるために、言い換えやたとえをする(言いたいと伝えたいの違い)
・普遍的で論理的にして、再現性のある「教科書」を目指して言語化する(技は見て盗め、との別離)※現在、ライターの教科書を書いている
・普遍的なら時間を超えて面白いから(柿内さん)
・言語化できれば、正しく行えるし、教えられる(柿内さんが編集の授業を始めるように)
・とんでもない読者(糸井重里さんや村上春樹さん)を想定して、読まれても恥ずかしくない成果物を作る(古賀さん)※とんでもない高さのハードルを自らに課している…!
・ライターは文章を書くひとではなく、コンテンツを作るひと(WEBなら細かく写真を指示する)
・編集者は定義されていない。広い仕事をする。
古賀さん、柿内さんのトークはお聞きするのは2度目。お二人ならではのライティング・編集トークでした。
どんなトークイベントだったか?
22刷が出るほどの文章本のロングセラー『20歳の自分に受けさせたい文章講義』を含む、星海社新書のフェアが紀伊国屋新宿本店で行われています。フェアを記念して、トークイベントが開催されました。
いまこそ聞きたい「文章を書くこと」について。星海社新書ロングセラーフェア記念『20歳の自分に受けさせたい文章講義』
— 河原塚 徹@書評好きマーケター (@passionhack) July 31, 2019
古賀史健×柿内芳文トークイベントに参加!#紀伊国屋書店 #20歳の自分に受けさせたい文章講義 pic.twitter.com/MzfJ2KdWDQ
3人の登壇者
司会は、ライターの崎谷さん。
著者の古賀史健さん。
編集者の柿内芳文さん。
5年は書き直さなくていい本を目指した
古賀さん。本の紹介。柿内さんが、ウェブサイトでインタビューをしたいと、古賀さんのところへ。
— 河原塚 徹@書評好きマーケター (@passionhack) July 31, 2019
24歳でフリーランスになったので、先輩がいない20代のもどかしさを抱えていた。先輩がこんな指導をしてくれたら、と書いた。#20歳の自分に受けさせたい文章講義
古賀さんは24歳でフリーランスになり、教えてくれる先輩がいなくてもどかしく、先輩がこんな指導をしてくれたら、と書いたのが本書だといいます。
古賀さん。5年間は書き直さなくていい本にしようと。
— 河原塚 徹@書評好きマーケター (@passionhack) July 31, 2019
文章術の本が頻繁に出版される状況に疑問を感じていたので。#20歳の自分に受けさせたい文章講義
実は、世の中には文章本が大量にあります。新しい本かと思って手を取ると、同じ作者がタイトルを変えながら、似たような文章本を出しているようなことも…。
古賀さん。ブロガーのかたには、アフィリエイトなどのテクニック本と、この本のような文章の本を両方買うといい、と紹介さらているようです。#20歳の自分に受けさせたい文章講義
— 河原塚 徹@書評好きマーケター (@passionhack) July 31, 2019
ブロガー向けのテクニック本とは、対照的な本かつセットで読むといい本として位置づけられているのが面白いです。
古賀さん。文章の本は、元新聞記者の有名な本、大学の先生の本などがある。
— 河原塚 徹@書評好きマーケター (@passionhack) July 31, 2019
しかし、ライターのための本とは違う。数をこなし、売れなくなったら終わり。厳しい競争にさらされている。
自分がこういう先輩でありたい、と書いた。#20歳の自分に受けさせたい文章講義
ライターのための文章術の本だと。
ライティングを言語化するとは
崎谷さんが本書を評価しているポイントのひとつは…。
崎谷さん。この本の、文章を面白くするのは論理構成だ、という箇所を意識しています。#20歳の自分に受けさせたい文章講義
— 河原塚 徹@書評好きマーケター (@passionhack) July 31, 2019
論理構成だといいます(もう一度、読み直さなくては!)。
古賀さん。俺はこうやってる、という本は、再現性がない。
— 河原塚 徹@書評好きマーケター (@passionhack) July 31, 2019
自分は、なぜそうしているか、理由を言語化しようと。ロジックにしつつ、感情の部分も残そうと。#20歳の自分に受けさせたい文章講義
再現性をもたせるために、ライティングを言語化し、論理的にしたと。
柿内さんもたたみかけます。
柿内さん。マイウェイ(俺流の本)は面白いけど、翌日忘れてしまう。
— 河原塚 徹@書評好きマーケター (@passionhack) July 31, 2019
普遍的な教科書になるものは、難しいが目指したい。
教科書になる本は、星海社新書の裏テーマ(おお!そうだったのか!)#20歳の自分に受けさせたい文章講義
普遍的で教科書になるような本は、作るのが難しいそうです。
となると、お二人が取り組んでいる、ライターの教科書の本がどんな本になるか、期待です。
なぜ、言語化しようとしたのでしょうか。
古賀さん。いざというときに言語化・論理的に説明できないと、理解しているとは言えない、と思っていた。#20歳の自分に受けさせたい文章講義
— 河原塚 徹@書評好きマーケター (@passionhack) July 31, 2019
言語化=理解。この話は、柿内さんにも共通しています。
賞味期限の長い文章とは
崎谷さんから次の問いかけが…。
崎谷さん。賞味期限の長い文章はどう書くか?
— 河原塚 徹@書評好きマーケター (@passionhack) July 31, 2019
古賀さん。いま起きている足の早い情報でもそのまま伝えるのではなく、一旦、別のものに言い換える。そしてもう一度、置き換える。#20歳の自分に受けさせたい文章講義
一度、別の情報に言い換えることで、賞味期限が長くなる?更に深堀りすると…。
古賀さん。いまの気持ちを、過去に遡って、同じ気持ちをどこで感じたか。自分を遠くに動かし、普遍性を見出す。共通点をすくいあげる。#20歳の自分に受けさせたい文章講義
— 河原塚 徹@書評好きマーケター (@passionhack) July 31, 2019
別の事象や感情との共通点を見出し、普遍性をもたせるそうです。
柿内さん。新卒で入ったK社で、書庫にあった過去の本を読みまくって、学んだ。事例が古い、著者も亡くなってる。でも自分には普遍的に思えた。
— 河原塚 徹@書評好きマーケター (@passionhack) July 31, 2019
面白い本は、目の前に著者がいて語りかけてくれるような感覚があった。#20歳の自分に受けさせたい文章講義
柿本さんは、新卒時代に読んだ古い書籍の面白さから、普遍性に気づいたといいます。
著者が目の前にいて話してるような「対面構造」も知ったそうです。
本とWebの違い
崎谷さん。本とWEBの違いは?
— 河原塚 徹@書評好きマーケター (@passionhack) July 31, 2019
古賀さん。もともと雑誌のライター。雑誌が売れなくなり、原稿料が3分の1に。本の世界へ。
1週間もてばいい文章から、5〜10年後も読まれる文章へ。テクニックと思っていたものは捨てた。どこの誰がいつ読んでも正しいと思える文章を。#20歳の自分に受けさせたい文章講義
雑誌のライターだったころ、1週間もてばよく、ときに読者をあおるような文章だったものを、本に必要な「どこの誰がいつ読んでも正しいと思える文章」に変えたそうです。
古賀さんといえば書籍『嫌われる勇気』で知られています。柿内さんいわく、世界で1億部売れると断言!
柿内さん。『嫌われる勇気』は1億部売れる。ぼくの中では。
— 河原塚 徹@書評好きマーケター (@passionhack) July 31, 2019
岸見さんと古賀さんがアドラーを正しく伝えた本だから、世界でも売れる。#20歳の自分に受けさせたい文章講義
古賀さん。『嫌われる勇気』では、世界を意識して書いた。
— 河原塚 徹@書評好きマーケター (@passionhack) July 31, 2019
青年の悩みも、どこの時代でどこの国でもわかるように。#20歳の自分に受けさせたい文章講義
ブログでは、具体的な読者を想定して書け、というTipsがあります。しかし、読者はさまざまな読者が読む可能性があります。普遍的な書き方が必要なのでしょう。
古賀さんはなぜ5年間、noteを毎日更新しているのか
崎谷さん。noteを毎日書かれて…。
— 河原塚 徹@書評好きマーケター (@passionhack) July 31, 2019
古賀さん。5年、書いてます。文章は上達しない(笑)。手の抜き方ばかり身について。
自分の文体が見えたり、いいことも…。#20歳の自分に受けさせたい文章講義
と話されていましたが、実は大きな目的がありました。
古賀さん。毎日更新したのは、1年更新して大変。糸井さんはなぜ15年続けられるのか?と会うために続けた。
— 河原塚 徹@書評好きマーケター (@passionhack) July 31, 2019
柿内さん。普通、糸井さんに会ったら止めそうなのに、続ける。自分への厳しさは、原稿への厳しさと同じ。だから信頼できる。#20歳の自分に受けさせたい文章講義
糸井さんと会うために書き続けたnote。糸井さんに会えても続けるのが、古賀さんらしさ。
もうひとつ、成果物に対しての厳しさにも古賀さんらしさがあるといいます。
柿内さん。かけた労力と、成果物の出来不出来を切り分けて考えられるひとがいない。#20歳の自分に受けさせたい文章講義
— 河原塚 徹@書評好きマーケター (@passionhack) July 31, 2019
古賀さん。自分の文章に厳しいのは、糸井さんのような、どでかい読者を想定して書いているから。例えば、村上春樹さんに読まれて、恥ずかしくないか、と。#20歳の自分に受けさせたい文章講義
— 河原塚 徹@書評好きマーケター (@passionhack) July 31, 2019
自分の尊敬しているようなひとに読まれても平気なものを…。考えすぎると、書けなくなりそう…。
なお、イベント中「成果物」という言葉は使われていません。文章でもなく、コンテンツという表現が少しあったぐらいです。
よいライターや編集者は育成できるか
崎谷さん。よいライターや編集者は育成できるか?
— 河原塚 徹@書評好きマーケター (@passionhack) July 31, 2019
古賀さん。いまライターの会社を作って、増やしたいと思っている。いい原稿を書けるようにはなれる。
そのうえの面白い原稿を書けるようになるには、個人の資質が影響するかも。#20歳の自分に受けさせたい文章講義
柿内さん。最近、自分の中で、編集者のスタートラインに立てた。自覚があった。
— 河原塚 徹@書評好きマーケター (@passionhack) July 31, 2019
編集を言語化して教えて、もっと編集者として成長できる。#20歳の自分に受けさせたい文章講義
柿内さんは、ひとに教えられるくらい、編集を言語化できた手応えがあり、編集の授業を開かれるそうです。
【告知】生徒募集!
— 柿内芳文(編集者) (@kakkyoshifumi) July 26, 2019
内容:「編集」の授業
登壇:柿内芳文(編集者)
日程:8月19日月曜、8月26日月曜、9月2日月曜の全3回
時間:19時〜23時の4時間
場所:渋谷駅近辺
人数:20人
条件:20代
費用:1回1万円(税込)
詳細・申し込み ↓https://t.co/n26DuL6Stb
柿内さんはどんな編集者なのか
崎谷さん。柿内さんのすごいところは?
— 河原塚 徹@書評好きマーケター (@passionhack) July 31, 2019
古賀さん。柿内さんは、本を作ろうとする意識が少ない。
あの映画みたいな、新幹線みたいな、ディズニーランドみたいなもの作りたい、と。
取材のあとの感想戦で、感覚が一致する。細かいところにこだわる一面も。#20歳の自分に受けさせたい文章講義
柿内さん。消費者としての自分には全幅の信頼を置いている。
— 河原塚 徹@書評好きマーケター (@passionhack) July 31, 2019
ただし、常に自分を磨いている。
はじめて何かに接したときの感情を言語化している。街の中のものすべてを初稿と。意識してるとトレーニング回数を増やせる。#20歳の自分に受けさせたい文章講義
やっぱり柿内さんも言語化しています。「初稿」というたとえば編集者ならでは。
質疑応答
「たとえる力」「言い換える力」をどうトレーニングすればいいか?という質問です。
質疑応答。たとえる力はどうトレーニングできるか?
— 河原塚 徹@書評好きマーケター (@passionhack) July 31, 2019
古賀さん。何のためにたとえるか?みんなにわかってもらえるのが基本。誰にでもわかってもらえるカレーなど、まず、たとえる対象を間違えない。
何と似てないか、から考えるところから。#20歳の自分に受けさせたい文章講義
柿内さん。美味しかった、ではなく、どこがどう美味しいか?考える。あのときのあれと同じと気づけると、輪郭が見えてくる。
— 河原塚 徹@書評好きマーケター (@passionhack) July 31, 2019
考えたこと、あったことをひとにたくさん話す。伝わるように、共通項を探して、たとえる。#20歳の自分に受けさせたい文章講義
柿内さんは「雑談」と言いかけましたが、古賀さんがひたすら話すから「雑話」だと(笑)。
古賀さん。言いたいと伝えたいの違い。伝えたいなかで、たとえる。#20歳の自分に受けさせたい文章講義
— 河原塚 徹@書評好きマーケター (@passionhack) July 31, 2019
伝えるために、伝わるための「たとえ」です。
紙とWebはどう違うか、縦書きと横書きでどう違うか、という質問です。
質疑応答。紙とWEBの違い。
— 河原塚 徹@書評好きマーケター (@passionhack) July 31, 2019
古賀さん。スクロールか、めくりか、は意識。
ライターは文章を書いてる人ではなく、コンテンツを作ってる人。総合的に考える。WEBの利点のカラー写真は、意図をもって指示。ほぼ日はすごい。#20歳の自分に受けさせたい文章講義
古賀さんは、ライターを文章を書く人ではなく、コンテンツを作っている人と認識しているそうです。そのため、WEBでは使いやすいカラー写真をコンテンツで活かしているそうです。
ほかにも、ライターとエッセイストの違いなども話に出ました。エッセイは、そのひとの存在があってこそ、味がでるものと。
付録(Tweetをまとめたもの、イベント告知ページ)
今回のイベントのTweetをまとめました
以前、開催されたイベントのTweetのまとめも紹介します。同じく、古賀さんと柿内さんのトークされています。
イベント告知ページ
古賀さん、柿内さん、崎谷さん、紀伊國屋書店のみなさん、ありがとうございました。
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